むちうちの電気治療の方法や種類を解説!通院頻度はどのくらい?
むちうちの電気治療には、どのような種類があるのかご存じでしょうか。 本記事では、電気治療の特徴について解説し、治療期間の目安や治療費についても紹介しています。 むちうちの電気治療に疑問や不安なことがあれば、ぜひチェックしてみてください。
目次
「むちうちに電気療法は効くのかな?」
「むちうちになったら治療にどのくらいの期間が必要なの?」
「むちうちの治療にかかる治療費の負担について知りたい!」
このように、むちうちの症状を抱えている方には、たくさんの疑問や不安なことがあるのではないでしょうか。
本記事では、むちうちの治療で行われている、9つの電気治療の種類や方法に加えて、治療期間の目安、治療費など、むちうちの電気治療を受ける際に、押さえるべきポイントを紹介しています。
この記事を読むことで、むちうちの電気治療に必要な知識や選び方、治療方法ごとの特徴などを確認することができます。
この記事をもとに、自分に合った電気治療の方法を選ぶことができるようになるため、むちうちの治療に不安を抱えている方でも、スムーズに治療を進められるでしょう。
むちうちの電気治療を始めたいと思っている方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
電気治療とは?
むちうちは、交通事故に遭った時に発症することが最も多い怪我であるといわれています。
むちうちの治療では、電気治療を受けることができますが、電気と聞くと、少々不安に思うこともあるのではないでしょうか。
電気治療は、むちうちなどの痛みを改善するための治療方法の一種として取り入れられており、例えば、疼痛軽減、筋機能改善といった効果を期待できます。
むちうちってどんな怪我?
むちうちとは、追突や、衝突などによる激しい負荷が首に加わったことで、首がムチのようにしなることで引き起こされる怪我の総称です。
正式には、頸椎捻挫、頸部挫傷、外傷性頸部症候群などと診断されます。
むちうちでは、痛みやしびれ、肩こり、吐き気、目まい、倦怠感、可動域制限など、さまざまな症状が現れる可能性があります。
また、被害者の年齢や体質、事故の程度などによって現れる症状が異なるという特徴もあります。
出典・参照:「むち打ち症」|日本整形外科学会
出典・参照:むちうち(頸椎捻挫) |あいちせぼね病院
そのため、交通事故に遭ったら、たとえ目立った外傷やむちうちの症状がなくても、病院の整形外科を受診して、首などの状態を診察してもらい、正しい症状を診断してもらいましょう。
電気治療の主な種類
電気治療と一口にいっても、実は多種多様な方法があります。
ここでは、9つの電気治療方法について紹介しますので、ご自身の症状などと合わせて見てみてください。
低周波治療
低周波治療は、身体に微弱な電気を流して不調を整えるために行われる治療方法です。
低周波治療の電流は、1~1000Hzと微弱で、一般家庭用のマッサージ機などと同じ電流です。
人間の筋肉や神経は、低い周波数に反応する性質があるとされています。身体の表面につけた電極を通じて電気を流し、筋肉を収縮、弛緩させることで血行が良くなり、老廃物を排出させる効果があります。
この治療を受けることで、血行が良くなり、老廃物を排出させることで、炎症や痛みを和らげ、筋肉の張りやこわばりを取り除く効果が期待できます。
出典・参照:電気療法|たかたクリニック
中周波治療
中周波治療では、1000Hz以上の電流を使用し、低周波では届かない筋肉の深層部分にまで電気を送ることができます。
中周波の方が電力が強いイメージがありますが、実は低周波よりも、電気の皮膚抵抗が弱まるため、ピリピリとした痛みを感じにくくなります。
低周波よりもピリピリとした不快感が少なく、深層筋へアプローチできることが特徴です。
出典・参照:リハビリ科診療|あきおファミリークリニック
高周波治療
高周波治療は、1万Hz以上もの高周波を使って治療していきます。
高周波と聞くと、しびれや痛みが気になると思いますが、痛みやピリピリとした不快感はほとんどありません。
高周波は電気の波が非常に細かく、皮膚抵抗が少ないため、より深層部まで刺激することができます。
その効果は、炎症や痛みを和らげる、血行促進、深層筋の痛みを取る、筋力回復などがあります。
高周波治療は、刺激効果が高いため、神経や筋肉などへの治療効果も高くなるとされています。
出典・参照:高周波治療|三宅整骨院
超音波治療
超音波治療では、超音波の微細な振動を使って、患部の治癒力を高めるための治療法です。
超音波治療器は、1秒間に約100万回~300万回もの振動を起こすとされています。
非常に微細な振動を患部に当てることで、身体の奥深くの細胞や、細胞間の組織液の循環を活性化させることができます。
これにより、むちうち初期の炎症や痛みを取り除く効果が期待できます。さらに、患部の負荷をかばうことで痛めた周辺の筋肉にも、痛みが広がらないようにする効果があるとされています。
超音波器の振動は、ほとんど感じることはありません。しかし、超高速振動を受けることで、患部にほんのりとした温かさを感じることがあります。
マイクロ波治療
マイクロ波治療では、優しい電磁波を患部に照射する方法により行われます。
電子レンジと同様の原理を用いて、電磁波を熱に変換します。これにより、患部の奥深くまで温められるので、むちうちの治療に大きな効果を発揮するでしょう。
交通事故などでむちうちになった場合は、炎症を抑えるために、まずは患部を冷やすことが大切といわれています。しかし、事故から1〜2週間が経ち、炎症が落ち着いてからは、マイクロ波治療で患部を温める治療に切り替えるとよいでしょう。
血行促進、新陳代謝促進、筋肉・靭帯・腱の張りや凝りの解消効果があるとされており、むちうちにはもちろんですが、関節の痛みや捻挫にも効果が期待できるでしょう。
出典・参照:マイクロ波|東京リハビリ整形外科クリニック
微弱電流治療
微弱電流治療とはその名の通り、微弱な電流を用いた治療法のことです。
人体は、筋肉や内臓を動かすために、微弱な電流でコントロールされています。むちうちで体が不調な時は、この電流の乱れによるものと考えられています。
そこで微弱な電流を流すことで、身体が持つ本来の治癒力を高める効果が期待されます。電流は、肌で感じられないほど微弱なので、安心して受けることができるでしょう。
自然回復力を高めることで、怪我の回復を早める効果が期待できます。
干渉波治療
干渉波治療は、より身体の深層部に電気を送ることができる治療法です。
低周波や中周波などと、異なる周波数の電気をあてることで、痛みや刺激をほとんど感じることなく治療を受けられます。
深層部の筋肉や靭帯、神経を電気で刺激することにより、患部の痛みや炎症を抑えられるほか、神経を活性化させ、修復する効果も期待できます。
出典・参照:電気療法|尾張町たかたクリニック
立体動態波治療
立体動態波治療は、3種類の異なる高周波の電流を組み合わせて行う治療方法です。
筋肉や靭帯の痛みを和らげるほか、関節の動きを改善する効果が期待できます。
治療のみならず、筋力トレーニングにも使用されることがあります。
出典・参照:リハビリ室内の治療機器について|にいみ整形外科
ハイボルテージ治療
ハイボルテージ治療は、高電圧の刺激を体の深部へ伝えることで、血流の流れを良くする治療方法です。
ハイボルテージという名前ですが、体への刺激はそれほど強くはないといわれています。
この治療を受けることで、痛みの軽減や治癒促進の効果が期待できます。
出典・参照:リハビリ室内の治療機器について|にいみ整形外科
電気治療を受ける際には、むちうちの自覚している症状を正しく伝えることが重要です。適切な診断を受けるためにも、このようなポイントを覚えておくとよいでしょう。
電気治療を受ける場合の通院頻度
交通事故でむちうちになった後、どのくらいの頻度で通院すればよいのでしょうか?
ここからは、むちうちの治療を受ける頻度や、治療の際に注意するべきポイントについて解説します。
事故から1ヶ月以内の場合
交通事故直後は、炎症がひどい状態である可能性もあるため、事故直後または数日以内に病院を受診して安静にしてください。そして、よく相談をしたうえで、おおよそ2週間以内には、電気治療を受け始めるとよいでしょう。
そして、週に3日ほどの頻度で、継続して通院することが大切です。
定期的に通うのは難しいと思われる方も多いと思いますが、むちうちを完治させるには、高い頻度で通院することが大切なポイントになります。
治療から2~3ヶ月の場合
むちうちの治療を始めてから2〜3ヶ月経つと、痛みが緩和していく人も多いと思います。
人によっては、電気治療を受ける頻度が、週に1回程度に減っているかもしれません。
しかし、痛みを抑えるための電気治療は、痛みが軽くなった後も継続が必要な場合があります。
なぜならこの時期は、痛みが再発する可能性が高い時期でもあるとされているからです。
そのため、病院への通院は、最低でも週2〜3回は通院し、必要がある場合には電気治療も受けるようにしましょう。
そして、後遺症が残らないためにも、電気治療以外の施術で骨や筋肉にアプローチすることもよいでしょう。
電気治療の費用は誰が支払う?
これまで解説した通り、むちうちの治療は長期間になる可能性があるため、電気治療の費用を心配される方も多いのではないでしょうか。
交通事故の被害に遭った場合、加害者が任意保険に加入している場合は、任意保険会社から治療費が支払われます。
任意保険に加入していない場合は、自賠責保険から治療費が支払われます。ただし、自賠責保険の場合は、支払い金額に上限があるところに注意が必要です。もしも、限度額を超える治療費がかかった場合には、超過分を加害者本人に請求していきます。
なお、整骨院や接骨院などでも、むちうちの施術を受けることができます。
この場合の注意点として、整骨院や接骨院での施術を受ける前に、事前に医師の診察を受けたうえで、施術を受けないと、整骨院などにかかった施術費が支払われないことがある点です。
このような不都合を避けるためにも、まずは病院を受診して、医師に確認をしてから、整骨院などへの通院を始めましょう。
出典・参照:限度額と保障内容|国土交通省
むちうちの後遺症が残った場合はどうすればいい?
むちうちによる後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定を申請しましょう。
後遺障害等級に認定されれば、後遺障害に関する慰謝料や逸失利益を請求することができます。
ただし、全ての後遺症が、後遺障害等級に認定されるとは限らないところに注意が必要です。
後遺障害等級を申請するためには、医師が作成した後遺障害診断書が必要です。
後遺障害診断書を作成してもらう際には、自覚症状を正しく伝えて、これまで受けてきた治療、その期間、どのような症状が残っているのかなどを詳細に記載してもらうようにしましょう。
後遺障害診断書やその他の提出書類によって、等級認定の判断が行われますので、提出書類の内容が大切であるということを覚えておきましょう。
なお、万が一症状の識別が困難な場合には、手や器具などによって患部の反応を直接確認する神経学的検査も受けるようにしましょう。これらの検査結果を後遺障害等級認定のときに提出すると、有力な判断材料になりますので、必要な検査を必ず受けるようにしましょう。
電気治療以外に受けられるむちうちの治療方法
むちうちの治療方法は、電気治療以外にもさまざまな方法があります。
主に、注射や投薬といった治療とリハビリテーションがあり、リハビリテーションは運動療法と物理療法に分けられます。
物理療法には、牽引療法や温熱療法などのさまざまな方法があり、この記事で解説している電気治療も物理療法の1つです。
むちうちの電気治療について知ろう
むちうちの治療で行われる電気治療について解説してきました。
電気治療というと、怖いイメージや不安を持たれた方もいらっしゃると思いますが、強い刺激を伴う治療ではないことをご理解いただけたと思います。
電気療法には、さまざまな方法があるので、医師の指示のもと、自分の症状に合った治療を受けるとよいでしょう。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
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