事故車は買い替えと修理のどちらが良い?判断基準や注意点について解説
事故車は買い替えと修理のどちらが良いかを徹底解説します。買い替えか修理かを判断する基準や、全損した場合に活用できる保険も紹介!買い替え費用を、車両保険から受け取るまでの手順も説明します。事故で請求できる損害賠償の範囲もまとめているため、参考にしてください。
目次
事故車は買い替えたほうが良いかを解説
交通事故で破損した車を、修理に出すか買い替えるかで、悩む人も多いでしょう。軽度な損傷であれば、修理で済みます。しかし、ダメージが大きかったり費用が高額になると、買い替えたほうが良い場合もあるでしょう。
本記事では、買い替えるときの判断基準を解説します。併せて、利用できる保険や損害賠償についても説明します。
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事故車を買い替えるときの判断基準
判断基準①事故の原因や過失割合
事故の原因が、自分側または相手側にあるかで、利用できる保険が違います。交通事故の過失割合は、自分の加入している保険会社と、相談して決定するのが通常です。
また、過失割合によって受け取れる補償額が、大きく変わります。保険金で修理費用をまかなえず、自己負担する金額が大きい場合は、買い替えをするほうが良い可能性もあるでしょう。
判断基準②車のローンの有無
ローン返済が完了しているかどうかも、大切な判断基準です。返済を完了していない人が買い替えをする場合、二重ローンになる可能性があります。買い替えの手順がわからなければ、販売店に相談すると、二重ローンにならない方法を教えてくれます。
判断基準③走行距離や車の年式
事故車の年式が古かったり走行距離が長い場合は、修理可能であっても、買い替えたほうが良いケースもあります。修理で部品の交換が必要な場合、年式が古いと、取り寄せるのに時間や費用がかかることも多いです。
また、年式が約10年以上で、走行距離が約10万kmを超えると、売却時の査定額が大幅に下がります。そのため、修理をせずに売却して、買い替えるほうが良いでしょう。
判断基準④破損状況
破損がどのような状態であるのかも、判断基準の一つです。骨格部分やエンジンが破損した場合は、修理費用が高額になる傾向にあります。
また、骨格部分の破損は、たとえ修理をしたとしても、完全に元へ戻すことは困難です。しばらくすると、真っすぐに走行できないなどの、トラブルを生じるケースも少なくありません。費用やリスクのことも含めると、買い替えのほうが良いこともあります。
判断基準⑤加入している保険の補償内容
車両保険を修理費用に充てるつもりでも、補償額が十分でない可能性もあります。過失割合や時価額によって、補償額が少なくることも多いです。また、全損か分損かによっても、保険金額が異なることもあります。
車両保険に加入するとき、免責を設定していた場合は、補償額から差し引かれるため、確認が必要です。保険の補償内容によっては、買い替えのほうが良いケースもあることを、認識しておきましょう。
事故車を買い替えるメリット
メリット①故障の心配がない
修理をすれば、見た目は綺麗な状態で戻ってくることもあります。しかし、内部まで完璧に修復することは、ほとんど不可能です。
そのため、修理後しばらくしてから、走行に不都合が生じるケースも、実際にあります。新車に買い替えると、そのようなリスクがないため、安心して乗ることができます。
メリット②精神的苦痛がなくなる
事故車に乗ることで縁起が悪い、再び故障するかもしれないと、精神的苦痛を感じてしまう人もいるでしょう。そのような場合は、買い替えたほうが、気持ちを切り替えることができます。
事故車は、マイナスのイメージがつきものです。どうしても気になってしまう人には、精神的苦痛から解放されるメリットがあります。
メリット③新車を安く購入できる
売却して入ったお金と、車両保険からの補償金を元手にすれば、買い替えることも可能です。状況によっては、普通に新車を購入するよりも、安く手に入るメリットもあります。
元手があれば、購入可能な車種を選択できる幅も広がるでしょう。状態にもよりますが、高額で買取りをしてもらえると、自己負担をせずに購入することもできます。
事故車を買い替えるときの手順
手順①修理の見積もりを依頼する
保険金額は、修理費用の見積もり額に基づいて決定されます。そのため、修理をするしないに関わらず、見積もりを出してもらうことが重要です。
なお、保険会社に全損事故と判断された場合は、対象となる車の時価額に基づきます。したがって、見積もりを出してもらう必要はありません。事故の状況によって異なるため、保険会社に確認してください。
手順②買取りの見積もりを依頼する
売却したい場合は、買取り価格の見積もりを依頼します。業者によって見積もり額が異なるため、1ヶ所だけでなく複数の店舗に依頼して、比較するのがおすすめです。
「中古自動車査定業務実施店」と掲示している店舗であれば、資格のある査定士によって、適正な査定をしてくれます。
手順③修理か買取りかを決定する
それぞれの見積もり額を確認して、修理または買取りにするかを決めます。保険金でどのくらい賄えるのかが、大きなポイントになるでしょう。
修理と買い替えの費用で、どちらを選択すれば自己負担が少ないのかなども、検討してください。買い替えをするほうにメリットがあれば、迷わずに選択をして良いでしょう。
手順④保険会社へ連絡する
修理費用の見積もり額を、自分が加入している保険会社へ連絡します。すると、保険会社は見積もり額に基づいて保険金額を決定し、後日指定口座に振り込むのが、一般的な流れです。
相手側の保険会社から賠償金をもらえる場合は、その旨自分が加入している保険会社へ相談しましょう。そうすれば、どうするべきかの手順を教えてくれるため、相手側の保険会社との連絡や手続きも、スムーズに行えます。
手順⑤事故車を売却する
買取りが可能な場合は、売却手続きを進めていきます。車内に残っている必要なものは取り出しておき、いつでも売却できるように準備しておきましょう。
売却して入ったお金は、買い替え費用に充てることも可能です。新車の購入と並行して進めていけば、手続きもスムーズに行えるでしょう。
手順⑥新車を購入する
売却して入ったお金と保険金を元手にして、新車を購入します。販売店によっては頭金を多めに支払うと、割引をしてくれることもあるため、交渉してみてください。
保険金の振込みや売却手続きが遅れて、購入時にまで間に合わないこともあるでしょう。しかし、先に車を購入しておいても問題ありません。
事故車を買い替えるときの注意点
注意点①保険の等級に注意する
事故による過失が自分側にある場合、車両保険を利用すると等級が下がります。それに伴い、次年度からの保険料の支払いが、上がる仕組みになっています。
そのため、車両保険を利用する際は、補償額より値上がり分の損失のほうが多くならないか、事前に確認をしてください。値上がり分の差額のほうが大きければ、車両保険の利用を再検討しなければなりません。
車両保険には等級というものが定められており、保険を利用すると3等級下がるしくみになっています。この等級が高いほど、保険料は安くなります。
出典: car-mo.jp
注意点②過失割合が正当か確認する
過失割合は、原則的に保険会社が判断します。過去に行われた裁判の事例を参考にして決めるのが、一般的です。しかし、あくまでも似た事例であり、全く同じものではありません。そのため、過失割合が正当でないと、感じることもあるでしょう。
どうしても納得ができない場合は、弁護士など専門家に相談するのも、一つの方法です。ただ、弁護士に依頼すると、別途に費用がかかる可能性もあることを、念頭に置いておく必要があります。
注意点③二重ローンに気をつける
事故に遭った車をローンで購入していた場合は、返済を完了してから買い替えるほうが良いです。または、車両保険で受け取った保険金を、残りのローンに充てることもできます。
どうしても二重ローンを避けられない場合は、返済計画をしっかりと立ててから、買い替えをしましょう。
注意点④事故車の買取りができる業者を探す
破損の状態によって、売却先も異なります。軽い損傷だと、中古車の買取り業者が良いです。骨格部分の損傷などダメージが大きい場合は、廃車専門の買取り業者がおすすめです。適切な売却先を探しておくと、手続きの流れもスムーズに進みます。
注意点⑤示談前に買い替えない
買い替えのタイミングは示談後がベストです。早く買い替えたい人もいるでしょうが、示談が成立するまで、待つことをおすすめします。
なぜなら、保険金を受け取れるのは、示談の成立後になるためです。不便な場合は、保険金を受け取るまで、レンタカーを利用する方法もあります。
事故車の買い替えに活用できる保険
保険①車両保険
車両保険は修理代の補償や、買い替えに必要な費用の補填ができる任意保険です。衝突や当て逃げ、自然災害など、幅広い事故で利用できるのが特徴になります。
車両保険の種類によっては、自分が加害者になった場合、利用できないものもあります。加入時は、補償内容もしっかり確認して、契約サインをしましょう。
保険②対物賠償責任保険
対物損害賠償保険は、自分の過失で、相手の車や所有物を破損させたときに利用できます。また、相手が怪我をして休業した場合の損失額も、補償の対象です。
対物損害賠償保険は、相手のいる事故に限り、利用できる保険になります。補償額は、過失割合によって決定されます。
もらい事故の場合は自分で損害賠償請求を行う
もらい事故は、相手に100%の責任があり、自分に過失がない事故です。したがって、相手側の保険会社から、賠償金を受け取ることができます。
その際、自分が加入している保険会社は、介入することができないため、自分で請求手続きを行わなければなりません。自分で行うのが困難な場合は、弁護士に依頼するのも良いです。
事故で車が破損したときに請求できる損害賠償の範囲
損害賠償額は原状回復にかかる金額
損害賠償額は、損害を生じた分の金額です。したがって、50万円の損害があれば、50万円の賠償金を受け取れます。
保険会社に全損と認定された場合は、原則として車両保険での補償の上限額が支払われます。買い替えや修理の費用が150万円かかったとしても、補償の上限額が100万円であれば、それ以上は支払われません
事故車の時価額によって損害賠償額も変わる
先述のように、 物損事故で全損になった場合、全額補償されないケースも多いです。全損には「物理的全損」と「経済的全損」の2種類があります。物理的全損は、修理不可能なくらい損傷した状態です。
経済的全損は、修理代が時価額より高くなる状態のことをいいます。経済的全損の場合、時価額を超えた差額分は支払われません。時価額によって賠償金額も変わることを、認識しておきましょう。
事故車の時価額の算出方法
「レッドブック」という冊子に掲載されている価格に基づいて、時価額を算出することがあります。しかし、保険会社が参考にするレッドブックの価格よりも、高額で販売している中古車の業者もあるでしょう。
時価額に納得がいかない場合は、自分でも中古車サイトなどを調査した上で、保険会社と交渉するのも良いです。
請求できる買い替え諸費用の費目
買い替えをする際は、新車の購入以外にも、さまざまな諸費用がかかります。全損の場合は、加害者側に請求することが可能です。請求可能な諸費用は以下の通りです。
- 登録手数料
- 車庫証明費用
- 納車手数料
- 廃車手数料
- 自動車税環境性能割
時価額や買い替え諸費用以外に請求できる費目
交通事故で全損になった場合は、買い替えや諸費用以外にも、賠償金を請求することができます。例えば、買い替え手続き中のレンタカー代や、時価算定料、レッカー代などです。また、全損で廃車にする場合は、そのためにかかる費用も、加害者に請求可能です。
事故車は状況によって買い替えか修理か選ぼう
車の損傷した程度や利用できる保険の種類、もらえる補償金額など、個人によって状況がそれぞれ違います。買い替えと修理のどちらにメリットがあるのかを、よく検討して決定することが大切です。
また、自分で手続きを進めていく上で、スムーズにいかなければ、弁護士に依頼するのも良いでしょう。
この記事のライター
宮内直美
最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。
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