慰謝料の計算で活用される弁護士基準とは?計算方法や金額の目安を解説
交通事故に遭った場合、慰謝料の金額はどのくらいになるのでしょうか。 本記事では、弁護士基準での慰謝料の計算方法や、弁護士基準で計算される慰謝料金額の目安などを紹介しています。 交通事故の慰謝料について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
「交通事故に遭った場合に請求できる慰謝料にはどんな種類があるの?」
「慰謝料の計算で使われる弁護士基準とは?」
このように、交通事故の慰謝料について知りたいという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、交通事故で被害者が請求できる慰謝料や弁護士基準の慰謝料を獲得する方法について紹介しています。
交通事故の慰謝料について知りたい方は、参考にしてみてください。
交通事故で被害者が請求できる慰謝料の種類
交通事故の慰謝料は、交通事故によって受けた精神的苦痛に対して支払われるものです。
また、交通事故で被害者が請求できる慰謝料には、「入通院慰謝料」、「後遺障害慰謝料」、「死亡慰謝料」の3種類があります。
以下では、それぞれの慰謝料について解説していきます。
出典・参照: 交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ【2023年最新】 | アトム法律事務所弁護士法人
入通院慰謝料
「入通院慰謝料」とは、交通事故で怪我を負い、病院に入院・通院しなければならなくなったことで受ける精神的苦痛を慰謝するために支払われる慰謝料です。
この慰謝料は、人身事故の場合に請求することができ、物損事故では原則として請求できないところに注意が必要です。
入通院慰謝料は、病院に入院・通院することで支払われるため、たとえば交通事故に遭っても病院に行っていなければ、入通院慰謝料を請求することはできなくなってしまいます。
そのため、たとえ軽傷であった、事故時に痛みや怪我がないと思っても、必ず病院を受診して医師の診断を受けるようにしましょう。
出典・参照: 交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ【2023年最新】 | アトム法律事務所弁護士法人
後遺障害慰謝料
「後遺障害慰謝料」とは、交通事故の影響によって後遺症が残り、これが後遺障害等級に認定された場合に請求できる慰謝料です。
後遺障害慰謝料を請求するためには、 後遺障害等級認定を受ける必要があり、後遺症が残っただけでは請求できないところに注意が必要です。
なお、後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害等級によって、金額が大きく異なりますので、正しい等級に認定されることが重要なポイントです。
出典・参照: 交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ【2023年最新】 | アトム法律事務所弁護士法人
死亡慰謝料
「死亡慰謝料」とは、交通事故の被害者が死亡した際に請求できる慰謝料です。
死亡慰謝料は、家族を死亡させられたことに対する精神的苦痛も含みます。そのため、亡くなった本人分のみでなく、残された遺族も死亡慰謝料を請求することができます。
また、被害者本人分の死亡慰謝料は、本人の損害賠償請求権を相続した遺族が、代わりに請求することになります。
出典・参照: 交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ【2023年最新】 | アトム法律事務所弁護士法人
途中で通院を止めてしまうと、慰謝料算定の対象期間が短くなってしまい、本来であればもらえるはずの金額よりも、低額になってしまう可能性があります。そのため、完治、または、症状固定と診断されるまでは必ず通院を継続するようにしてください。
交通事故の慰謝料の算定基準は3つある
前述のとおり、交通事故の慰謝料には、「自賠責基準」、「任意保険基準」、「弁護士基準」という3種類の算定基準があります。
「自賠責基準」は、自賠責保険会社が慰謝料を計算するときに使われる基準です。自賠責保険は、事故の被害に遭われた方の最低限度の補償を目的としていることから、自賠責基準は3つの基準の中で最も低額な慰謝料となります。
次に、「任意保険基準」は、各任意保険会社がそれぞれ独自に定めている算定基準です。示談交渉を行った際に加害者側の任意保険会社が用いるもので、保険会社ごとに基準が異なります。およそ、自賠責基準と同等程度の金額が算出されるといわれています。
最後に、「弁護士基準」は、これまでの裁判で認められた金額を参考にまとめられている基準です。実際に請求が認められた金額を参考にしていることから、3つの基準の中でももっとも正当性が高く、高額な慰謝料を計算できる可能性が高い基準です。
以下では、弁護士基準での計算方法と慰謝料額の目安を解説します。
出典・参照: 交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ【2023年最新】 | アトム法律事務所弁護士法人
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準
弁護士基準における入通院慰謝料の場合
弁護士基準で入通院慰謝料を計算する場合、あらかじめ定められている算定表(別表Ⅰ、別表Ⅱ)を使って入通院期間分の慰謝料を算出します。
たとえば、事故でむちうちになり、3ヵ月通院した場合は53万円を請求することができます。
弁護士基準における後遺障害慰謝料の場合
後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害等級によって金額が大きく異なります。
そのため、後遺症が残った場合には、正しい後遺障害等級に認定される必要があります。
等級 | 弁護士基準 |
---|---|
1級(要介護) | 2,800万円 |
2級(要介護) | 2,370万円 |
1級 | 2,800万円 |
2級 | 2,370万円 |
3級 | 1,990万円 |
4級 | 1,670万円 |
5級 | 1,400万円 |
6級 | 1,180万円 |
7級 | 1,000万円 |
8級 | 830万円 |
9級 | 690万円 |
10級 | 550万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
13級 | 180万円 |
14級 | 110万円 |
弁護士基準における死亡慰謝料の場合
弁護士基準での死亡慰謝料は、死亡した被害者本人の立場によって、金額が異なります。
たとえば、被害者が一家の支柱(家計を支える中心の人)である場合は2800万円、配偶者もしくは母親の場合は2500万円、その他の子どもなどの場合は2000万円~2500万円となっています。
被害者 | 弁護士基準 |
---|---|
一家の支柱 | 2800万円 |
配偶者・母親 | 2500万円 |
その他 | 2000万円~2500万円 |
また、等級認定を申請しても、必ず認定されるとは限りません。そのため、後遺障害の等級認定を申請するときには、後遺障害診断書に残った症状やこれまでに受けてきた治療などを、医師に詳しく記載してもらうことが大切です。
弁護士基準の慰謝料を獲得するためには?
弁護士基準で交通事故の慰謝料を請求するためには、交通事故の交渉を弁護士に依頼する必要があります。
弁護士基準は、弁護士が慰謝料などの賠償金を計算するときに活用されるものです。そのため、高額な慰謝料を請求するためには、弁護士に依頼するとよいでしょう。
弁護士が使用する弁護士基準では、過去の裁判例で認められた請求額を参考にしています。
これにより、弁護士は保険会社に対して法的に最大限請求可能な金額で示談交渉を行いますので、慰謝料などの増額が期待できます。
また、被害者の損害に見合った正しい金額で算出しますので、適切な賠償金を受け取れる可能性が高まるという大きなメリットがあります。
慰謝料金額に納得がいかないときには弁護士に相談してみよう
交通事故の慰謝料は、必ずしも被害者の損害に見合った金額が提示されるとは限りません。
もし、交通事故の慰謝料金額に納得がいかないときには、弁護士に相談してみるとよいでしょう。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
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