交通事故で首が痛いのを嘘と疑われる理由は?疑われないための対策も
交通事故で首が痛いのを保険会社に嘘と疑われる理由について詳しくまとめています。首の痛みで病院へ通院しているのに症状を嘘と疑われるのはなぜなのか、治療費や慰謝料の支払いはどうなるのかなどを解説。交通事故で首が痛いのを疑われたときの対策も参考にしてください。
目次
交通事故で首が痛いのを嘘と疑われるのはなぜ?
交通事故による怪我の症状で多いのが首の痛みです。むちうちになるとさまざまな症状が現れますが、首の痛みは理解してもらえないこともあります。
また、首が痛いのに、保険会社に「嘘をついているのでは?」と疑われることも少なくありません。なぜ、首が痛いのに嘘をついていると疑われるのか、疑われた場合はどうすればいいのか詳しく解説します。
交通事故で首が痛いのを嘘と疑われた場合はどうなる?
交通事故による怪我で首が痛いのに、保険会社に嘘をついていると疑われることがあります。もしも嘘だと疑われてしまうと、どうなるのでしょうか?
治療費や慰謝料の請求を保険会社から拒否される
むちうちによる首の痛みは、軽微な交通事故でも症状が現れることがあります。しかし、「この程度の事故で首が痛むわけがない」と、保険会社に疑われてしまう可能性があります。
保険会社に首の痛みを疑われ証明できなければ、入通院慰謝料の請求には応じてもらえません。入通院慰謝料は、交通事故による怪我に対して支払われる慰謝料です。
そのため、交通事故が原因で首が痛いのだと証明できなければ、保険会社に請求を拒否されてしまうのです。
保険会社から支払われる慰謝料額が下がる
首の痛みの治療が長引いたとき、保険会社から「本当はもう治っているのでは?」と疑われるケースもあります。一定の期間が経つと、保険会社は治療費の打ち切りを打診してきます。
入通院慰謝料の金額は、通院期間によって決まります。そのため、治療費を打ち切られ通院を辞めてしまうと、もらえる入通院慰謝料が少なくなってしまうのです。
また、むちうちによる首の痛みが後遺症として残った場合、後遺障害等級が認定されない可能性もあります。
後遺障害等級認定のためには、6ヶ月以上の通院が望ましいといわれています。それよりも通院期間が短かった場合、後遺障害慰謝料が受け取れない可能性もあるので注意しましょう。
交通事故で首が痛いのを嘘と疑われる理由
首が痛いので治療したいと訴えても、保険会社に嘘だと疑われてしまうことがあります。なぜ首の痛みは疑われやすいのか、その理由について解説します。
理由①事故発生直後に病院へ行っていない
交通事故直後は興奮状態になっているため、首の痛みに気がつかないことがあります。また、むちうちによる首の痛みは、数日経ってから現れることも少なくありません。
怪我をしていないと思い込み、事故直後に病院を受診しないと、保険会社から嘘だと疑われやすくなります。さらに、時間が経ってから病院を受診しても、首の痛みが交通事故によるものだと裏付けることは難しいでしょう。
また、首の痛みを証明するための資料がなければ、保険会社に疑われやすくなります。首の痛みを証明するためには、医師に自覚症状をしっかり伝え、資料を残すことが大切です。そのためにも、事故直後は病院を受診しましょう。
理由②事故態様が軽微である
交通事故の事故態様は、怪我をしたかどうかを判断する上で重要です。事故態様が軽い場合は衝撃が少ないと判断されるため、首が痛いのは嘘なのでは?と疑われることになります。
軽微な事故であっても、怪我をしないとは限りません。しかし、受傷する可能性が低いため、嘘をついているのではと疑われやすくなってしまいます。
理由③通院頻度が極端に多い
怪我に対して極端に通院回数が多い状態を、過剰診察といいます。毎日のように通院している、必要ないのに整骨院や接骨院と併用して通院している場合は、慰謝料目的だと疑われる可能性があります。
余計な疑いを持たれないためにも、整骨院や接骨院を併用する場合は医師や保険会社に確認してからにしましょう。過剰診察だと判断されると、治療費は自己負担になる可能性もあります。
その一方で、通院回数が極端に少ない場合も、本当は首が痛くないのでは?と疑われることになります。通院回数は多すぎても少なすぎても、嘘だと疑われる原因になります。嘘だと疑われないためにも、医師の指示通り適切に通院しましょう。
理由④保険会社が治療費の支払いを早く打ち切りたい
通院が長引けば長引くほど、保険会社が支払う治療費や慰謝料の額が多くなります。そのため、保険会社としては、治療を早期に打ち切って欲しいのが本音です。
「治療の必要はもうないのではないか」「本当はもう完治しているのではないか」と打診されることがありますが、まだ首が痛いのであれば受けいれるべきではありません。
もしも、まだ治っていないのに治療をやめてしまえば、後遺症が残る可能性もあります。後遺症が残っても、後遺障害等級認定が受けられないこともあるため注意しましょう。
保険会社が打ち切りを打診してくる期間は、1〜3ヶ月程度といわれています。この期間は一般的な目安ですので、治療が必要かどうかは医師と相談のうえ決めるようにしましょう。
理由⑤実際に嘘をつく人がいる
保険会社が首の痛みに対して疑いを持つのは、実際に嘘をつく人がいるからです。もう痛みがないにもかかわらず通院を続け、慰謝料を多く貰おうとする人もいます。中には、整骨院や接骨院が被害者と共謀し、治療費や施術回数を水増しするケースもあります。
そのため保険会社は、嘘や矛盾がないか常に目を光らせています。嘘がばれるとその後の慰謝料請求で不利になるばかりか、保険金詐欺になる可能性もあるでしょう。
交通事故で首が痛いのを嘘と疑われないための対策
首が痛いのに保険会社に嘘だと疑われないためには、どのようなことに気をつければいいのでしょう。嘘だと疑われないための、具体的な対策について解説していきます。
対策①事故直後は整形外科で受診する
交通事故にあったら、まずは整形外科を受診することが重要です。時間が経ってから受診しても、首の痛みと交通事故を関連付けることができません。首の痛みと交通事故の関連が認められなければ、保険会社に嘘だと疑われることになるでしょう。
また、医師が作成する診断書は、慰謝料請求に必要です。整形外科を受診せずに整骨院や接骨院へ通っても、診断書は作成できません。
たいした痛みではない、仕事や家事が忙しいからと後回しにせず、事故後はすぐに整形外科を受診し診断書を作成してもらいましょう。
対策②画像検査や神経学検査を受ける
首の痛みは被害者本人にしかわからないため、客観的に証明するのが難しい症状です。客観的証拠がなければ、保険会社に嘘だと疑われてしまいます。
加害者や保険会社に首の痛みを認めてもらうには、適切な資料が必要です。画像検査や神経学検査を受けていれば、症状を証明できる可能性が高くなります。
握力テストや異常反射テストなどで、症状を証明することができるケースもあります。さまざまなケースに備えて、できる限りの検査を受けておいたほうがいいでしょう。
対策③定期的に通院し医師や保険会社へ報告を続ける
適切な通院頻度を守らず、首が痛いときだけ通っていた場合は、保険会社に嘘だと疑われやすくなります。嘘だと疑われないためにも指示通り通院し、医師に症状を伝えることが重要です。同時に保険会社にも通院状況を伝え、情報を共有しておきましょう。
対策④症状を説明するときは一貫性を持つ
痛みの表現がコロコロ変わり、一貫性がない場合は嘘だと疑われることになるでしょう。事故直後はパニックに陥り、痛みを伝えることが難しいかもしれません。
しかし、診察のたびに表現が変わっていては、嘘だと思われて不利になります。痛みを言葉で表現するのは難しいですが、伝える内容がブレないよう注意しましょう。
交通事故で首が痛いと本当に嘘をついた場合に起こること
実際は痛くないのに、首が痛いと嘘をついて慰謝料を請求する被害者もいます。嘘がばれた場合、どうなるのか解説します。
保険会社へ治療費や慰謝料を請求できない
痛みがない場合は、通院や治療の必要がないということです。そのため、治療費や慰謝料を請求することもできません。
治療費を受け取った後に嘘だと判明した場合は、支払われた治療費を保険会社に請求されることになります。場合によっては保険会社から、訴訟提起を起こされる可能性もあります。
保険金詐欺になる可能性がある
首が痛いと嘘をつき、必要のない通院を続け慰謝料請求した場合、返還を求められるだけでなく詐欺罪として刑事告訴される可能性があります。
また、整骨院や接骨院が通院回数や施術内容変更を要求してくるケースもあります。この場合も、保険金詐欺になる可能性があるため要求に従ってはいけません。詐欺罪は非常に重い犯罪です。慰謝料欲しさに嘘をつくのは絶対にやめましょう。
交通事故で首が痛いのを嘘と疑われないための対策をとろう
首の痛みは被害者本人にしかわからず、客観的に証明するのが難しい症状です。そのため、保険会社から、嘘だと疑われることがあります。
嘘だと疑われないためには、整形外科へ通院し、画像検査や神経学検査を受けるようにします。医師の指示通り適切に通院していれば、疑いをかけられる可能性も少なくなるでしょう。
この記事のライター
伊藤
女の子と男の子の子育てをしながら、フリーライターをしています。交通事故や怪我に関する疑問を解決できるよう、主婦目線でわかりやすく説明していきます。
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