人身事故の罰金・罰則はどのくらい?点数についても詳しく説明!

人身事故を起こした場合、どのような罰則があるのでしょうか。この記事では、罰金や免許の違反点数など、人身事故の罰則について解説しています。万一の備えとして、人身事故を起こした際の罰金などについて知っておきたい方は、是非ご一読ください。

目次

  1. 人身事故による罰金や違反点数などの罰則について解説
  2. 人身事故とは?
  3. 人身事故の責任
  4. 人身事故の刑事罰と罰金の目安
  5. 人身事故による違反点数
  6. 強化された人身事故の罰則
  7. 人身事故の罰金や違反点数などの罰則は状況に応じて変わる

ハンドルを握る以上、交通事故のリスクは常に考えておく必要があります。万一自分が人身事故を起こしてしまった場合、どのような責任を負うことになり、どんな罰則があるかはご存知でしょうか。

本記事では人身事故の定義や、人身事故を起こした運転者にどのような罰則があるのか、罰金の金額や、免許の違反点数の加算などについて、できるだけ詳しく解説しています。

この記事を読むことで、人身事故を起こした際の罰則などについて、ケース別に把握できます。そのため、もし人身事故を起こしてしまった場合にどうなるのかという不安を和らげるとともに、事故の抑止にもつながるでしょう。

人身事故を起こした場合に支払う罰金の金額などについて知りたい方や、交通事故についての知識を身に着けておきたいと考えている方は、是非読んでみてください。

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人身事故による罰金や違反点数などの罰則について解説

DariuszSankowski

車を運転している以上、常に交通事故が起こる危険がつきまといます。万一人身事故を起こしてしまった場合、どのような罰則が課されるのでしょうか。

この記事では、人身事故を起こした際に課される罰金などの罰則や、加算される免許の違反点数について解説します。法的にどのような罪に問われるかなどについても紹介していますので、参考にして下さい。

人身事故とは?

交通事故は被害の状況によって、「人身事故」と「物損事故」の2種類に分けられます。これらは呼び名が違うだけでなく、扱いについても様々な違いがあります。

ここでは人身事故について、その定義と、物損事故との違いについて紹介します。

弁護士 大橋史典
人身事故には、比較的軽微なケガの事故から重い後遺症が残る事故など、様々なケースがあります。また、事故時の車両の種類や運転時の状況などによって、過失割合や慰謝料の金額が異なります。交通事故は頻発していますが、同じ過失割合・慰謝料額になることはほぼないといえるでしょう。この記事では、人身事故の特徴や刑罰について解説します。

人身事故の定義

MabelAmber

「人身事故」とは、人の身体や生命に損害を発生させた交通事故のことを言います。つまり、ケガをしたり死亡してしまったりした被害者がいる交通事故のことです。

なお、被害者がおらず、自動車や建物などの物品にのみ損害を発生させた交通事故のことは「物損事故」と言います。

出典:人身事故と物損事故の違いとは?人身事故へ切り替える方法を解説|弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所(東京弁護士会)弁護士 川崎公司
参照:https://vs-group.jp/lawyer/ko-tu-jiko/1604.html#i-2

人身事故と物損事故の違い

Bessi

先述の通り、交通事故は人への被害のあるなしで人身事故と物損事故に分けられます。人身事故と物損事故では、加害者に課される罰則などについて、大きな違いがあります。

人身事故の場合、加害者には免許の違反点数が加算されます。また、過失運転致死傷罪などの刑事罰に問われ、懲役や罰金などの刑を科される可能性もあります。

一方の物損事故では、道路交通法の違反などがなければ免許の違反点数が加算されません。また、故意に起こした事故でない限り、器物損壊罪などの刑事罰には問われません。

事故によって発生した損害賠償の面でも、人身事故と物損事故では扱いが異なります。

人身事故では自賠責保険が適用されるため、その限度額までは確実に事故の損害を賠償できます。賠償額が限度額以上になった場合は、任意保険などで賠償することになります。

一方の物損事故では自賠責保険が適用されないため、事故の損害は全額を任意保険などで賠償する必要があります。

出典:人身事故と物損事故の違いとは?人身事故へ切り替える方法を解説|弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所(東京弁護士会)弁護士 川崎公司
参照:https://vs-group.jp/lawyer/ko-tu-jiko/1604.html#i-2
 

人身事故の責任

人身事故を起こした加害者に問われる責任には、民事上の責任・行政上の責任・刑事上の責任の3つがあり、そのそれぞれについて人身事故の加害者に刑罰などの責任が課されます。

ここでは、民事上・行政上・刑事上それぞれの責任について紹介します。

①民事責任

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民事責任は、他人の権利や利益を侵害した人に対し、それによって生じた損害を賠償する責任です。人身事故の場合、民法や自動車損害賠償保障法に基づいて損害賠償の責任が発生します。

賠償する損害としては、事故が原因でケガをした人の治療費や、壊れた車や建物などの修理費、慰謝料などが挙げられます。

出典:民法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

出典:自動車損害賠償保障法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=330AC0000000097
 

②行政責任

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行政責任とは、行政機関が法令に基づいて国民に権利を与えたり、義務を課したりする責任です。

人身事故の場合、公安委員会が道路交通法に基づいて事故の程度に応じた違反点数を加算し、累積した点数に応じて運転免許の停止や取り消しなどの責任が課されます。将来における道路交通の安全を確保することが目的です。

出典:道路交通法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
 

③刑事責任

Pexels

刑事責任は、法の秩序を維持するため、法に違反した人に責任を課すものです。

人身事故の場合、道路交通法や自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)に基づいて刑事事件として立件され、罪に問われます。そして、その罪に応じて懲役や罰金などの刑罰が科されます。

出典:道路交通法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105

出典:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000086_20200702_502AC0000000047
 

罰金が発生するのは刑事責任

Pexels

民事責任・行政責任・刑事責任の3つのうち、罰金が科されるのは刑事責任です。罰金は刑法で定められている刑罰の一つで、1万円以上の金額を国に納めさせるもので、納められた罰金は国の予算として使われます。

罰金は所定の期間内に、検察庁に一括で納めなければいけません。期間内に罰金を納めなかった場合、財産に対して強制執行が行われたり、労役場に留置され、作業を課されたりすることになります。

出典:刑法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045
 

罰金と反則金の違い

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交通違反をした場合に現金を支払う罰則には、罰金のほかに反則金があります。

罰金は上述の通り刑罰の一種で刑事処分にあたりますが、一方の反則金は「交通反則通告制度」に基づいたもので、行政処分に該当します。

交通反則通告制度とは、運転者が比較的軽微な反則行為をした場合に、一定期間内に反則金を支払うことで、刑事事件として刑罰が課されることなく事件が処理されるという制度です。

出典:反則金とは。交通反則通告制度・センター。支払い|チューリッヒ
参照:https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-whatis-penalty-money/#:~:text=%E4%BA%A4%E9%80%9A%E9%81%95%E5%8F%8D%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%9F%E9%9A%9B,%E3%80%8C%E7%BD%B0%E9%87%91%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

弁護士 大橋史典
民事責任・行政責任・刑事責任は混同されがちなため、異なる責任であることを認識しておきましょう。ほとんどの交通事故では、民事責任にあたる損害賠償請求が行われます。被害者は治療費や休業損害など、加害者側の保険会社に請求します。賠償金の相場は、被害者のケガの度合いや事故のケースによって異なるため、専門家に相談してみるとよいでしょう。

人身事故の刑事罰と罰金の目安

懲役や罰金といった人身事故の刑罰については、上記でも紹介した道路交通法や自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)に定められています。

ここでは、自動車運転死傷行為処罰法で定められた刑罰を中心に、人身事故に該当する犯罪と、その刑事罰や罰金の目安について紹介します。

出典:道路交通法 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105

出典:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000086_20200702_502AC0000000047

刑事罰①過失運転致死傷罪(5条)

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過失運転致死傷罪は、前方注意など運転において必要な注意を怠り、その結果人を死傷させた際に適用される犯罪です。

罰則は7年以下の懲役もしくは禁固、または100万円以下の罰金ですが、障害が軽い場合は情状により刑が免除されることがあります。

出典:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000086
 

刑事罰②危険運転致死傷罪(2条)

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危険運転致死傷罪は、危険な状況での運転で人を死傷させた場合に適用される犯罪です。

危険な状況での運転とは、「アルコールや薬物により正常な運転が困難な状態での運転」「人や車の通行を妨害する目的で接近し、事故が起こる危険がある速度での運転」「走行の制御が困難な高速での運転」などのことを言います。

罰則は、致死の場合は1年以上(最高20年)の懲役、致傷の場合は15年以下の懲役です。

出典:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000086

刑事罰③危険運転致死傷罪(3条)

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アルコールや薬物、または運転に支障を及ぼす病気の影響で、正常な運転に支障が生じる恐れのある状態で運転し、その結果正常な運転が困難な状態に陥って人を死傷させた場合も、危険運転致死傷罪が適用されます。

ただし、罰則は上記の場合とは異なり、致死の場合は15年以下の懲役、致傷の場合は12年以下の懲役です。

出典:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000086
 

刑事罰④無免許運転による加重(6条)

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人を死傷させた運転者が無免許だった場合、本来よりも罰則が重くなる「刑の加重」が適用されます。

例えば過失運転致死傷罪の場合、本来の罰則は「7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金」ですが、罪を犯した人が無免許だと「10年以下の懲役」と、より重い罰則になります。

出典:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000086
 

刑事罰⑤過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪(4条)

Pexels

アルコールや薬物などで正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転し、人を死傷させた時に、運転中アルコールなどの影響があったことを隠そうとする行為は、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪という犯罪になります。

例えば、事故後さらにアルコールや薬物を摂取したり、その場から離れて身体からアルコールなどが抜けるのを待ったりする行為がこの犯罪に該当します。

この犯罪の罰則は、12年以下の懲役です。

出典:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000086
 

人身事故の罰金の目安

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人身事故で罰金が発生するかどうかや、その金額は、事故原因や被害者が受けた損害の程度、過失割合や示談の進み具合、被害者の意見など様々な要因で決まります。

ここでは、人身事故における罰金の金額の目安を、被害者のケガの程度を基準とした、事故の度合い別に紹介します。

事故の度合い

罰金の目安

死亡事故

(懲役刑または禁錮刑となります)

 治療期間が3か月以上、または特定の後遺症が残る事故 

50万円程度(懲役刑または禁固刑となる場合もあり)

 治療期間が30日以上3か月未満の事故 

30万円~50万円

 治療期間が15日以上30日未満の事故 

20万円~50万円

 治療期間が15日未満の事故 

10万円~20万円

弁護士 大橋史典
運転者には、運転中におけるさまざまな義務が科せられています。例えば、前方不注意以外にも、速度制限順守義務、信号指示順守義務、携帯を操作しない義務、居眠りをしない義務など、安全走行のための義務があります。これらの義務に違反して交通事故を起こした場合は、事故のケースに応じた刑罰が科される可能性がありますので、注意が必要です。

人身事故による違反点数

免許の停止や取り消しといった処分においては、自動車などの運転者の交通違反や交通事故に点数をつけて、その合計で処分の内容を決める点数制度が採用されています。

ここでは、人身事故を起こした場合につけられる違反点数や、点数に応じた処分の内容について紹介します。
 

違反点数は基礎点数と付加点数で決まる

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 違反点数は、違反行為ごとに定められている基礎点数と、事故の被害の程度などによる付加点数の合計で決まります。

これらの違反点数は3年間累積され、累積点数に応じて免許の停止や取り消しなどの処分を受けることになります。

出典:行政処分と点数制度|愛知県警察
参照:https://www.pref.aichi.jp/police/menkyo/qa/tensu/ko-shidou/seido-02.html
 

基礎点数の一覧

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違反行為に付けられる基礎点数は、一般違反行為と特定違反行為の2種類に区別されています。特定違反行為とは、飲酒運転や危険運転致死傷など、特に悪質で危険な行為のことです。

違反行為の種別は非常に多いため、ここではその一部を紹介します。

出典:行政処分と点数制度|愛知県警察
参照:https://www.pref.aichi.jp/police/menkyo/qa/tensu/ko-shidou/seido-02.html

出典:交通違反の点数一覧表|警視庁
参照:https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/tensu.html

違反行為の種別

違反点数

酒気帯び運転

13~25

無免許運転

25

過労運転など

25

無車検・無保険運行

6

妨害運転

25~35

信号無視

2

速度違反

1~12

横断歩行者妨害など

2

駐停車違反

1~2

座席ベルト装着義務違反

1

酒酔い運転・麻薬等運転(特定違反行為)

35

救護義務違反(特定違反行為)

35

危険運転致死・運転殺人など(特定違反行為)

62

危険運転致傷・運転傷害など(特定違反行為)

45~55

付加点数の一覧

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付加点数は、交通事故の被害の程度だけでなく、運転者の不注意の程度によっても変わってきます。

不注意の程度は「専ら」「その他」の2段階に分かれており、「専ら」はその事故の発生原因の大部分が、運転者の不注意によるものである場合が該当します。

出典:行政処分と点数制度|愛知県警察
参照:https://www.pref.aichi.jp/police/menkyo/qa/tensu/ko-shidou/seido-02.html

交通事故の種別|点数(専ら)|点数(その他)
死亡事故|20|13
重傷事故(治療期間3か月以上、または後遺障害)|13|9
重傷事故(治療期間30日以上3か月未満)|9|6
軽傷事故(治療期間15日以上30日未満)|6|4
軽傷事故(治療期間15日未満、または建造物損壊)|3|2
措置義務違反・物損(当て逃げ)|5|5
 

交通事故の種別

 点数(専ら) 

 点数(その他) 

死亡事故

20

13

重傷事故(治療期間3か月以上、または後遺障害)

13

9

重傷事故(治療期間30日以上3か月未満)

9

6

軽傷事故(治療期間15日以上30日未満)

6

4

軽傷事故(治療期間15日未満、または建造物損壊)

3

2

措置義務違反・物損(当て逃げ)

5

5

ゴールド免許は取り消しになる

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5年以上無事故・無違反を守っている証であるゴールド免許は、人身事故を起こしていないことが取得条件の1つです。そのため、人身事故を起こした場合は次回の免許更新時にゴールド免許は取り消され、ブルー免許に変更されます。

人身事故を起こした直後に取り消されるわけではないため、たとえゴールド免許取得後すぐに人身事故を起こしたとしても、次回の免許更新まではゴールド免許を保持し続けることになります。
 

免許停止になる違反点数

Pexels

過去3年間の違反点数の合計が6点以上になった場合、30日間の免許停止となります。また、9点以上で60日間、12点以上で90日間の免許停止です。15点以上は免許停止ではなく免許取り消しとなります。

なお、過去3年間に免許の停止や取り消しの処分を受けたことがある場合、その回数(前歴)によって免許停止の条件が厳しくなります。前歴が1回の場合は4点以上、2回以上の場合は2点以上で免許停止です。

出典:行政処分と点数制度|愛知県警察
参照:https://www.pref.aichi.jp/police/menkyo/qa/tensu/ko-shidou/seido-02.html

免許取り消しになる違反点数

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過去3年間の違反点数の合計が15点以上になった場合は免許取り消しとなり、その後1年間は免許を取得できなくなります(欠格期間)。欠格期間は点数が多いほど長くなり、例えば45点以上の場合は5年間です。

また、免許取り消しの条件も、前歴の回数によって厳しくなっていきます。前歴1回の場合は10点以上、2回は5点以上、3回以上は4点以上で免許取り消しとなります。

なお、酒酔い運転などの特定違反行為は処分基準が異なり、欠格期間が最低でも3年、最高で10年となっています。

出典:行政処分と点数制度|愛知県警察
参照:https://www.pref.aichi.jp/police/menkyo/qa/tensu/ko-shidou/seido-02.html

強化された人身事故の罰則

 飲酒運転や無免許運転など、悪質で危険な運転による人身事故が発生した際に、以前は危険運転致死傷罪ではなくより罰則の軽い自動車運転過失致死傷罪が適用されるケースがあり、国民から罰則の見直しを求める声が挙がっていました。

その声に応えるべく、悪質で危険な運転者に対する罰則を強化する法律である「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(自動車運転死傷処罰法)が新たに作られ、平成26年5月から施行されています。

ここでは、自動車運転死傷処罰法によって強化された罰則や、新設された罪について紹介します。

また、最近の道路交通法の改正で引き上げられた違反点数などについても、あわせて紹介します。

出典:「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が施行されました(平成26年5月20日から)|警視庁
参照:https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about_mpd/keiyaku_horei_kohyo/horei_jorei/horeikaisei.html

①通行禁止道路での危険走行による死傷事故

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自動車運転死傷処罰法の制定により、危険運転致死傷罪は刑法から同法に移行され、さらに「通行禁止道路での危険走行による死傷事故」が新たな類型として追加されました。

通行禁止道路とは、歩行者用道路・一方通行道路など道路標識や道路標示で通行が禁止されている道路や、その他法令の規定によって通行が禁止されている道路のことを言います。

出典:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000086
 

②幻覚や発作による死傷事故

Pexels

自動車運転死傷処罰法では、幻覚や発作など病気の影響で運転に支障を及ぼすおそれがある状態で運転し、その結果、病気の影響で正常な運転が困難になり、死傷事故を起こした場合は危険運転致死傷罪に問われることになりました。

「運転に支障を及ぼすおそれがある病気」とは、具体的には統合失調症やてんかん、再発性の失神、無自覚性の低血糖症、そううつ病、重度の睡眠障害のことを言います。

出典:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000086
 

③飲酒運転や薬物使用時の死傷事故

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自動車運転死傷処罰法では、アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難な状態での運転のほか、その影響で正常な運転に支障を及ぼす状態で運転し、その結果、正常な運転が困難な状態になり死傷事故を起こした場合でも危険運転致死傷罪が成立します。

つまり、結果としてアルコールや薬物の影響で死傷事故を起こしたのであれば、運転当初はほろ酔い状態など正常な運転ができる状態であったとしても、危険運転致死傷罪が成立するということです。

また、アルコールや薬物の影響で死傷事故を起こした時、その影響の発覚を免れようとする行為は「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」という罪に問われることになりました。

出典:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=425AC0000000086
 

④悪質危険運転に対する違反点数

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 危険運転致死傷や救護義務違反(ひき逃げ)といった悪質危険運転については、平成21年6月に大幅な違反点数の引き上げが行われています。例えば危険運転致死は45点から62点と17点も引き上げられており、最低でも8年間の免許停止となりました。

また、令和2年6月には交通違反に妨害運転(あおり運転)が新たに規定され、25点または35点の違反点数が付けられるようになりました。違反した場合は、例え事故を起こしていなくても免許を取り消されることになります。

出典:運転免許の欠格期間延長のお知らせ|佐賀県警察本部
参照:https://www.police.pref.saga.jp/menkyo/menkyo_sonota/_1710.html

出典:「あおり運転」は犯罪です!一発で免許取消し!|暮らしに役立つ情報|政府広報オンライン
参照:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202006/1.html
 

⑤飲酒運転に対する違反点数

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飲酒運転に関しても、平成21年6月に大幅な違反点数の引き上げが行われています。

酒酔い運転(アルコールの影響で正常な運転ができない状態での運転)については、違反点数が25点から35点に引き上げられており、3年間の免許取り消し処分となります。

酒気帯び運転では、呼気中アルコール濃度が0.15mg/l以上0.25mg/l未満の場合の違反点数が6点から13点、0.25mg/l以上の場合は13点から25点と、それぞれ約2倍に引き上げられています。

出典:運転免許の欠格期間延長のお知らせ|佐賀県警察本部
参照:https://www.police.pref.saga.jp/menkyo/menkyo_sonota/_1710.html
 

弁護士 大橋史典
あおり運転の違反点数では、あおり運転の中でも特に危険な運転をした場合に25点、それ以上の著しい危険な運転を行ったと認められる場合に35点の違反点数が科せられます。具体的には、先行車両を追尾して停車させる・幅寄せを繰り返して割り込むなどが該当します。また、高速道路で停車に追い込むなどの行為も著しい危険として妨害運転に該当します。

人身事故の罰金や違反点数などの罰則は状況に応じて変わる

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 これまで紹介したとおり、人身事故における罰金などの罰則や免許の違反点数は、事故が起こった状況や被害の程度、以前免許停止などの処分を受けたかどうかなどによって多様に変化します。

しかし、近年は自動車が絡む人身事故に対しては厳罰が求められるようになっており、ひとたび人身事故を起こすと免許停止や免許取り消し、数十万円の罰金などといった重い処分や罰則が課されることも珍しくありません。

運転者としてハンドルを握るのであれば、事故を起こした際に負うことになる罪や責任についてよく理解し、日ごろから事故を起こさないように心がけましょう。 

この記事のライター

ドクター交通事故運営

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