労災指定病院について解説!他の病院を受診した場合の手続方法も紹介

労災指定病院について詳しく解説します。労災指定病院とはどのような医療機関であるのか、受診するメリットや労災病院との違いも説明!また、労災保険の使い方や、他の病院を受診した場合の申請手続き方法もまとめているため、参考にしてください。

目次

  1. 労災指定病院はどのような病院なのか?
  2. 労災指定病院の基本情報
  3. 労災指定病院を受診するメリット
  4. 労災指定病院以外の病院を受診した場合
  5. 労災指定病院を利用すれば自己負担が軽減する

労災指定病院はどのような病院なのか?

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労働者が仕事に関わる環境で、事故や疾病を被った災害を労災といいます。労働者が労災に備えて、労災保険に加入している場合は、労災指定病院を利用するのがおすすめです。本記事では、労災指定病院の基本情報や受診するメリットなどを、詳しく解説します。

労災指定病院の基本情報

労災指定病院とは?

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労災指定病院の正式名称は、労災保険指定医療機関といいます。労働者災害補償保険法施行規則第11条に基づき、各都道府県の労働局長が指定した病院のことです。労災指定病院では、労働者が労災保険の範囲内で、治療を受けられます。

また、労働者は治療費の支払いをする必要はありません。ただ、病院の個室を利用する場合や、備品代などは自己負担となります。労働指定病院は労災治療の対応以外に、一般的な診療も行っています。

労災保険指定医療機関。都道府県労働局長により指定された医療機関のこと。労災保険補償を現物給付の医療行為という形で提供できるため、労働者は労災の治療を無償で受けられる。

出典: rousai-soudan.com

出典:労働者災害補償保険法施行規則(e-Gov法令検索)

労災病院との違い

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労災病院は、厚生労働省所轄の独立行政法人労働者健康福祉機構が運営する医療機関を指します。運営元が異なるため、労働指定病院とは全く別の医療機関です。

しかし、労災で治療をするにあたり、労災指定病院と労災病院で優劣はありません。どちらも労働者福祉に関わる医療機関で、無償で治療を受けられるメリットは同じです。

出典:労災病院(労働者健康安全機構)

労災指定病院の受診方法

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労災指定病院での受診方法は、労災で治療することを、事前に窓口で伝えます。そして、労災保険の給付請求書を提出するだけです。手続きが非常に簡単なことが、労災指定病院で受診するメリットになります。

給付請求書は、労災指定医療機関で用意されていることが多いです。また、厚生労働省のサイトで、ダウンロードすることもできます。給付請求書は次の2種類があるため、該当する方を提出しましょう。

  • 【業務災害の場合】療養補償給付たる療養の給付請求書(様式第5号)
  • 【通勤災害の場合】療養給付たる療養の給付請求書(様式16号の3)

労災指定病院の探し方

Yuya Tamai

労災指定病院は、インターネット上で簡単に探すことが可能です。厚生労働省のホームページの「労災保険指定医療機関検索」から検索してみてください。また、受診したい医療機関を決定したら、一度問い合わせをしておくと安心です。

すでに、かかりつけの病院がある場合は、そこが労災指定病院であるか、直接確認すると良いでしょう。

出典:労災保険指定医療機関検索(厚生労働省)

労災指定病院を受診するメリット

メリット①治療費を負担しなくて良い

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労災指定病院で受診すると、労働者は治療費を一切支払わなくて良いことは、非常に大きなメリットです。労災に遭ったことで、怪我などの程度によっては、充分な労働ができないケースもあります。

そうなると、当面の治療費の支払いが、負担になることもあるでしょう。労災指定病院で治療を受ければ、金銭的な負担がなく安心です

また、労災指定病院以外で受診する場合も、あとで労災保険から治療費を受け取ることは可能です。しかし、補償金を受け取れるまでは、治療費を自分で立て替えておくことになります。

労災では健康保険を使用できないため、窓口で治療費を支払っておくのが、負担になる人もいるでしょう。そのため、金銭的な負担を軽減したい人には、労災指定病院で受診することを、おすすめします。

メリット②労災保険の申請手続きが楽になる

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労災指定病院で受診するには、申請手続きに手間がかかるというイメージを持つ人もいるでしょう。実際は、手続きが非常に簡単であることも、メリットになります。

また、治療したあとに行う労災補償の請求手続きも、必要書類に記入をして、受診した労災指定病院に提出するだけです

一方、労災指定病院以外の医療機関で受診すると、医師に証明書を依頼したり、領収書の添付などを自分で行う必要があります。そのため、やや手間がかかるでしょう。

労災指定病院以外の病院を受診した場合

労災指定病院以外の病院でも労災保険の補償は受けられる

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労災指定病院以外の医療機関で受診した場合でも、しかるべき申請手続きを行えば、労災保険から補償金をもらえます。ただし、補償の現物給付ができないため、病院の窓口で労働者が一旦立て替えなければなりません。

後日、労働基準監督署に申請をすると、立て替えた治療費が、指定の口座に振り込まれます。そのため、労災指定病院以外の場合は、一時的ですが、高額な治療費を負担するというデメリットがあります。

労災指定病院以外の病院を受診したときの手続方法

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労災指定病院以外の医療機関で受診すると、申請手続きにやや手間がかかります。診察をした医師の証明書や領収書などの必要書類を揃えて、労働基準監督署に提出してください。申請に必要な書類は、業務災害用と通勤災害用の2種類があり、以下の通りです。

  • 【業務災害の場合】療養補償給付たる療養の費用請求書 (様式第7号)
  • 【通勤災害の場合】療養給付たる療養の費用請求書 (様式第16号の5)

健康保険を使わないように気をつける

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労災の治療に関しては、健康保険が利用できないことを認識しておきましょう。間違って健康保険証を、病院の窓口に出してしまったら、健康保険組合に連絡をしてください。そして、医療費を返金しなければなりません。

健康保険を利用できなければ、治療費の支払いは全額(10割)負担することになります。後で補償されるとはいえ、全額の治療費を立て替えておくのは、経済的にも大変なことです。そのような理由からも、労災時は労災指定病院で、治療を行ったほうが良いでしょう。

労災指定病院を利用すれば自己負担が軽減する

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労働者が労災指定病院で受診すると、病院の窓口で治療費を支払う必要がなく、無償で利用できます。また、申請手続きの方法が、非常に簡単なこともメリットです。

初診が労災指定病院でなくても、手続きをすれば、次回から転院することもできます。万が一のときに備えて、最寄りの地域にある労災指定病院を、確認しておくと良いでしょう。

この記事のライター

宮内直美

最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。

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