医師が後遺障害診断書を書いてくれない理由は?対処法も解説!

交通事故に遭ったにもかかわらず、医師が後遺障害診断書を書いてくれない理由を解説します。後遺障害診断書の内容や診断書の作成が必要な理由も紹介します。弁護士に依頼するなど、医師が後遺障害診断書を書いてくれない場合の対処法もまとめているため、参考にしてください。

目次

  1. 医師が後遺障害診断書を書いてくれない理由を解説
  2. 後遺障害診断書とは?
  3. 後遺障害診断書を書いてくれない理由
  4. 後遺障害診断書を書いてくれないときの対処法
  5. 後遺障害診断書を書いてくれない理由を知っておこう

医師が後遺障害診断書を書いてくれない理由を解説

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後遺障害認定には、医師が発行する後遺障害診断書が必要です。しかし、医師が診断書を発行してくれないトラブルが生じるケースも少なくありません。

本記事では、医師が後遺障害診断書を書いてくれない理由について、詳しく解説します。医師が必要な書類を書いてくれない場合の対処法もまとめているので、参考にしてください。

後遺障害診断書とは?

医師が作成する診断書

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後遺障害診断書は、医師免許を有した医師のみが作成できます。交通事故で首や肩に痛みがあらわれ、整骨院や接骨院を受診する人も少なくありません。整骨院や接骨院では、医師免許を有する医師ではなく、柔道整復師が施術を行います。

柔道整復師は、医師免許を持っていないため、後遺障害診断書の作成はできません。後遺症について心配がある場合は、整骨院(接骨院)ではなく医師が診察する、整形外科を受診しましょう。

後遺障害認定に必要な書類

後遺障害診断書とは、後遺障害の具体的な症状を客観的に記載した書類です。被害者の後遺障害等級認定の結果に影響を及ぼす重要なものです。
等級が認定されると、慰謝料と逸失利益の請求が可能となります。どちらも認定される等級に応じて金額が変わるので、等級が1つでも変わってくると請求できる金額に大きく影響します。

出典: atomfirm.com

交通事故で怪我を負い、病院で治療を続けたにもかかわらず、痺れや痛みなどの症状が残るケースも少なくありません。このような症状が残った場合、後遺症に見合った損害賠償を受け取る必要があります。

後遺症が残っても診断書がなければ、1円も損害賠償が受け取れません。また、治療を続けると診療明細やカルテ、レセプトなどが作成されます。しかし、診療明細やカルテを後遺障害診断書の代わりとして用いることはできません。

後遺障害診断書を書いてくれない理由

理由①治療の経過を見ていない

通院を怠っている場合や、引っ越しなどを理由として転院している場合は、治療の経過を十分に見られません。後遺障害診断書には、初診からの治療の経過を記載する必要があります

治療中にどのように症状が改善したか詳しく記載しなければならないため、経過を見ていない医師は診断書の作成ができません。

理由②回復の見込みがある

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後遺障害診断書は、治療を続けても症状の回復が見込めない場合に発行されます。後遺障害診断書が発行された後に、治療を続けても、事故とは関係のないものとみなされます。

治療している医師が回復の見込みがあると判断した場合、後遺障害診断書は作成されないため、注意が必要です。

理由③後遺障害がないと判断された

医師の治療がうまく進み、後遺障害がないと判断されたために、後遺障害診断書の作成が拒否されるケースも少なくありません。医師は、患者の症状を治すために、責任を持って治療を行います。

むちうちの場合は、MRIの画像に異常が見られなくなった時点で後遺症が残っていないと判断されることが多いです。また、痺れなどの症状がない場合も、回復したと判断されます。

治療によって怪我が改善したにもかかわらず、書類の作成を求めると、喜ばしくないと感じる医師も多いでしょう。

理由④治療を中断した

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交通事故直後から通院していたけれど、治療を中断した場合は、後遺障害診断書を作成を断られる可能性が高くなります。治療を中断すると、医師は治療の経過が見られず、後遺症が残っているか判断できません

正しい内容の診断書を書いてもらうためにも、医師の指示に従って通院しましょう。転院などを考えている場合は、医師へ相談してください。

理由⑤健康保険を使って治療している

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健康保険を利用して治療をすると、後遺障害診断書が作成できないと言われるケースも少なくありません。自賠責保険の手続きには、健康保険を適用できないという誤解がありますが、健康保険と自賠責保険の料率は可能です

健康保険を利用しているからといって、医師が診断書を書いてくれない場合も、諦めてはいけません。

理由⑥病院の方針

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病院の方針だからといって、後遺障害診断書を書いてくれないケースも少なくありません。交通事故の紛争に巻き込まれたくないと考える医師も多いです。診断書の発行は医師の義務でもあるため、病院の方針という理由は通用しません。

しかし、医師との関係が悪化すると治療にも影響を及ぼします。医師が必要な書類を書いてくれない本当の理由を見極めて、説得を続けましょう。

理由⑦医師が診断書の書き方を知らない

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医師によっては、書き方が分からないことが理由で、作成を断るケースもあります。後遺障害診断書の作成は、医師の専門的な知識は必要ありません。

そのため、実際に診断書を作成したことがない医師も多いでしょう。医師によっては、はっきりと書き方が分からないと言わず、交通事故の案件に詳しくないと説明する可能性があります

後遺障害診断書を書いてくれないときの対処法

対処法①症状固定を待つ

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医師が後遺障害診断書を書いてくれない場合、治療を続けて症状固定するまで待ちましょう。治療を続けるには、治療費が必要ですが、保険会社から治療費や休業損害の支払いを受けられます。症状固定してから、改めて医師に書類の作成を依頼しましょう。

対処法②本当に後遺障害がないか確認する

後遺障害がないと言われた場合、本当に後遺障害がないか確認することが大切です。しびれや痛みが残っている場合は、しっかりと医師に症状を伝えてください。担当医が後遺障害がないと判断した際は、セカンドオピニオンを利用し、本当に後遺障害がないか確認しましょう。

対処法③通院を再開する

治療を中断したことが理由で、後遺障害診断書を書いてくれない場合は、通院を再開しましょう。通院を再開して症状固定すれば、後遺障害診断書を書いてくれる可能性が高くなります。

しかし、治療の中断期間が長い場合は注意が必要です。後遺症と交通事故の因果関係が証明できない場合は、後遺障害認定も受けにくくなります。後遺障害認定の申請を検討している場合は、なるべく早く通院を再開しましょう。

対処法④以前通っていた病院の資料を取り寄せる

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転院した場合は、以前通院していた病院から初診のカルテなどを取り寄せる必要があります。初診からの治療経過が分かるカルテがあれば、医師も診断書の作成がしやすくなります。 以前通っていた病院からカルテなどの資料を取り寄せる場合は、診療記録の開示請求が必要です

対処法⑤以前通っていた病院の医師に作成を依頼する

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以前通っていた病院の医師が協力的であれば、転院後に後遺障害診断書を作成してくれる可能性があります。しかし、症状固定していない場合は、作成を拒否されます。医師に頼みにくい場合は、弁護士に依頼しても良いでしょう

対処法⑥病院に事情を説明して作成を頼む

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病院に事情を説明することで、後遺障害診断書を作成してくれることがあります。病院の方針が理由で、診断書の作成を断ることはできないため、病院に事情を説明しましょう

うまく説明できない場合は、後遺障害認定に慣れている弁護士に依頼すると、スムーズに進められます。

対処法⑦弁護士に依頼する

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医師に事情を説明しているにもかかわらず、診断書を書いてくれないケースも少なくありません。医師が必要な書類を書いてくれない場合は、弁護士への依頼も検討しましょう。

医師が書類を書いてくれない理由はさまざまですが、弁護士に依頼することで、事案ごとに適切な対応をしてくれます

書類の作成には、十分な検査を受ける必要があります。弁護士に依頼すると、症状に合わせて必要な検査やアドバイスを受けることも可能です。

また、書類の作成から後遺障害等級認定の手続きも弁護士に任せられます。医師ともめずに、手続きを行いたい場合は、弁護士に相談してみましょう。

出典:後遺障害等級表(厚生労働省)

後遺障害診断書を書いてくれない理由を知っておこう

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医師が後遺障害診断書を書いてくれない理由はさまざまです。回復の見込みがある場合や病院の方針を理由に、作成を拒否する医師も少なくありません。

医師が必要な書類を書いてくれない場合は、通院の再会や弁護士への依頼が効果的です。医師が後遺障害診断書を書いてくれない理由を覚えておき、正しい対処を行いましょう。

この記事のライター

M.U

システムエンジニアの経験もあり、パソコンやプログラミングも興味がある、主婦ライターです。 休日は子どもとお出かけをしたり、料理や工作をして楽しんでいます。 さまざまな知識をいかして、多くの情報を発信していきます!

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