自動車税を払い忘れた場合はどうなる?納付方法や差し押さえについても解説
自動車税を払い忘れた場合のペナルティをご存じでしょうか。この記事では、自動車税(軽自動車税)の概要や自動車税滞納の場合に起こること、差し押さえまでの流れなどを紹介しています。自動車税を払い忘れた場合のリスクについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
「自動車税の納付期限を忘れてしまっていた。どうしたら良い?」
「自動車税を滞納すると、差し押さえとかされてしまうの?」
「自動車税の納付書に書かれている期限を過ぎた場合、どこで支払えば良いの?」
自動車税の払い忘れや滞納について、このような疑問や不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、自動車税を払い忘れた場合のリスクや払い忘れた場合の対応方法、自動車税の払い忘れによる差し押さえまでの流れ、差し押さえられる可能性があるものなどを紹介しています。
この記事を読むことで、自動車税の払い忘れで起こるトラブルや対応方法が把握できるため、自動車税を払い忘れても適切な対応ができるでしょう。
自動車税について知りたいという方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
自動車税(軽自動車税)の概要
自動車ユーザーの中には、自動車税がどのようなものか分からずに、納付書が送られてくるから何となく支払っているという方もいるでしょう。
自動車税の払い忘れのリスクや対応方法を説明する前に、自動車税がどのようなものか概要を紹介していきます。
自動車(軽自動車・原付・バイクを含む)の所有者に課せられる税金
自動車やバイクなどの所有者に課される税金には、自動車税・軽自動車税(自動車税種別割・軽自動車種別割)や消費税、自動車重量税・自動車税環境性能割があります。
自動車税・軽自動車税は、自動車や軽自動車を所有している人に毎年課されるもので、自動車重量税は自動車を購入(取得)したときや車検を通したとき(自動車検査登録制度)に納付するもので、消費税や自動車税環境性能割は自動車を購入(取得)したときに納付するものです。
出典:地方税制度|自動車税・軽自動車税種別割 |総務省
参照:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_13.html
出典:自動車を買ったとき | 東京都主税局
支払期限は5月末
自動車税・軽自動車税の支払期限は、一般的に5月末です。
しかしながら、支払期限は都道府県や市区町村の条例で自由に定められるようになっているため、自治体によっては期限が5月末でない場合もあります。必ず納付書や自治体のホームページなどで期日を確認するようにしましょう。
出典:地方税制度|自動車税・軽自動車税種別割|総務省
参照: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_13.html
出典:自動車税種別割 | 税金の種類 | 東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/car_shubetsu.html
出典:自動車税種別割|青森県庁ウェブサイト
参照:https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/soumu/zeimu/003_12jidousya.html
納税通知書が車検証の登録住所に届く
自動車税・軽自動車税は、毎年4月1日時点に自動車や軽自動車を所有している人に対して課される税金です。
4月1日から翌年3月31日までの1年分の自動車税を、5月末までに支払います。毎年5月上旬から中旬ごろまでに、車検証に登録された住所に自動車税納付書が送付されるのが一般的です(一部自治体を除く)。
引っ越しなどで車検証の住所変更が住んでいない場合は、前の住所に自動車税納付書が届いてしまう可能性があるため注意しましょう。
出典:都税:自動車税種別割 | 都税Q&A | 東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/tozei/index_j.html
自動車税の納付方法
自動車税は納付期限内であれば、金融機関の窓口や税事務所のほか、コンビニ払いやクレジットカード払い、スマーフォン決済アプリなどで支払うことができます。
ただ自治体によっては、納付方法が限られている場合がありますので、自動車税納付書やホームページで確認するようにしてください。
出典:よくあるご質問(FAQ) | 東京都主税局
自動車税を払い忘れるとどうなる?
自動車税は納付書に書かれている期日までに支払わなくてはいけないということは分かっていても、仕事が忙しいなどの事情で払い忘れてしまうこともあります。
自動車税を払い忘れるとどのような影響がでるのでしょう。
ここからは、自動車税を払い忘れた場合の影響について紹介していきます。
督促状が届く
納付期限を過ぎても自動車税の支払いの確認ができないと、自治体から督促状が送られてきます。
督促状とは、速やかな納付を催促するものです。督促状で定める期日までに支払いが行われないと、差し押さえなど次のステップに移行してしまうため、注意しましょう。
車検を受けられない
2年ごと(新車登録から初回の場合は3年)に受けなければならない車検(自動車検査登録制度)には、自動車税納税証明書の提出が必要です。自動車税の払い忘れがあり、自動車税納税証明書の提出ができないと車検を受けられません。
車検切れの自動車で道路を走行すると、6カ月以下の懲役または、30万円以下の罰金に処せられる可能性があります(道路運送車両法第108条)。
そのため、自動車税を払い忘れ、車検が切れてしまった場合には、自動車の運転は控えましょう。
出典:自動車検査・登録ガイド |国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns04.htm
出典:道路運送車両法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000185_20220401_504AC0000000004
延滞金が発生する
自動車税を払い忘れてしまうと、延滞金が発生するため注意しましょう。
2022(令和4)年現在、納付期限の翌日から1カ月を経過する日までの間に納付すると年率2.4%、1カ月以上を経過した部分には年率8.7%の延滞金がかかってしまいます。
支払いが遅れれば延滞金が膨れ上がってしまうため、払い忘れていた場合は、なるべく早く納付しましょう。
出典:税金の支払い| 東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/common/tozei_nouzei.html#L7
資産が差し押さえになる
差し押さえとは、法令に基づき債務者の財産を差し押さえ、税金の滞納分に充てる行為です。
督促状の発布から10日以内に自動車税の支払いが確認できないと、資産を差し押さえられてしまいます(地方税法第331条)。
出典:地方税法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000226#Mp-At_331
コンビニ納付ができなくなる
自動車税を払い忘れ、納付期限を過ぎてしまうと、基本的にコンビニ払いができなくなります(コンビニ取扱期限が切れていない場合にはコンビニ納付ができる場合もある)。
納付期限を過ぎた後は、基本的に金融機関の窓口や税事務所での納付となり、納付方法が限られてしまうため注意しましょう。
廃車手続きが難しくなる
自動車税を払い忘れると、廃車手続きが難しくなってしまいます。
廃車の手続きには、ナンバープレートや車検証などが必要です。自動車税の滞納が続いていると車検を受けられず、車検証の用意ができません。
車検切れの状態で廃車するためには、積載車を手配して解体業者まで自動車を運び、解体してもらってから運輸支局で永久抹消登録を行う必要があります。
さらに、2年以上滞納していた場合、税事務所に差し押さえの手続きをとられている可能性があり、廃車ができなくなるため注意しましょう。
出典: 廃車|関東運輸局
参照:https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_gian/touroku/motor_regist_haisha.htm
自動車税を払い忘れた場合の対応方法
自動車税を払い忘れ、納付期限を過ぎてしまった場合、車検が受けられないなどの影響が出る前に速やかに納付を済ませましょう。
もし、すでに自動車税を納めているのか分からない場合には、税事務所に確認するほか、督促状が手元に届いてからすみやかに納めるとよいでしょう。
払い忘れた自動車税はどこで納める?
自動車税の納付期限をうっかりと過ぎてしまうこともありえます。納付期限を過ぎた自動車税はどこに行けば納めることができるのでしょうか。
ここからは、納付期限が過ぎてしまった自動車税の納付方法をご紹介していきます。
指定金融機関(銀行・郵便局など)
銀行や郵便局など指定金融機関であれば、納付期限が過ぎた自動車税納付書を利用して自動車税の支払いができます。
ただし、督促状が届いた後は、最初に送られてきた自動車税納付書を使えなくなる可能性があるため、注意しましょう。
コンビニ
基本的に納付期限を過ぎた自動車税納付書は、コンビニでは使用できません。ただし、コンビニ取扱期限・バーコードの読み取り期限内であれば、コンビニでも自動車税を納付することができます。自動車税納付書を確認し、期限内である場合には速やかにコンビニで納付しましょう。
納付書を紛失したときは市役所等で再発行
届いた自動車税納付書を紛失してしまい、自動車税を払えなかったという人もいるでしょう。自動車税納付書を紛失した場合は、できるだけ早く再発行手続きを行ってください。
軽自動車税の場合には市役所の税務課などの窓口で、自動車税の場合には都道府県の税事務所で再発行をすることができます。
自動車税の払い忘れによる差し押さえまでの流れ
ここからは、自動車税の払い忘れによる差し押さえまでの流れについて紹介していきます。
自動車税を払い忘れて納付期限が過ぎてしまうと、いきなり財産の差し押さえが行われるわけではありません。督促や催促を行っても支払いが行われない場合に、差し押さえが実行されます。
自治体により細かな手順は異なりますが、以下で紹介するような流れで差し押さえが実行されることが一般的です。
出典:法令に基づく「滞納処分」をやむを得ず行う場合があります|東京都府中市ホームページ
参照: https://www.city.fuchu.tokyo.jp/smph/kurashi/zekin/shizenonofu/tainoushobunn.html
督促状が届く
自動車税の納付期限が過ぎても、納付が確認できない場合には自治体から督促状が送付されます。前述したように督促とは、「速やかに納付してくださいね」という支払いを促すものです。
自治体により督促状が送られてくる時期は異なりますが、初回の納付期限から20日以内に送付している自治体が多いと言われています。
催告書が届く
督促状が届いても、自動車税の納付が行われないと、催告書が送られてきます。
催告書には、「納付期限が過ぎているので、○月○日までに納めてください。納付が確認できないと財産を差し押さえます」といった内容が書かれている場合が多いです。
催告書は、内容証明郵便(どのような内容の郵便をいつ誰が誰に送ったか内容を証明するもの)で送られてくる場合が多いため、「知らない」「届いてない」と言うことはできません。必ず納付しましょう。
差押通知書が届く
催告書が送られてきても自動車税の納付が行われないと、差押通知書が届きます。
差押通知書は、最終予告のようなものです。「○月○日までに自動車税の納付が確認できなければ、財産を差し押さえます」という内容が書かれており、通知書に書かれた納付期限を過ぎると、いつ差し押さえが実行されてもおかしくない状態になります。
財産調査のために自治体の職員が自宅に訪れたり、勤務先や金融機関に問い合わせが行われるため注意しましょう。
差し押さえの実行
差押通知書に記載された納付期限までに納付が行われないと、「いつ何が差し押さえられるか」ということが記載された「差し押さえ調書(謄本)」が送付され、財産の差し押さえが実行されます。
差し押さえを防ぐためには、差し押さえ実行日までに滞納した自動車税を完納しなくてはいけません。
悪質なケースは刑事罰もある
差し押さえを免れようと、財産を隠したり、処分したりする悪質な滞納者には、刑法第96条の2により「3年以下の懲役もしくは罰金250万円以下」という刑事罰が科せられる可能性があります。差し押さえが実行される前に、自動車税を納めるようにしましょう。
出典:刑法|e-Gov法令検索
自動車税の滞納で差し押さえられるもの
自動車税を払い忘れ、滞納状態が続き、差し押さえが実行されてしまうと、どのような財産が差し押さえの対象となるのでしょう。ここからは、自動車税の滞納で差し押さえられる可能性があるものについて紹介していきます。
銀行口座
自動車税の滞納者の利用している銀行に、「差押通知書」の送付が行われ、延滞金を含む滞納分の差し押さえが実行されます。
差し押さえの実行中でも、銀行口座を利用することはできますが、ローンの審査に影響が及ぶなどのデメリットが生じるおそれがあります。
自動車
銀行などに十分な預金がない場合には、自動車が差し押さえの対象となります。
自動車の差し押さえでは、タイヤロックにより一時的に自動車を動かせない状態にするのが一般的です。一定期間経過するまでに自動車税の支払いが行われれば、ロックは解除されますが、支払いが確認できなければ自動車が競売にかけられてしまいます。
給料
勤務先に「債権差し押さえ通知書」が送付され、給与の差し押さえが実行されます。
給与の全額が差し押さえの対象になるのではありません。国税徴収法第76条に定められた、差押禁止額部分を除いたものが、差し押さえの対象となります。
一度の差し押さえで全額徴収できなければ、翌月以降も差し押さえが実行されることになるため注意しましょう。
出典:国税徴収法|e-Gov法令検索
その他
銀行口座に十分な預金がない、自動車を差し押さえられると仕事ができない、十分な給料がないといった場合には、株式などの有価証券、宝石や骨とう品などの動産、土地や建物などの不動産といった金銭的価値があるものが差し押さえの対象になります。
自動車税の支払いが難しい場合はどうなるのか?
病気や怪我、リストラ、自然災害などで急に収入が減り、自動車税の支払いが困難になることもあります。自動車税の支払いが難しい場合にはどうなるのでしょう。ここからは、自動車税の支払いが難しい場合に起こることや対処法を紹介していきます。
勤務先に連絡が入ることもあるので要注意
自動車税を滞納し、督促状や催告書を無視していると、差し押さえ実行のために財産の調査が行われます。
給料の調査のために、勤務先に連絡が入ることもあります。勤務先への連絡は、国税徴収法第141条に基づき行われるものです。滞納者の同意は必要ありませんし、個人情報保護を理由に拒否することはできないため、注意が必要です。
出典:国税徴収法|e-Gov法令検索
出典:法令に基づく「滞納処分」をやむを得ず行う場合があります|東京都府中市ホームページ
参照:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/smph/kurashi/zekin/shizenonofu/tainoushobunn.html
分割での納税が認められる可能性がある
自動車税の支払いが難しい場合には、都道府県の税事務所や市区町村の税務課に相談しましょう。
一括での納付が難しい場合には、1年以内の分割納付を認めてもらえる場合があります(地方税法第15条)。
滞納状態のまま放置してしまうと、支払いの意志がないと判断され、差し押さえが実行されてしまうため、早めに相談するようにしましょう。
出典:地方税法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000226#Mp-At_15
自動車税の支払いの有無を確認したいとき
忙しさなどから自動車税の支払いが済んでいるか分からなくなってしまうこともあるでしょう。
自動車税の納税状況は、主に2つの方法で確認することができます。
以下では、2つの方法を詳しく紹介していきますので、参考にしてください。
インターネットで確認する
自動車税納付の電子確認システムが導入されている自治体であれば、自動車検査登録事務所や運輸支局でインターネットを利用して納付状況を確認することができます。
ただし、納付から電子確認システムに反映されるまでに期間を要します。
そのため、直近の支払い状況は確認できない可能性があるため注意しましょう。
督促状を待つ
自動車税の支払いの有無を確認したい場合、督促状を待つという方法もあります。
初回の支払期限から20日以内に1回目の督促状の送付が行われるのが一般的です。20日以上経過しても督促状が届かなければ、すでに納付済みと思って良いでしょう。
自動車税を払い忘れないように納税通知書が届いたらすぐ支払おう
ここまで、自動車税を払い忘れたら起こるトラブルやペナルティ、滞納から差し押さえまでの流れなどを紹介してきました。
滞納をすると、財産を差し押さえられたり、車検が受けられず、自動車を使えなくなってしまうため、自動車税を払い忘れないように納税通知書が届いたらすぐ支払うようにしましょう。もし、一括で自動車税の支払いが難しい場合には、速やかに税事務所などに相談してください。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
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