自転車事故による減価償却の計算方法を解説!適用されやすいケースも
自転車事故で損害を受けたときの、減価償却に関する計算方法を解説します。定額法や定率法、耐用年数による計算方法を詳しく説明!また、減価償却に適用されやすい自転車や、賠償金に納得ができないときの対処法も載せているため、参考にしてください。
目次
自転車が事故で損傷した際の減価償却の計算方法は?
自転車事故で被害を受けた場合、相手側に損害金を請求することが可能です。損害額を算出する方法の一つに、減価償却があります。
本記事では、減価償却の計算方法について詳しく解説します。また、減価償却で算出された賠償金が、想定していたよりも低額になるケースも多いです。そのような場合の対処法なども説明します。
減価償却の基礎知識
減価償却とは?
物は時間が経つにつれて老朽化し、価値も下がっていくという考えに基づいているのが、減価償却です。事故に遭った時点で、損傷した自転車は購入時からどのくらいの価値が減少しているのかを判断します。そして、資産価値計上の際に考慮する方法です。
例えば、年数の経った古い自転車に対して、減価償却を考慮せずに賠償金が支払われると、被害者は得をします。実際の損害以上の金額を支払うことがないように、減価償却を取り入れて、適正な価値を算出するいう目的があります。
価値減少分を資産価値計上の際に考慮するのが減価償却です。
たとえば高額なロードバイクがあったとして、事故に遭った時点では新品価格の価値はないと考えられるでしょう。
購入時から時間が経っていれば減価償却を根拠にして、賠償金額を低額にされる可能性があります。出典: kou2-jiko.com
減価償却の計算方法は税制によって定められている
減価償却は、本来税金を計算する際に取り入れられるもので、計算方法は税制によって定められています。
また、資産の種類によって、減価償却の期間が設定されており、経過日数と共に少しずつ価値が下がっていく計算方法です。この減価償却の期間を耐用年数といいます。
自転車が事故で損傷した際の減価償却の計算方法
計算方法①自転車の時価や耐用年数を参考にする
計算方法は、まず損害した自転車の時価を調べます。種類や使用年数を参考にすることもありますが、最も重要視するのは市場価格です。簡単に入手できない珍しい自転車や高価な自転車は、算定が難しいこともあるでしょう。
また、自転車の耐用年数は2年であるため、購入してから2年を超えると、価値がないものと評価されることが多いです。評価されたとしても、高級自転車においては自分が想定している額より、大幅に低い可能性もあります。
計算方法②定額法
定額法とは、毎年定額で減価償却を計上する方法です。取得原価に定額法の償却率をかけて、計算します。例えば、10万円の自転車を2年で償却する場合、1年の減価償却額は5万円です。
ただし、年度途中に購入した場合は、月数に応じた計算をします。定額法および定率法の償却率は、国税庁のホームページで確認することが可能です。
計算方法③定率法
定率法は、毎年一定の割合で減価償却する計算方法です。耐用年数に応じて償却率が定められています。毎年の残額に償却率をかけたものが、減価賠償額です。
また、定額法でも定率法でも、資産の価値は0円になることはなく、最終価値は1円とされています。これは、売却できるまでは何らかの価値があるという、税制の考え方に基づいています。
減価償却以外による損害賠償額の算定方法
減価償却を用いない場合の計算方法は、再取得価格と再購入価格の2通りあります。再取得価格は、交通事故によって損害を受けた自転車は、あくまでも中古であるという捉え方です。
そのため、同等の価値のある中古自転車を取得できるくらいの金額が、損害賠償額になります。
再購入価格は、被害に遭った自転車の購入金額が10万円であれば、再購入価格は10万円とする計算方法です。例えば、加害者の謝罪の意味を含めている、代替えは新しいものを購入するべきなど、さまざまな理由があります。
それらの要素が認められた場合は、再購入価格が適用されます。ただし、一般的には再取得価格が適用されることが多いです。
自転車の減価償却が適用されやすいケース
ケース①市場価格を把握しにくい自転車
交通事故で損害を受けた場合、必ずしも減価償却が適用されるわけではありません。一般的によく見かけるタイプの自転車であれば、市場価格が簡単に把握できて、減価償却を適用する必要がありません。
もしも、レアな自転車であれば、市場価格を把握しにくいため、減価償却が適用されやすくなります。また、登録年数が10年以上の場合も、市場価格を把握しにくく、保険会社から減価償却で計上される可能性があります。
ケース②修理費用が高額な自転車
ロードバイクのような高級なタイプの自転車は、修理費もかかります。修理費が高い自転車は、保険会社から減価償却を適用されやすい傾向があります。
なぜなら、時価で保険金を支払うよりも、減価償却で計算した方が、低額に抑えられるからです。したがって、保険会社の立場からすると、減価償却の方が都合が良いといえます。
減価償却の適用で賠償額に納得できないときの対処法
ロードバイクのような高額な自転車が、減価償却の計算法にすると、価値が0円となることもあります。賠償額に納得ができない場合は、適正な対応が必要です。
まずは、自分で時価を立証しなければなりません。購入したお店へ、損傷した自転車を持って行きます。そして、もし損傷していなければ、いくらで買い取ってくれるのか、値段を確認してみましょう。
買収価格が確認できたら、時価として保険会社に主張します。ただし、全ての購入店が、買収価格を出してくれるとは限りません。
自分で解説することが困難であれば、弁護士に相談するのも良いでしょう。弁護士が事故の状況なども含めて、適正な過失割合をもとに賠償額を算定してくれます。
自転車の減価償却が適用されると賠償額が下がることもある
自転車事故で損害を受けた場合、保険会社から減価償却による賠償金を、掲示されることがあります。特にロードバイクで交通事故に遭ったケースでは、減価償却になる可能性が高いです。
賠償額が低くなり納得できなければ、泣き寝入りせずに弁護士に相談するなど、適切な対応を行いましょう。
この記事のライター
宮内直美
最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。
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