車をぶつけられたら儲かるからラッキー?慰謝料や車両保険について解説
車をぶつけられた時に、儲かるからラッキーだと言われる所以を説明します。車の修理代など保険で下りるお金や、慰謝料などを解説!交通事故後の生活にも大きく影響する後遺障害も含めて、ぶつけられた側はラッキーといえるほど儲かるのか検証します。
目次
車をぶつけられたら儲かるからラッキーなのか?
交通事故で車をぶつけられた、と聞くと、「ラッキーだったね」という反応をする人がいます。修理代は相手持ち、さらに保険金や賠償金、慰謝料がもらえるから儲かるというのが、そのように考えてしまう理由です。
しかし、車をぶつけられた交通事故の当事者としては、ラッキーどころか、後遺障害で生活や仕事を元通りに続けられるかということが心配になります。交通事故の被害者として、車をぶつけられたらいくらもらえるのか、本当にラッキーといえるのかをまとめます。
車をぶつけられたら慰謝料で儲かる?
交通事故で車をぶつけられた場合に、被害者が儲かるからラッキーだと誤解されるお金として、一番イメージしやすいのが慰謝料です。また、慰謝料とは別に、車という物品の損傷に対して支払われる損害賠償金もあります。それぞれの違いをまとめます。
車をぶつけられたときに支払われる損害賠償金
車をぶつけられた時に支払われる損害賠償金は、大きく3種類に分かれます。このうち、慰謝料と呼ばれているものは、車をぶつけられたことによる精神的損害・苦痛を金銭に換算して支払われるお金のことです。
他には、車をぶつけられた箇所の修理代などの積極損害、後遺障害などがなければ儲かるはずだった収入に対する逸失利益などの消極損害があります。いずれにしても、ぶつけられたからラッキー、などといえない状況に追い込まれていることが分かります。
慰謝料は精神的苦痛に対して支払われる
慰謝料とは、交通事故によって受けた被害者の精神の苦痛に対する賠償を、金銭に換算して支払うお金を指します。慰謝料が発生する交通事故は人身事故のみであるため、ぶつけられた側は儲かるからラッキーだと感じる人は、車の損傷と違って元手がかからないという考えです。
しかし、車をぶつけられたような人身事故の被害を受けている時点で、被害者は相応の怪我を負っておりラッキーとは程遠い状況です。
また、ぶつけられたことで人身事故として警察に届け出るためには、病院から出される診断書を提出する必要があります。その後の治療も含め、しばらく通院に時間を割かなければなりません。日常生活に支障が出ているという点でも、儲かるからラッキーとはいえません。
こういった手間や実際の痛みに対する補償を受けているにすぎず、「儲かる」という感覚には当てはまらないかと思います。
慰謝料で儲かる方法はない
慰謝料は、基本的に病院への通院期間が長いほど受け取る金額は増えるしくみです。しかし、期間が長くても、明らかに大きな回復につながらない通院を続けると、治療費をはじめとした損害賠償がもらえなくなる可能性が出てきます。悪質な場合は、儲かるどころか保険金詐欺として訴えられることもあり得ます。
また、交通事故によって後遺障害が残ったり、警察に診断書を提出するなどの手間を考えると、慰謝料は儲かるからラッキーというものではありません。
もし、交通事故に遭い通院先をお探しの場合や、今通院してる院から転院を考えている場合は、一度ドクター交通事故にご相談してみてはいかがでしょうか。
お近くの治療院のご紹介から予約までを行ってくれます。また、ドクター交通事故経由で通院して条件を満たすと、お見舞金として2万円の贈呈を受けられるため、ご希望の方は下記のボタンから電話してみてください。
損害賠償金の増額交渉することは可能
損害賠償金は、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準の3種類の算定基準があります。交通事故の相手側の保険会社は、多くの場合、自賠責保険または任意保険の基準を元に賠償金の提案を行います。
この時に、弁護士に交渉を依頼することで、最も高額な弁護士基準をもとにした交渉は可能です。儲かるからラッキーという意識ではなく、あくまでも身体の治療費や車の修理代、精神的苦痛を根拠として増額を図るという考え方です。
車をぶつけられたときに支払われる車両保険
車両保険は、車を交通事故でぶつけられた時に保険金が支払われる保険です。車両保険の特徴と、保険で逆に損をするアンラッキーなケースを紹介します。
車両保険とは?
車両保険とは、契約した車が交通事故などで損害を受けたり、盗まれた場合に保険金が支払われる任意加入保険です。支払われる保険金は、事故車両の状態によって2種類に分かれます。
全損と呼ばれる、車の時価額を超える損害額や修理代が発生した時は、保険金額、または事故時点での車の時価額が支払われます。一方、分損と呼ばれる、修理代が車の時価額以内に収まる場合は、修理代などの損害額が支払われます。
いずれも、修理代や代車の手配の手間を考えると、儲かるといえるほどラッキーな収入ではありません。
車を修理しなくても修理代金は請求できる
ぶつけられた箇所をはじめとした、車の修理をしなくても、修理代金相当額の補償金を請求することができます。なぜかというと、修理代金を請求した側に対しては、必ずしもそのお金を車の修理に使わなければならないという義務がないためです。
事故を機に車を処分したり、修理する代わりに新車を買うための頭金にするなど、臨時収入として考えれば儲かるしラッキーといえなくはありません。
一方、保険会社は事故の過失を相殺したうえで、損害額の補償をしなければならないため、修理代金の請求には必ず応じます。交通事故で車をぶつけられたら、事故車を修理するかどうかをなるべく早く決めて、保険会社に伝えるべきです。
車両保険を使うと等級が下がる
交通事故で車をぶつけられた時に車両保険を請求すると、等級は下がります。これは、請求により対人・対物賠償や、車両保険金の支払い義務が保険会社に発生するためです。この等級ダウンは、自分の過失の有無を問いません。
よって、車体の軽微な傷など、運転に支障がない損傷に保険を使うと、翌年以降に支払う保険金の増額分のほうが高くなることもあります。この場合は、事故で儲かるどころか、将来の出費が増える分、アンラッキーな結果といえます。
事故相手が高級車だと損をする可能性もある
ぶつけられた相手の車が、いわゆる高級車である場合、こちらが被害者であったとしても差し引きで損をすることがあります。これは、過失割合の算定方法の原則として、自らの過失の分だけ、相手方の車の損害額を賠償することとなっているためです。
交通事故では過失割合の低い被害者であっても、加害者の車の損傷については過失割合に応じて賠償しなければなりません。この時、お互いに動いている状態であれば、被害者にも若干の落ち度があると判断され、過失割合も加算されます。
高級車は部品も高額であるため、例え過失割合の低い被害者であっても、わずかな割合とはいえ修理費がかさみます。こうしたケースは、被害者よりも加害者のほうが儲かる例です。
車をぶつけられて後遺障害が残った場合の慰謝料
交通事故で車をぶつけられると、事故の衝撃により後遺障害が残ることがあります。この時の慰謝料と、死亡した場合との違いを説明します。
後遺障害等級慰謝料とは?
後遺障害等級慰謝料は、交通事故を原因とする後遺障害で受けた精神的な苦痛に対して支払われる、損害賠償金の一種です。等級は全部で1~14級あり、1級に近いほど重篤な後遺障害があると判定されます。
後遺障害等級は、書類による審査で認定されます。この書類で、後遺症の正確な状況を明記することが、より高い等級で認められるために必要です。
後遺障害等級が認定されると逸失利益も貰える
逸失利益とは、交通事故による後遺障害がなかった場合に将来得られたと考えられる収入です。後遺障害等級の認定を受けると、後遺障害等級慰謝料に加えて、逸失利益も貰うことができます。
逸失利益は、後遺障害等級によって定められた労働能力喪失率が目安です。ただし、実態によっては変動することもあります。
被害者が死亡した場合
交通事故で被害者が死亡した場合は、死亡慰謝料が支払われます。死亡慰謝料は、被害者のほか、遺族の精神的苦痛に対する損害賠償金です。また、故人の逸失利益も受け取ることができます。受け取り対象は被害者本人とその遺族です。
なお、被害者本人は故人となっているため、被害者の分の慰謝料は相続人で分配します。また、損害賠償にかかる示談の交渉などを行うのも相続人です。このほか、故人の葬儀費用も請求できます。
車をぶつけられて損をしないためのポイント
交通事故で車をぶつけられた時に、損をしないために気を付けるべきポイントを2点にまとめて説明します。
ポイント①痛みがあるときはすぐに病院へ行く
交通事故で車をぶつけられたら、直ちに病院に行ってください。交通事故から時間が経った後で、痛みを感じ病院に行っても、保険会社に治療費の支払を拒否されるケースがあります。
また、早期に病院に行くことで、障害慰謝料が増え、儲かる可能性も高まります。これは、交通事故の障害慰謝料が、病院への通院日数を基準に算出されるためです。
交通事故に遭い病院を探している場合はドクター交通事故に相談してみてください。
家の近くや、夜遅くまで対応している通院先など、最適な治療院を紹介してくれます。
ポイント②弁護士へ依頼することも検討する
損害慰謝料の算出基準は、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3種類です。相手側の保険会社によっては、早期かつ少額での示談を狙って、安い自賠責や任意保険の基準をもとにした金額提示を行うことがあります。
この時、保険会社の担当者の主張のみをうのみにせず、より高額な算定基準での交渉をするのであれば、弁護士に示談内容の検証を依頼すべきです。もし弁護士に依頼しない場合は、相続人が直接相手方と交渉することもあります。
車をぶつけられたとしても儲かるからラッキーとはいえない
交通事故で車をぶつけられると、慰謝料に代表される損害賠償金を受け取ることは可能です。しかし、交通事故の被害者には、一生残る後遺障害や死亡のリスクがあります。さまざまな書類の提出など、事後処理の手間も考えると、とても儲かるからラッキーとはいえない状況です。
どんなに自分が安全運転を心がけていても、車をぶつけられたりするアンラッキーな可能性はゼロにはなりません。しかし、もしもの時に必要な行動を知っておくことは、自分や家族の生活を守ることにもつながります。
また、慰謝料や賠償金で儲かるからラッキーという意識ではなく、生活を取り戻すために必要な権利としての増額を図るべきです。
この記事のライター
東雲修
世の中の「ちょっと気になること」を日々集めて、読者の皆様に分かりやすく解説していきます。交通事故での「困った!」が、「分かった!」に変わる助けになれば幸いです。
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