10対0の事故に遭ったときの修理費用を解説!買い替えの判断基準も
10対0の事故に遭った車両の修理費用について詳しくまとめています。過失割合が10対0の事故の場合、車両は買い替えた方が良いのか解説。保険会社と示談交渉する際の注意点や、修理費用を踏み倒されたときの対処法も取り上げているので参考にしてください。
目次
10対0の事故に遭ったときの修理費用について解説!
過失割合10対0の交通事故とは、被害者に全く落ち度がない事故です。過失割合10対0の事故に遭った場合、車両を買い替えるべきか判断に迷うこともあるでしょう。
買い替えるべきか修理すべきか判断する基準は、車両の損壊状況によって違います。本記事では、買い替えるときの判断基準や、修理するときのポイントを詳しく解説しています。過失割合10対0の交通事故で、修理費用を踏み倒されたときの対処法も参考にしてください。
10対0の事故に遭った車両は修理した方が良い?
過失割合10対0の事故で損壊した車両は、買い替えるべきか乗り続けた方が良いのか解説します。買い替えた方が良いケースを参考に、修理するか買い替えるか決めましょう。
重要なパーツが壊れた場合は買い替えた方が良い
エンジンやフレームなど、車両の重要なパーツが損壊した場合は、直すよりも買い替えた方が良いでしょう。重要なパーツは、修復しても安全性に不安が残るだけでなく、買い取り査定にも影響があります。後々、不具合が出る可能性もあるため、買い替えた方が良い場合がほとんどです。
修理費用が高くなる場合は買い替えた方が良い
重要なパーツが損壊していなくても、修理費用が高くなる場合は買い替えた方が良いでしょう。場合によっては、修理費用だけで新車よりも高くなるケースもあります。一ヶ所ではなく、何ヵ所も損壊している場合は、買い替えた方が安くなる可能性が高いでしょう。
簡単な修理で済む場合は買い替えない方が良い
修理費用が安く済む場合は、買い替えずに直して乗り続けた方がお得だといえます。ミラーやドアが壊れた場合は、走行に支障ありません。費用も安く済むため、直して乗り続けても問題はないでしょう。費用と安全性を見極めて、修理するべきか買い替えるか判断しましょう。
10対0の事故の一例と修理費用の決定方法
過失割合が10対0の交通事故は、あまり多くはありません。多くの事故は、被害者にも少なからず過失があると考えられるからです。では、過失割合10対0の事故とは、どのような事故なのでしょう。過失割合10対0の事故の具体例と、修理費用の決定方法について解説します。
10対0の事故の一例
過失割合が10対0の事故とは、被害者に事故の責任が全くない事故ということです。法定速度を守り、安全運転をしているにもかかわらずぶつけられた場合は、過失割合が10対0になる可能性があります。
また、信号待ちや停車中など、被害者の車両が停まっているときにぶつけられた事故は、過失割合10対0となるでしょう。また、交差点で青信号で進んでいるときに、赤信号側の車両がぶつかってきた場合も、過失割合10対0となります。
過失割合の意味と決定方法
交通事故が起きると、事故の当事者双方にどのくらいの交通違反があったのか、どの程度の不注意があったのか等、事故原因となった責任の大きさが判断されることになります。この責任の大きさを数値で表したのが過失割合です。
出典: atomfirm.com
過失割合とは、事故の責任の割合を表したものです。被害者に全く落ち度がない場合、被害者の過失割合は0で、加害者の過失割合は10ということになります。
過失割合は損害賠償額にも大きく関わるため、加害者と被害者間でトラブルになることも少なくありません。さらに、過失割合10対0の事故は、示談交渉が通常と違うため注意が必要です。
修理費用の決定方法
事故後、被害者が修理工場に車両を持ち込み、費用の見積もりを作成してもらいます。その金額を基準に、保険会社のアジャスターと話し合いを行い修理費用を決定します。修理費用は車種や損壊箇所によって変わりますが、相場は10万〜50万円程度です。
10対0の事故で車両を修理するときのポイント
10対0の事故で車両を修理するときに、気をつけるべきポイントを解説します。車両修理の流れも、併せて知っておきましょう。
車両修理の流れ
- 事故状況の聴取後、車両の修理手配を開始する
- 自走できない場合はレッカー車を手配する
- 相手側の保険会社に連絡し、修理工場を決める
- 必要な場合は代車を借りる
- 修理工場が見積もりを出す
- 修理工場とアジャスターが調整協議を行う
- 修理費用が決定する
修理工場は被害者自身で決定することができますが、勝手に手配すると適正に補償してもらえないケースもあります。修理する前に、必ず相手保険会社に連絡しましょう。
ポイント①損害額がわかったら示談交渉を開始する
示談交渉は、損害額が判明してから開始します。怪我をしている場合は、怪我が完治してから、あるいは後遺障害等級が認定された後です。
10対0の事故の場合は、相手の任意保険会社の担当者と、被害者自身が示談交渉を行うことになります。修理費用は、示談が成立した後に支払われるため、受け取りまで最低でも1〜2ヶ月程度かかることになります。
ポイント②修理しなくても費用は受け取れる
加害者から修理費用を支払ってもらっても、買い替えたい、または修理せずにスクラップにしたいと考える人もいるでしょう。修理費用として支払ってもらった賠償金ですが、使用用途は被害者の自由です。修理に使うのはもちろん、買い替え費用にしても問題はありません。
10対0の事故で修理費用を払ってもらえないケース
10対0の事故にもかかわらず、修理費用を支払ってもらえないケースもあります。どのような理由か、2つのケースについて解説します。
ケース①加害者が任意保険に加入していない
加害者が任意保険に加入していた場合、修理費用は任意保険会社が支払います。しかし、加害者が任意保険に加入していない場合もあるでしょう。
保険金が支払われるのは、物損事故の補償がされている任意保険に加入している場合に限られています。加害者が任意保険に未加入の場合、加害者本人に費用を請求することになります。しかし、支払い能力がないからと、支払いを拒む加害者もいます。
ケース②全損した場合
全損には「物理的全損」と「経済的全損」があります。物理的全損とは、修理不可能なほど車両が損壊している状態です。物理的に修理できない状態であるため、修理費用ではなく、買い替え費用を支払ってもらえます。
経済的全損とは、修理できる状態ではあるが、買い替えた方が安い状態です。その場合も、買い替え費用を支払ってもらえます。思い入れのある車だから修理したいと思っても、買い替えた方が安い場合は、買い替え分の費用しか支払ってもらえません。
10対0の事故で修理費用を踏み倒されたときの対処法
残念なことに、修理費用を払わずに連絡を断ってしまう加害者もいます。万が一、修理費用を踏み倒された場合、どのように対処すれば良いのか解説します。
対処法①時効までに示談交渉を成立させる
加害者が任意保険に加入していないなどの理由で、賠償金を支払ってもらえないケースもあります。物損事故の場合、示談交渉の時効は3年です。そのため、3年以内に示談交渉を成立させることが重要です。
示談交渉を成立させるためには、賠償金の支払いを分割にする、支払い期間に猶予を設けるといった、被害者側の譲歩も必要になります。また、加害者側に、連帯保証人を立ててもらうこともできます。
対処法②訴訟を起こす
賠償金を踏み倒すために、故意に連絡を断って逃げる加害者もいます。故意に連絡を断つ悪質なケースの場合、訴訟を起こし、勝訴することで解決するしかありません。訴訟に勝訴することで、財産へ強制執行を行い解決を図ります。
10対0の事故に遭った車両を買い替えるときの判断基準
10対0の事故に遭った車両を、修理するか買い替えるか迷ったときは、5つの判断基準に照らし合わせてみましょう。これから解説する判断基準に当てはめて、安全で損をしない選択をしてください。
判断基準①車両保険の加入内容
10対0の事故の場合、被害者に全く落ち度がありません。そのため、加害者の保険会社から修理費用を支払ってもらえます。加害者の保険料が高額である場合、買い替えても損をすることは少ないでしょう。
しかし、加害者からもらえる保険料は、保険会社に基準によって大きく変わります。10対0の事故であっても、必ず買い替えがお得とは限りません。まずは、加害者側の保険会社としっかり話し合って、買い替えるか判断しましょう。
判断基準②安全性
事故に遭った車両が、修理後も安全に走行できるかは重要なポイントです。修理しても安全性に問題があっては、意味がありません。思い入れがある車でも、安全性が確保できない場合は買い替えた方が良いでしょう。
判断基準③車両の年式
年式が古ければ古いほど、車両の時価が下がるのが一般的です。走行距離10万Km以上、購入から10年以上経った車両は、修理するよりも買い替えた方が良いでしょう。
また、車両があまりにも古すぎる場合は、時価が0円になる可能性があります。古すぎて価値がないと判断されることで、修理費用も買い替え費用も支払ってもらえないこともあります。
判断基準④修理箇所
損壊箇所によって、修理費用は大きく変わります。安全性にも大きく関わるため、修理箇所は重要な判断基準といえます。また、フレームやダッシュパネルなどが損壊した場合は、修復歴もつきます。そのため、重要なパーツが損壊品場合は買い替えたほうが良いでしょう。
判断基準⑤ローンの有無
買い替えを検討する場合は、ローンが残っているか確認しなければいけません。ローンが残った状態で買い替えると、二重ローンとなってしまいます。支払い続けることが可能か、経済的に問題がないか慎重に見極める必要があります。
10対0の事故で示談交渉するときの注意点
過失割合10対0の事故の場合、通常と示談交渉の仕方が変わります。10対0の事故の示談交渉で、困らないための注意点を解説します。
注意点①10対0の事故の場合は保険会社は示談交渉しない
通常、交通事故の示談交渉は保険会社が代行します。しかし、過失割合10対0の示談交渉は、保険会社は行いません。過失割合10対0で被害者に全く落ち度がない場合、保険を利用しなくても良いため、保険会社は介入しないのです。
基本的に保険は、加害者となった場合の補償であることがほとんどです。そのため、10対0の被害者となった場合は、補償を受け取るだけとなります。
注意点②示談交渉は被害者自身で行う
過失割合10対0の示談交渉は、被害者自身で行うことになります。しかし、示談交渉する相手は、保険のプロです。なんの知識もない被害者が、有利に示談交渉を進めるのは難しいでしょう。
場合によっては、被害者にも落ち度があるとして、10対0の過失割合を覆される可能性もあります。そのため、過失割合10対0の示談交渉は、弁護士に依頼することも検討しましょう。
注意点③加害者が納得しないこともある
過失割合10対0の事故となると、相手保険会社の負担も大きくなります。加害者側も過失割合に納得できず、トラブルとなるケースが少なくありません。10対0の過失割合を覆すために、さまざまな方法で交渉してくることも考えられます。
最終的な補償額を決めるのに時間がかかり、事故処理に手間がかかることも考えられるため注意しましょう。
注意点④加害者本人ではなく保険会社と交渉する
示談交渉を行う場合は、直接相手と連絡を取らないようにしましょう。必ず、保険会社の担当者を介して、やり取りしてください。
当事者同士で連絡を取り合うと、感情的になりやり取りがこじれる可能性が大きくなります。相手が非を認めず事実と異なる主張をしても、冷静に対処することが大切です。
10体0の事故に遭ったときは修理費用を加害者へ請求しよう
過失割合10対0の事故の場合、示談交渉は被害者自身で行うことになります。難航することも多いため、弁護士に依頼することも検討しましょう。
また、車両は修理せずに、買い替えた方がコストを抑えられるケースもあります。買い替えるべきか迷ったときは、5つの基準を参考に慎重に判断しましょう。
この記事のライター
伊藤
女の子と男の子の子育てをしながら、フリーライターをしています。交通事故や怪我に関する疑問を解決できるよう、主婦目線でわかりやすく説明していきます。
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