あおり運転は暴行罪になる?処罰対象になる違反や逮捕された際の流れも

あおり運転は暴行罪になるのか解説しました。どのような違反が処罰対象になるのか、またあおり運転が原因の事故で逮捕された場合の流れついてもまとめています。あおり運転がなぜ暴行罪になるのかも詳しく解説しているので、自動車を運転する際の参考にしてください。

目次

  1. あおり運転は暴行罪になるのか?
  2. あおり運転の定義
  3. あおり運転をすると暴行罪になる?
  4. あおり運転が原因で死傷事故を起こした場合の罰則
  5. あおり運転は暴行罪で警察に逮捕されることもある

あおり運転は暴行罪になるのか?

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あおり運転による事故の増加に伴い、近年、取り締まりは強化されています。今までは単なるマナー違反とされていましたが、悪質なあおり運転による死亡事故をきっかけに、厳罰化を望む声も高まっています。

そこで本記事では、あおり運転の定義や罰則についてまとめました。誰でも、あおり運転の被害者にも加害者にもなる可能性があります。どのような行為があおり運転に該当するのか、しっかり把握しておきましょう。

あおり運転の定義

そもそも、あおり運転とはどのような行為を指すのでしょうか?定義を詳しく知ることは、自分自身を守ることにもつながります。まずはあおり運転とは何か、解説していきます。

あおり運転とは?

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あおり運転(あおりうんてん)とは、後方から極端に車間距離をつめて威圧したり、理由のないパッシングや急停止をしたり、故意に特定の車両の運転を妨害するような振る舞いをしたりする迷惑行為です。

出典: jico-pro.com

あおり運転という言葉を耳にしても、具体的にどのような行為を指すのかわからないという人も多いでしょう。あおり運転とは道路において、交通の妨げになる悪質、危険な運転行為のことです。

具体的には、後方から執拗にあおる、クラクションを鳴らしたりパッシングしてくる、幅寄せしてくる、強引に割り込んでくる、車線変更を繰り返し進路を妨害するといった行為があります。これらの行為は自動車だけでなく、バイクや自転車にも該当します。

あおり運転が立証される証拠

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あおり運転で事故が起きなかったからといって、問題がないわけではありません。事故が起こらなくても、あおり運転そのものが処罰の対象になるのです。

最近はあおり運転を警戒して、ドライブレコーダーを装着している車両も増えています。スマートフォンで撮影した映像や音声、目撃情報が証拠となって後日逮捕される例も少なくありません。

あおり運転は単なるマナー違反ではなく、重大な事故を引き起こす悪質な行為として、警察も取り締まりを強化しています。

あおり運転をすると暴行罪になる?

あおり運転で逮捕されると、暴行罪に問われることがあります。あおり運転はなぜ暴行罪に該当するのか、詳しく解説していきます。

あおり運転は暴行罪に適用される

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暴行罪は、刑法第208条において「暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかったとき」に成立する罪です。相手が怪我をしなかった時に成立する罪ですので、直接体に触らなくても嫌がらせや脅し行為でも暴行罪に問うことができます

警視庁はあおり運転に対して、あらゆる法令を駆使して厳正な捜査を行うよう、全国の警察署に通達を出しています。

悪質なあおり運転を取り締まるためには、道路交通法だけでなはく、より厳しい暴行罪も駆使する必要があると考えているのです。たとえ暴行罪に問われなくても、免許停止や取り消し処分を受ける可能性もあります。

出典:第二十七章傷害の罪(暴行)第二百八条(e-GOV法令検索)

あおり運転による道路交通法の処罰対象

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車間距離不保持違反

前方車両に接近し、プレッシャーを与えたり道路を譲るよう促す

急ブレーキ禁止違反

危険回避の目的としない危険な急ブレーキをかける

警音器使用制限違反

危険回避の目的なく、威圧するためにクラクションを鳴らし続ける

減光等義務違反

妨害目的でハイビーム、パッシングを繰り返す

安全運転義務違反

側方の車両に対して接近して幅寄せする

進路変更禁止違反

周囲車両の走行を妨害する目的で、危険な車線変更を行う

追い越し方法違反

前方車両の左側から追い越す

もちろんこれらの交通法違反が、全てあおり運転に該当するわけではありません。あおり運転に該当するかどうかは、判断が難しいケースもあります。そのため、ドライバーの供述やドライブレコーダー、目撃証言を基に総合的に判断されることになります。

あおり運転の暴行罪で警察に逮捕された場合の流れ

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たとえ事故にならなくても、あおり運転をすると暴行罪で逮捕されることもあります。その場で道路交通法違反として取り締まりを受けるか、通報や目撃情報によって、捜査が行われ逮捕に至ることがほとんどです。

暴行罪で逮捕されると、取調べのために48時間以内の身柄拘束を受け、逮捕から48時間以内に身柄は検察庁に送致されます。

送検から24時間以内に処分が決定しない場合は勾留請求を検察官が行い、裁判所に認められれば原則10日、最長で20日身柄拘束されることになります。

その後、起訴、裁判が行われ、暴力行為が認められれば、刑罰が科せられることになるのです。道路交通法違反で取調べを受けても前科がつくことはありませんが、暴行罪が認められれば前科がつくことになります。

あおり運転が原因で死傷事故を起こした場合の罰則

あおり運転によって死傷事故が起こってしまうと、道路交通法違反による処分だけでは済まされません。どのような罪に問われるのか、詳しく解説していきましょう。

自動車運転死傷行為処罰法

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これまで、危険運転による死傷事故は、刑罰が軽いことが問題視されていました。そこで新設されたのが危険運転致死傷罪です。さらに厳罰化をはかるために、平成26年5月から、自動車運転死傷行為処罰法が施行されました。

新たに自動車運転死傷事故に係る刑罰を加えた新法が交付されたことで、悪質な運転を厳しく取り締まることができるようになりました。

出典:広島県交通安全お助けサイト(広島県公式ホームページ)

危険運転致死傷罪と過失運転致死傷罪

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これまで、危険な運転で死傷事故が起きても、業務上過失致死傷罪で裁くしかありませんでした。しかし、令和2年にはあおり運転や妨害運転を厳しく取り締まるための妨害運転罪が創設されました。

これにより、危険な運転をした場合は、最大で懲役3年、妨害により著しい交通の危険生じさせた場合は最大5年の懲役刑に処せられることになりました。

また危険運転致死傷罪は、「15年以下の懲役」、人を死亡させた場合は「1年以上20年以下の懲役」を科せられます。さらに、危険運転致死傷罪に該当しない死傷事故は、過失運転致死傷罪が適用されます。

過失運転致死傷罪の罰則は「7年以下の懲役」「7年以下の禁錮」「100万円以下の罰金」のいずれかです。また異例ではありますが、悪質なあおり運転による死亡事故で殺人罪に問われたケースもあります。

出典:交通安全のための情報(警視庁)

あおり運転は暴行罪で警察に逮捕されることもある

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あおり運転は単なるマナー違反ではなく、暴行罪で罪に問われることもあります。自分ではそのつもりがなくても、思わぬ形であおり運転とみなされてしまうことがあるかもしれません。そのようなことにならないためにも、常に安全運転を意識しましょう。

この記事のライター

伊藤

女の子と男の子の子育てをしながら、フリーライターをしています。交通事故や怪我に関する疑問を解決できるよう、主婦目線でわかりやすく説明していきます。

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