事故であとから痛みが出たときの対処法を解説!賠償金についても
事故で、あとから痛みが出たときの対処法についてまとめました。あとから痛みが出たときに、どこで治療を受けたら良いのかも説明します。また、警察署で物損事故から人身事故へ切り替える方法や注意点も、解説しましょう。交通事故で受け取れる賠償金の種類もまとめています。
目次
事故であとから痛みが出たときはどうすればよい?
事故に遭った直後は、外傷や痛みがないため大丈夫だと思っていたら、あとから痛みが出るケースがあります。そのようなとき、どこで治療を受けたら良いのか、警察へ届けた方が良いのか判断に迷うものです。
本記事では、あとから痛みが出たときの適切な対処法を解説しましょう。対応に不足があると、慰謝料を請求できない場合もあるため、ぜひチェックしてみてください。また、すでに物損事故と処理されている場合の、人身事故への切り替え方法も説明します。
事故であとから痛みが出る理由と症状
交通事故に遭った直後は何も症状がなかったのに、あとから痛みが出てくることがあります。なぜあとから痛みが出るのか、どのような痛みの症状なのかを解説しましょう。
あとから痛みが出るのはなぜ?
交通事故直後は精神的にダメージを負い、現実を受け入れきれず痛みを感じなくなることがあります。これは事故に遭った事実を受け入れたくないという、人間の防衛反応の一つだそうです。
しかし、事故から数日経ったときに、痛みの症状が出てきます。正確にいうと、事故直後から症状があっても、痛みに気付けない状態であったということです。
あとから痛みが出やすい症状
交通事故で多く見られる症状の一つは、むちうちです。直後は痛みを感じなくても、あとから首が回らない、手が痺れるなどの症状が出てきます。また、追突の衝撃で頭部を強打している場合は、痛みの症状がなくても頭蓋骨の組織や脳を損傷していることがあります。
外傷がないので安心していると、脳内出血を起こしていたということもあり得るのです。痛みがなくても、あとから症状が出てくることもあるため、必ず病院で受診しましょう。
事故であとから痛みが出たときの対処法
交通事故であとから痛みが出た場合、いくつか行うべきことがあります。ここでは、どのように対応したら良いのか、具体的に説明していきましょう。
対処法①警察へ届け出る
あとから痛みが出た場合は、賠償金を請求することができます。相手側に賠償金を請求するときに必要になるのが、交通事故証明書です。
交通事故証明書は警察に事故の届けを出さないと、発行されません。そもそも、交通事故に遭った場合は、道路交通法により警察に報告する義務があります。あとから痛みが出たことも考慮して、警察への報告を忘れないようにしてください。
対処法②相手側の保険会社へ連絡する
あとから痛みが出た場合は、加害者が加入している保険会社に、治療費や慰謝料を請求することができます。しかし、被害者が直後に痛みがなかった場合、保険会社側は治療費の支払いを想定していません。
あとから痛みが出てきたら、必ず保険会社に連絡をして現状を伝えておきましょう。また、その際に任意一括対応を要請しておくと、保険会社が病院へ直接治療費を支払ってくれます。
対処法③整形外科(病院)で治療を受ける
あとから痛みが出たら、まずは整形外科や総合病院で受診するようにしましょう。整形外科ではレントゲンやMRIを使って、骨や筋肉、組織など、細部に渡って検査を受けることができます。
また、賠償金を請求するときに重要になる診断書の作成は、病院の医師のみができます。最初から医師による施術でない整骨院へ行くと、診断書の作成をしてもらえないため、充分注意してください。
対処法④物損事故から人身事故へ切り替える
交通事故直後に痛みがなかった場合は、すでに物損として処理されている可能性が高いです。あとから痛みが出たら、人身へ切り替え手続きを行いましょう。物損のままにしておくと、相手側の保険会社へ慰謝料を請求することができません。
また、人身事故に切り替えると、警察で実況見分調書が作成されます。この書類があると、過失割合の検証もスムーズに行われやすいです。状況によっては、加害者を刑罰に問うこともできます。
物損事故から人身事故へ切り替える方法と注意点
物損から人身へ切り替えるには、どのような方法をとったら良いのかを解説します。また、切り替えるときの注意点も参考にしてください。
物損事故から人身事故に切り替える方法
- なるべく早く病院で受診し、診断書を作成してもらう
- 管轄の警察署へ電話をして、指定された日時に警察署へ行く
- 警察から事情聴取や実況見分を受ける
- 交通事故証明書が発行される
上記は物損から人身に切り替えを行う流れです。警察署の交通課へ行く際は、あらかじめ電話を入れておきます。連絡なしでいきなり警察署へ出向くと、必要書類に不足があったり、すぐに対応してもらえないかもしれません。
注意点①人身事故への切り替えはなるべく早くする
切り替え期間は、法律で定められている訳ではありません。しかし、痛みが出始めてから、切り替え手続きまでに時間がかかると、切り替えが難しくなることがあります。
時間が経つほど、交通事故と怪我による痛みの因果関係が証明しにくくなるからです。事故発生から1~2週間以内には、切り替え手続きを行うのがベストでしょう。
注意点②警察署へは被害者と加害者の双方が出頭する
切り替え手続きを行う際は、原則的に被害者と加害者の双方が出頭します。加害者側が出頭を拒む場合は、警察や弁護士に相談すると良いです。
また、切り替えの連絡をした際に、警察から事故車を持ち込むように要請されることもあります。事故車が修理中あるいは走行不可の場合は、写真の提出だけで良いケースもあるため、事前に警察へ相談しておきましょう。
注意点③署名押印は慎重に行う
切り替えを行う過程で、警察による事情聴取や実況見分が行われます。それらの結果をまとめたものが、実行見分調書や供述調書です。
これらの書類は、あとから支払われる賠償金の金額に大きく関わってきます。そのため、警察から事情聴取を受けるときは、曖昧な記憶で適当に返答しないように注意してください。
作成後は、当時者の署名押印が必要になります。実況見分調書や供述調書の内容に納得がいかない場合は、すぐに署名押印に応じずに、主張するべきところはしっかりとしましょう。
事故であとから痛みが出たときに受け取れる賠償金
交通事故であとから痛みが出た場合、どのような種類の賠償金が受け取れるのでしょうか?ここでは、物損と人身に分けて、受け取れる賠償金について解説します。
賠償してもらえる損害の種類
賠償してもらえる損害の種類は、積極損害と消極損害、精神的損害の3種類があります。積極損害は事故に遭ったことが原因で、被害者が必要になった支出に対する損害です。物損の場合は修理費、人身の場合は治療費などが該当します。
消極損害は、事故に遭ったことが原因で、被害者が得られるはずの利益の損失のことです。事故によって休業が必要になった、休業補償が該当します。
精神的損害は事故に遭ったことが原因で、被害者が受けた精神的苦痛に対しての損害です。これを補償するために、慰謝料が支払われます。ただし、慰謝料は物損では支払われません。
賠償金の内訳①物損事故の場合
積極損害 | 修理費、評価損、代車使用料、レッカー代、買い替え費用、買い替え手数料 |
---|---|
消極損害 | 休業損害 |
上の表は、被害者が受け取れる物損事故による、賠償金の内訳費用です。買い替え費用や買い替え手数料が補償されるのは、修理不能あるいは全損のときに限ります。また休業損害は、事故被害車両の代替性がないときが対象です。
賠償金の内訳②人身事故の場合
積極損害 | 治療費、入院雑費、付添看護費用、通院交通費、葬儀費用など |
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消極損害 | 休業損害、後遺障害逸失利益 |
精神的損害 | 入通院慰謝料、後遺障害慰謝料 |
上の表は、被害者が受け取れる人身事故による、賠償金の内訳費用です。後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料は、後遺障害等級に認定された後で受け取れる賠償金になります。
事故であとから痛みが出たら人身事故へ切り替える必要あり
事故であとから痛みが出たときの、対処法を解説しました。痛みの症状が出たら、速やかに病院へ行くことが大切です。その際には、必ず医師に診断書の作成を依頼しましょう。
また、診断書を取得したら、物損事故から人身事故への切り替え手続きを、警察署で行います。あとから痛みが出た場合は、適切な対応をして賠償金も請求しましょう。
この記事のライター
宮内直美
最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。
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