交通事故にあったらどこで治療を受けるべき?治療時の注意点も
交通事故に遭った場合の治療先や治療費などについて、解説します。整骨院に通院する場合の注意点や、後遺障害が出た場合の流れ、ケガに対する慰謝料の決め方についてもまとめました。交通事故でケガをした際の治療について、深く理解して備えておきましょう。
目次
交通事故にあったらどこで治療するべき?
ある日突然、交通事故にあう可能性は誰にでもあり得ます。交通事故に遭い、自分がケガをすることも考えられます。
そんな時に知っておきたい交通事故の際の治療先や治療費、そして治療期間の目安を解説していきます。治療を受ける際の注意点についても理解していきましょう。後遺症が残った場合についても、説明します。
交通事故にあった場合の治療先
交通事故直後は整形外科を受診
交通事故直後は、特に外傷がなくても必ず整形外科を受診しましょう。そして病院で診断書を作成してもらいます。
交通事故直後は特に痛みがなくても、後日痛みが発生する場合も考えられます。もし後日痛みが発生した場合、作成してもらった診断書を警察に提出することで人身事故扱いにできるのです。人身事故扱いになれば、交通事故を起こした加害者から支払われる慰謝料が高額になる可能があります。
整骨院へ通うことはできる?
交通事故の治療先として整骨院へ通う事は可能ですが、整形外科などの病院と併用するようにしましょう。整骨院のみに通院していると、治療費が適切に支払われない可能性があるからです。
整骨院で受ける治療は、施術の位置づけになります。慰謝料などは治療を目的とした通院する必要があります。整骨院での治療が交通事故のケガを治すのに必要な治療と認められなかった場合、慰謝料などが払われない可能性があるので注意しましょう。
交通事故で怪我をした場合の治療期間目安
治療期間の目安はDMK136に基づく
治療期間の目安はDMK136という保険会社が目安にする基準で、判断することができます。英語部分は交通事故でのケガの名称を表します。Dは打撲を意味し、Mはむちうち、Kは骨折を意味しています。数字は治療期間を表します。
交通事故の規模や個人ごとに差もあるため、あくまでこの期間は目安です。治療期間の終了を決めるのは、保険会社でなく医師になります。
D1 | 打撲1ヶ月 |
---|---|
M3 | むちうち3カ月 |
K6 | 骨折6ヶ月 |
入通院慰謝料と治療期間の関係
交通事故でのケガを治療するために、入院・通院したことによって起きた精神的苦痛は、入通院慰謝料として請求できます。入通院慰謝料がいくらになるかは、入通院の期間に応じて決まるのです。
そのため期間が長引けば、基本慰謝料金額も上がっていきます。もし入通院が面倒くさいという理由で、通院などをやめてしまった場合慰謝料が安くなる危険性があります。したがって、最後まで通院や入院をすることがおすすめです。
交通事故の治療費の支払いはどうなる?
事故相手が任意保険に加入している場合
交通事故をおこした相手側が任意保険に加入していれば、加害者側の保険会社が治療費を代わりに支払います。病院で治療を受けても、被害者側には請求されず、病院側は保険会社に請求をします。
このような対応を、任意一括対応と言います。交通事故の被害者側は支払い部分などを気にせず、入院や通院ができるので精神的負担が少ないです。
事故相手が任意保険未加入・任意保険を使ってくれない場合
交通事故を起こした相手側が任意保険に未加入の場合もあります。また交通事故により翌年の保険料をあげたくないため、相手側が任意保険を使わないケースもあります。
その時の対応としては、交通事故を引き起こした相手側の自賠責保険を使うか、交通事故の被害者側の任意保険にある人身傷害保険を適用するかのどちらかです。どちらかの対応をすれば、治療費を支払ってもらえることが可能です。
治療費の打ち切りを打診された場合
交通事故を起こした相手側の任意保険を使い治療費を立替えしてもらっている場合、打ち切り打診をされるケースがあります。打ち切り打診とは、これ以上治療を続けても意味がないと判断し、払わない場合ことです。
打ち切りを打診された場合は、医者に症状固定がいつ頃になるのかを確認しましょう。症状固定とは、交通事故で負ったケガをこれ以上治療しても回復が見込めない状態を指します。症状固定の期間によっては、まだ治療を受ける必要がある証明になるので、打ち切りされても延長できる場合があります。
交通事故で後遺症が残った場合
後遺障害の認定手続きを行う
交通事故のケガで治療をしても完全に治らず、後遺症が残った場合は後遺障害診断書を作成してもらいましょう。後遺障害であることが認定された場合、後遺障害の慰謝料の請求が可能です。
後遺障害はいくつかの等級にわかれており、自賠責保険の審査を通して後遺障害の該当可否や等級が決められます。
後遺障害診断書の書き方によっては、正当な等級で認定されない場合もあります。そのため後遺障害診断書を作成してもらう医師は、交通事故被害者に協力的な人にお願いするのが安心です。
後遺障害等級の認定は却下されることもある
後遺障害診断書を提出しても、後遺障害と認められない場合があります。他人から見て分かりづらい後遺障害だと、却下される可能性があることを知っておきましょう。
もし、判断された後遺障害等級の内容に不服がある場合は、損害保険料率算出機構に異議申し立て手続きを行えます。異議申し立てをしても結果が変わらない場合もありますが、再度判断してもらうことが可能です。
交通事故で治療を受ける際の注意点
注意点①整形外科を受診し診断書を書いてもらう
事故に遭った際は、必ず整形外科に行きましょう。交通事故直後に痛みなどがなくても、後日痛みが発生する場合もあります。そのため必ず病院で受診することが重要です。
また受診された際は、必ず診断書を作成してもらいましょう。警察に作成した診断書を提出することで、人身事故扱いとなります。人身事故扱いであれば、慰謝料金額なども高額になる可能性があるからです。
注意点②整骨院に通う場合は必ず医師の許可を得る
整骨院に通う際は、必ず整形外科などの病院とあわせて通院しましょう。整骨院は医療行為でなく、施術行為とされています。慰謝料の対象になるのは、治療を対象とした内容になります。
まずは整形外科などで医師からの診断をうけ、整骨院に通う許可を医師からもらいましょう。そして、相手側の保険会社に整骨院に通う事と医師の許可がある旨を連絡します。この流れを行わないと、整骨院でかかった治療費に対して支払いがされない場合があるので気をつけましょう。
注意点③国家資格保持者に施術してもらう
治療をしてもらう施術師が国家資格を持っていない場合、治療行為と認められない場合もあります。治療行為と認められなかった場合は、交通事故を起こした相手側の保険会社に支払ってもらえない可能性が高まります。整体院などは国家資格を保有してなくても開設ができるので注意が必要です。
そのため治療を受ける施術師を選ぶ際は、しっかり調べて決めることをおすすめします。ちゃんと国家資格を保有しているかを確認するようにしましょう。
注意点④転院する場合は保険会社に連絡する
最初に受けていた病院での治療に納得ができず、病院先を変えたいこともあるでしょう。自宅から遠方で交通事故をしてしまい、搬送された病院に通うのが大変なケースもあります。またより専門的な治療を受けるために、転院を希望される方も多くいます。
このような理由で転院することは可能ですが、転院前に交通事故を起こした相手側の保険会社に転院する旨を伝えましょう。連絡をせず転院してしまうと、治療費の支払いについてトラブルが発生する可能性があります。転院の連絡をする際は、なぜ転院をしたいのかなどの詳細を伝えると拒否されるリスクが減ります。
注意点⑤転院は早めにする
転院を考えている場合、できるだけ早めに行動しましょう。治療を長期にわたり受けている状態で、転院を希望すると転院の必要性を疑われてしまいます。そのため転院を希望したいと思った時点で、病院に確認をしたり保険会社に連絡することが重要です。
また転院を遅くにしてしまうと、後遺症が残った時に影響が出る可能性があります。受診してもらう病院によっては、後遺障害診断書は交通事故直後から、治療の過程を詳細に見てきた場合のみ作成する病院もあるからです。
注意点⑥後遺障害診断書は自分の目でチェックする
医者に後遺障害診断書を作成してもらって、そのままにしてはいけません。しっかり自分の目で内容を確認することが大切です。
書かれている内容に間違いはないか、後遺障害等級の認定を考えた内容であるかを確認しましょう。後遺障害診断書によって後遺障害等級を判断されるので、診断書の中身は重要です。
交通事故にあったらまずは整形外科で治療しよう
もし交通事故でケガをした場合は、交通事故直後に体に痛みがなくても必ず整形外科に行きましょう。整骨院などでは、後日慰謝料を貰えることになっても対象外になってしまう場合があります。
なので医者から整骨院に行く必要があると伝えられれば、整骨院にも通院することをおすすめします。また交通事故で後遺症が出て場合は必ず、後遺障害診断書を作成してもらいましょう。後遺障害診断書は、後遺障害等級の認定をする際に必要な書類となります。
しっかり手順をとり、通院や入院をすることで正当な慰謝料を貰うことができます。間違っても面倒くさいからなどといって、正当な手順を踏まないと後で損をする可能性もあるので注意しましょう。
この記事のライター
うり200
フリーライター兼イラストレーターとして活動。
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