交通事故による物損でスマホは補償される？請求する際の注意点も

交通事故に遭遇すると、身体へのダメージだけでなく、持ち歩いていたスマホや、腕時計などの装飾品が壊れてしまうことがあります。実際に、交通事故に遭遇して、スマホや装飾品が壊れてしまうケースも少なくありません。

本記事では、交通事故による物損でスマホが被害に遭った場合に、補償されるか詳しく解説します。交通事故による物損で損害賠償金を請求するときの注意点もまとめているので、参考にしてください。

交通事故による破損被害の賠償は、相手側が加入している保険会社から支払われます。また、スマホなどが壊れた場合も、新品と交換ではなく、お金で賠償されます。購入金額が支払われるわけではないため、注意が必要です。

破損被害の補償を受けるためには、交通事故で車内にあった壊れたスマホと事故の因果関係を示すことが重要です。交通事故による物損があった場合、すぐに壊れたスマホなどの物の写真を撮っておきましょう。

補償を受ける際に、加害者側の保険会社から証拠写真の提出を求められるケースも少なくありません。たとえ、スマホが使用できない状況であっても、補償を受けるまでは捨てずに持っておきましょう。

また、確実に補償を受けるためにも、スマホなどの壊れたものを購入した日や、購入時の価格が分かるものを用意してください。壊れた物の詳細な情報を提示することで、補償を受けやすくなる可能性があります。

物損事故による損害賠償の算定法等は、市場価格方式と確定申告で用いられる減価償却を利用し算定する、2種類の方法があります。

市場価格方式とは、交通事故で壊れた物と同類で、同様の使用年数の物の時価を時価額として評価する方法です。

減価償却を利用して算出する場合、時間の経過によって減少する時価を計算して、損害賠償金を算出します。

スマホやパソコンなどが壊れた場合、修理して使用できる状態と判断できれば、修理費用の請求が可能です。スマホやパソコンが修理できない場合は、時価で補償されます。

スマホやパソコンの使用年数から補償額を算出するため、購入費用が支払われることはありません。

交通事故で当時に身につけている衣類や腕時計などの装飾品は、時価で補償されます。しかし、衣類は時価による賠償を受けられない可能性があるため、注意が必要です。

交通事故に遭遇した際に身に付けていた装飾品は、人身事故の補償として、自賠責保険から賠償される可能性もあります。

また、車に自転車などを積載しており交通事故で壊れた場合も、パソコンやスマホと同様の補償となります。ダメージがひどい場合は、相手側の保険会社から、事故との因果関係を示すように求められる可能性もあるでしょう。

ペットは、法律上では物として扱われます。交通事故でペットが怪我をした場合は、加害者に治療費の請求が可能です。万が一、交通事故でペットが死亡してしまった場合は、ペットの購入費用が補償されます。

ペットが怪我をしたり、死亡してしまった場合も、原則として、精神的苦痛による慰謝料の請求はできません。

交通事故当時に高級ブランド品を身に付け、補償されるのか不安に感じている人も少なくありません。しかし、高級ブランド品の時価や、ブランド品が本物であるかどうかなど、加害者側と揉める可能性があります。

高級ブランド品の補償を受ける際には、加害者側とのトラブルを避けるためにも、購入時の領収書や修理に出した際の見積もり書を用意しておきましょう。本物のブランド品であることを証明することで、保証が受けやすくなります。

交通事故による物損の補償は、早めに請求しましょう。交通事故でスマホなど壊れた物がある場合は、早い段階で補償の話をしなければ、壊れた物の市場価値も下がります。市場価値が下がると、支払われる損害賠償金も少なくなります。

また、交通事故から時間が経ってしまうと、相手側の保険会社から交通事故と関係があるか疑われる可能性があるため、注意が必要です。

破損物の補償請求には証拠が必要です。交通事故にかかわらず、壊れた物の補償を受ける際には、購入金額と購入年月日の情報が必要になります。

壊れた物の購入年月日は、明確に覚えておく必要はなく、いつ頃に購入したかを確認しておきましょう。また、交通事故との因果関係を示すためにも、事故直後の車内の様子や壊れた積載物を撮影してください。

交通事故で壊れた物に対して支払われる賠償金は、購入金額ではなく時価で判断されます。古くなった物に関しては、時価が落ちているものが多いため、損害賠償金も低くなるでしょう。

一般的に壊れた物が修理できる場合は修理費用が支払われますが、壊れた物の修理代金が時価での補償が上回る可能性があります。修理費用が時価を上回る場合は、時価での補償となります。

このようなケースで修理を希望する場合は、時価の金額を超えてしまう分の費用は自己負担しなければなりません。

交通事故による物損でスマホが補償対象になるのか、詳しく解説しました。交通事故による物損は、原則的に相手の保険会社から補償してもらえます。交通事故による物損で補償を受ける際には、証拠となる資料が必要になるため、事前に用意しておきましょう。