交通事故で顔に傷が残った場合の賠償金は?後遺障害等級を詳しく解説!
交通事故で顔に傷が残った場合に請求できる賠償金について、詳しく解説します。交通事故で顔に傷が残った場合に認定される後遺障害の等級や、顔に傷が残った場合の後遺障害等級認定の申請方法についてもまとめているので、参考にしてください。
目次
交通事故で顔に傷が残った場合の賠償金はどうなる?
交通事故で顔に怪我をした場合、「傷あとが残ったらどうしよう」と悩む人も少なくありません。特に、顔の傷は人目につきやすく、気になるものです。
本記事では、交通事故で顔に傷が残った場合の賠償金について、詳しく解説します。顔に傷が残った場合の後遺障害等級認定の申請方法もまとめているので、参考にしてください。
交通事故で顔を怪我したときに請求できる賠償金
賠償金①入通院慰謝料
交通事故で顔を怪我したときに請求できる賠償金として、入通院慰謝料が挙げられます。入通院慰謝料は、交通事故による怪我で生じた、精神的苦痛を補償することが目的です。入通院慰謝料は、1日でも通院した場合は請求できますが、1日も通院していない場合は受け取ることはできません。
入通院慰謝料は、通院日数が少なすぎる場合は減額される可能性があります。また、入院よりも通院のみの方が慰謝料が低くなるケースもあります。通院が、入院と判断された場合は慰謝料が増額されることもあるので、覚えておきましょう。
賠償金②治療費や休業損害
交通事故で顔に怪我をした場合、治療に必要な治療費を請求できます。また、交通事故で顔に怪我を負って仕事ができなくなり、収入が減少した場合は、休業損害の請求も可能です。休業損害の金額は、1日あたりの基礎収入×休業日数で計算できます。
1日あたりの基礎収入は、交通事故前3か月の収入÷90日で計算します。サラリーマンなどの給与所得者の場合、賞与や手当も収入の対象です。
交通事故で後遺障害等級に認定されたときに請求できる賠償金
賠償金①後遺障害慰謝料
交通事故で顔に怪我をした場合、病院で治療する人がほとんどです。しかし、治療を続けたにもかかわらず、完治せずに後遺障害が残ってしまうケースも少なくありません。後遺障害慰謝料は、交通事故で後遺障害が残ったことによる、精神的苦痛に対して支払われます。
後遺障害慰謝料の金額は、認定された後遺障害等級によって異なります。年齢や職業に関係はなく、同じ等級であれば同じ金額が支払われます。
賠償金②逸失利益
逸失利益とは、交通事故がなければ得られたであろう将来の収入のことです。交通事故で死亡したり後遺障害を負ったりした場合、事故の後に労働が全くできなくなったり、労働の一部が制限されたりします。
そうすると、事故がなければ得られるはずだった収入を得られないことになります。その得られるはずだった収入が逸失利益です。出典: law-bright.com
後遺障害が残ることで、今後の仕事に影響を受ける人も少なくありません。モデルなどが交通事故で顔に大きな怪我をした場合、仕事自体が難しくなることもあります。
モデルだけでなく、見た目が収入に直結する職業も、将来的に減収の可能性がある場合は、逸失利益が支払われることがあります。逸失利益は、正規雇用である必要はなく、フリーランスや自営業、契約社員も請求可能です。
しかし、無職の人や生活保護を受けている人に対しては、逸失利益が認められないケースが多くなります。
顔の傷による逸失利益の請求は一定の条件がある
顔の傷による逸失利益の請求には一定の条件があります。交通事故で顔に傷が残った場合でも、手足が動く場合は、労働能力に影響がないと判断されるケースも少なくありません。
交通事故によって顔に傷を負った場合、人目に付く程度以上の傷あとにのみ、逸失利益が支払われるケースが多いです。
交通事故で顔に傷が残った場合に認定される後遺障害の等級
等級①7級12号「外貌に著しい醜状を残すもの」
後遺障害7級12号は、人目につくような大きな傷が顔に残った場合に認定されます。顔の場合、鶏卵以上の外傷や火傷による傷跡、10円硬貨以上のサイズのくぼみができた場合が基準です。
顔だけでなく、首や頭部に手のひら以上の外傷や火傷のあとが残った場合も、後遺障害7級12号に認定される可能性が高くなります。
等級②9級16号「外貌に相当程度の醜状を残すもの」
後遺障害9級16号は、顔に5cm以上の線状の傷が残った場合に認定されます。後遺障害7級12号は、頭部や首に残った傷や火傷も認定基準となりますが、9級16号は顔の傷あとのみが該当です。
等級③12級4号「外貌に醜状を残すもの」
後遺障害12級4号は、顔に小さな傷が残った場合に認定されます。顔に10円玉硬貨以上の傷あと、または、3cm以上の線状の傷がついた場合は、12級4号に該当することが多いです。
比較的小さい傷あっても、12級4号に該当する可能性があるため、覚えておきましょう。12級4号は、顔の傷だけではなく、頭部や首の傷も該当します。
顔に傷が残らない場合でも後遺障害等級は認定される?
顔に傷が残っていない場合も、後遺障害等級に認定される可能性があります。交通事故によって顔面神経麻痺の症状があらわれた場合、傷あとはありませんが、後遺障害12級に認定されることもあります。
また、まぶたや耳殻、花の欠損障害が残った場合も、上位の等級に認定される可能性があることを覚えておきましょう。
2個以上の瘢痕が残った場合は全体を見て判断する
顔に2個以上の瘢痕が残った場合は、全体を見て後遺障害等級に該当するか判断します。ひとつひとつの傷が小さく後遺障害に該当しない場合でも、傷全体が後遺障害として認定される可能性があることを覚えておきましょう。
複数の瘢痕が重なり合っている場合は、顔全体の面積や長さをみて等級の決定を行います。
交通事故で顔に傷が残ったときの後遺障害等級認定の申請方法
申請方法①被害者請求
被害者請求とは、被害者が直接、加害者側の自賠責保険会社に対し、損害額の支払請求を行うことをいいます。
被害者請求と反対の言葉として、「加害者請求」というものがあります。これは、被害者が、加害者側の任意保険会社に損害額の支払を請求し、損害額の支払い後、加害者側の任意保険会社が、自賠責保険会社に、保険金を請求するというものです。出典: www.adire.jp
被害者請求は、交通事故に関するすべての資料を自分で集める必要があります。被害者請求に必要な書類は、治療を受けたすべての病院の診療報酬明細書や診断書、レントゲンやCTの画像記録など、さまざまです。
交通事故に関係する、すべての資料を集める必要があるため、被害者にとってデメリットになります。
後遺障害認定は、書面で審査を行うため、しっかりとした内容が記載されている書類が準備できた場合には認定を受けやすくなるというメリットがあります。
自分で資料を用意するため、被害者の立場で、後遺障害等級の認定が得られるように工夫することも可能です。顔の傷で後遺障害等級認定を申請する場合も、書類の作成方法や傷の計測の仕方によって、認定される等級が異なる可能性も考えられます。
書類を集める手間を軽減したい場合は、弁護士への依頼を検討しても良いでしょう。経験豊富な弁護士に依頼することで、納得のいく後遺障害等級を獲得できる可能性があります。
申請方法②事前認定
申請にかかる手間を大幅に軽減したい人は、事前認定がおすすめです。事前認定は、医師が発行した後遺障害診断書を、加害者側が加入している保険会社に提出するだけで手続きが完了します。
後遺障害診断書以外の必要な資料は、すべて相手側の保険会社が準備してくれます。保険会社は、集めた資料を自賠責保険会社に提出して、手続きを進めていきます。
事前認定は、手間が軽減できるというメリットだけではなく、デメリットもあります。事前認定は加害者側が手続きを行うため、被害者側に立って手続きを進めてくれるわけではありません。
保険会社は、被害者が有利になるような手続きの進め方ではなく、最低限の申請作業を淡々と進めていきます。
後遺障害等級を認定するために面接を行うこともある
後遺障害等級を認定するために、面接が行われるケースもあります。面接では、事前に提出されている書類をもとに、傷の大きさや形状を計測します。
面接で傷の大きさが基準に達していない場合は、後遺障害等級に該当しないと判断されます。後遺障害等級は、それぞれの基準に該当すれば認定を受けられるため、性別による差はありません。
交通事故で顔に傷が残ったら後遺障害等級認定を申請しよう
交通事故で顔に傷が残った場合に請求できる賠償金について、詳しく解説しました。交通事故で顔に傷が残った場合は、後遺障害慰謝料や逸失利益の請求が可能です。
また、顔に傷が残った場合も、後遺障害等級の申請ができます。交通事故で顔に傷が残ったら、後遺障害等級認定の申請を行いましょう。
この記事のライター
M.U
システムエンジニアの経験もあり、パソコンやプログラミングも興味がある、主婦ライターです。 休日は子どもとお出かけをしたり、料理や工作をして楽しんでいます。 さまざまな知識をいかして、多くの情報を発信していきます!
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