冷却水の交換時期はいつ?目安や交換方法・費用について解説!
冷却水の交換時期について解説します。熱くなった車のエンジンを冷やすなどの、冷却水の役割も詳しく説明!交換時期や修理の目安となる点検ポイント、整備工場へ依頼した場合の費用なども、まとめています。自分で行う交換方法も紹介するため、参考にしてください。
冷却水の交換時期や交換方法を解説!
車やバイクのエンジンを正常に作動させるためには、エンジンを冷やし、オーバーヒートさせないことが大切です。そのためには、冷却水が必要であり、適切な時期に補充や交換をしなければなりません。
本記事では、冷却水を交換する理由や役割を解説します。また、交換時期を見極める方法や注意点、費用についても説明します。
冷却水とは?
クーラント液とも呼ばれる冷却水は、どのような役割があるのでしょうか?ここでは、役割と必要性について、説明していきます。
冷却水の役割
冷却水は、エンジンのオーバーヒートを防ぐ、役割を持っています。車の走行距離や使用頻度によって、劣化するペースが異なります。また、液漏れがなくても、エンジンの熱で少しずつ蒸発し、減ることもあるでしょう。
冷却水の劣化や不足の状態になると、ラジエーターとエンジン内に負担がかかり、問題が生じる可能性が高いです。
エンジンの始動中、内部では絶え間なく爆発が起きているため、非常に高温になります。オーバーヒートを防ぐため、車には不凍液のクーラント(ロング・ライフ・クーラント)というものが使われています。クーラントはラジエーターとエンジン内部を循環し、エンジンが高温になり過ぎるのを防ぐ役割を持っています。
出典: www.zurich.co.jp
冷却水を交換する必要性
冷却水はエンジンを冷却することで、少しずつ蒸発していきます。量が減ると、スムーズにエンジンを冷却できません。また、交換時期を逃し、そのままにしておくと、ラジエーターを損傷する可能性があります。
ラジエーターだけでなく、エンジン周りの部品が損傷することもあるでしょう。冷却水の交換だけであれば、費用もかからなかったはずが、高額な修理費用が必要になってしまいます。
冷却水の確認は、定期的に行うことが大切です。不足や漏れが確認された時には、すぐに補充や交換、修理を行いましょう。時期を忘れないだけで、無駄な出費が減らせます。
冷却水は車検の検査対象外
車検時の検査では、冷却水は対象外であるため、整備不良と指摘されることはありません。ただ、依頼先によっては、車の状態を維持するために、簡単に目視でチェックをしてくれます。
量が少なかったり交換が必要な場合は、教えてくれるケースもあります。検査対象ではないからと先延ばしにせず、定期的に交換を行うようにしましょう。
冷却水の交換時期と交換方法
適切な時期に冷却水の交換が必要ですが、どのように判断するのか分からない人もいます。ここでは、時期や方法について説明します。
LCCの交換時期
エンジン内部が高温のままだと、エンジンはオーバーヒートしてしまいます。最悪の場合は、炎上や爆発に繋がる可能性もあります。定期的にチェックをして、交換することが必要です。
販売されている車の大半は、赤や緑色の「LLC(ロング・ライフ・クーラント)」という冷却水が使用されています。
LLCの交換時期の目安は2~3年のため、車検と同時に行うのがおすすめです。交換時期を忘れることもあるため、車検の際に一緒にしておくと良いでしょう。
スーパーLCCの交換時期
冷却水にはLLCの他に、「スーパーLLC」があります。最新の車に使用されることが多く、青やピンク色が主です。また、LLCよりも長く使えることが、特徴になります。LLCとの性能面の違いは、特にありません。
スーパーLLCの交換時期の目安は7年で、走行距離は16万キロです。一度も冷却水の補充や交換を行うことなく、車を乗り換えるということも、珍しくありません。
LLCを使用した車に、スーパーLLCを入れたいという人もいるでしょう。しかし、完全交換をしないと意味がなく、本来のスーパーLLCよりも短くなるため、メリットがありません。高価なスーパーLLCの費用だけがかかり、無駄になる可能性が高いです。
冷却水の交換方法
- 冷却水・軍手・水道水・計量のできる容器、交換に必要なものを準備する
- ラジエーターの下部にあるドレンコック(ドレンプラグ)から冷却水を出す
- 冷却水を排出し、ドレンコックを締めて、ラジエーターに水道水を注入する
- 注入後、エンジンを作動させ、冷却系炉内のすすぎをする
- 5分ほどエンジンを動かし、その後水道水を排出する工程を数回繰り返す
- 水道水に汚れがなくなったら、冷却水(原液)と水道水を補充する
- 補充後、キャップを開けたままエンジンをかけ、エア抜きをして完了
上記は、冷却水を交換する手順です。4の手順の際は、ヒーターコア内にも冷却水が流れているため、必ずヒーターを作動させておきましょう。
また、手順7のエア抜きは、必ず行なってください。なぜなら、空気が混ざったままだと、冷却効果が低下するからです。エア抜きの目安は、水位に変化が見られなくなれば完了になります。
冷却水を交換する際の注意点
冷却水は原液を購入し、水道水で適切な比重にして使用します。冷却水の容器に使い方が記載されているため、確認しましょう。
交換をする時は、リザーバータンク(補助タンク)も一緒に、洗浄するようにしてください。リザーバータンクは、取り外しが難しい場所に、留め具でしっかりと設置されていますが、外して洗浄を行えます。元に戻す時も、緩まないようにします。
また、気をつける点は、冷却水の色です。メーカーや車種によって、使用する色が異なります。前回と異なる色を使っても、問題はありません。
スーパーLLCとLLCを混ぜたり、色の異なる冷却水を混ぜて使うことは、おすすめしません。なぜなら、色の違うものを合わせると、交換時期の判定がしにくいからです。
冷却水の交換が必要か点検する方法
冷却水を交換をする時期は、正しく判断する必要があります。交換する必要があるのか、点検する方法やポイントを解説します。
点検方法①水温計をチェック
冷却水は、高温になったエンジンを、冷却するために使用されます。漏れや故障がなくても減ってしまうため、定期的に冷却水のチェックが必要です。チェックの方法は、水温計で温度の確認をすることで、減少や故障などをいち早く発見することができます。
水温計は運転席前にある、スピードメーターなどの計器と同じ場所に、設置されています。ちなみに、数字などの表示はありません。メーターが平均(真ん中)ではない時は、問題が発生している可能性があります。
点検方法②水温警告灯をチェック
水温計のチェックを怠った場合、警告灯が点くことがあります。冷却水がエンジンの熱を正常に吸収できず、エンジンが高温になっているケースが多いです。
状態によっては、早急に対処しないとエンジンが故障して、高額の修理費がかかることもあります。警告灯が点いたときに、しっかりと対処できれば、エンジンへのダメージを軽減できるでしょう。
点検方法③リザーバータンクを確認
冷却水の量を確認するには、エンジンルーム内にある「リザーバータンク」を確認してください。半透明の樹脂製タンクに目盛りがあり、「FULL|LOW」や「MAX|MIN」などと示されています。
液面がFULLとLOW(MAXとMIN)の間にあれば、冷却水の問題はありません。下限付近に近い時は、補充を行いましょう。補充する際は冷却水の色を確認し、同じ色のものを補充してください。
リザーバータンクは見えにくい場合にありますが、目盛りは目視で確認できます。分からない時は、修理工場や車に詳しい人に確認してもらいましょう。
冷却水の交換費用の目安
整備をされた安全な車に乗るためには、定期的な冷却水の交換が必要です。ここでは、費用の目安を、ケースごとに紹介します。
費用の目安①冷却水だけを交換した場合
冷却水のみの交換の場合は、車の種類にもよりますが、約5,000円が相場です。自分で換えることも可能で、費用を安く抑えることができます。
しかし、自分で換える場合は、冷却水の処理などが大変です。整備工場に依頼した場合は、2,000~3,000円ほどで済み、手間も省けて楽にできます。
費用の目安②冷却水漏れで修理した場合
本体の修理費用 | 約1~3万円 |
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本体の交換費用 | 約5~10万円 |
ホースの交換費用 | 約1~3万円 |
ヒーターホースの交換費用 | 約1~3万円 |
ウォーターポンプの交換費用 | 約1~3万円 |
上の表は、すべての工賃込みの費用です。ラジエーター本体以外は、修理ではなく、交換が基本となります。
エンジン周りは、さまざまなパーツがあります。ラジエーター以外の修理や交換も必要な場合があるので、相場価格として覚えておきましょう。冷却水漏れの可能性がある場合は、自分で修理を行わず、必ず修理工場へ依頼をしてください。
冷却水の交換時期を覚えておこう
冷却水は、高温になったエンジンの冷却に必要なものです。冷却水を交換する理由や役割、時期を知ることで、適切な対応を行うことができます。
時期を逃すと、車の故障に繋がり、返って修理費用がかかってしまいます。大切な車を長く乗るためにも、定期的に確認をしましょう。交換した古い冷却水は、産業廃棄物に分類されるため、処分する際は注意してください。
この記事のライター
サトミオリ
自分の経験も基に、お悩みを解決できるお手伝いをさせていただきます。
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