交通事故の調査会社とは?保険会社が依頼する理由や対応策についても

交通事故の調査会社の役割や、調査内容について詳しく解説します。警察ではなく民間企業の調査会社に、保険会社が依頼する理由もまとめています。交通事故の調査会社が出した、過失割合などの結果に納得できない場合の対応策も紹介しているため、参考にしてください。

目次

  1. 交通事故の調査会社の立場や調査の対応策について解説!
  2. 交通事故の調査会社の役割と調査内容
  3. 交通事故の調査会社に保険会社が依頼する理由
  4. 交通事故の調査会社への対応策
  5. 交通事故の調査会社の調査結果に納得できない場合の対応
  6. 交通事故の調査会社の調査には被害者も協力が必要

交通事故の調査会社の立場や調査の対応策について解説!

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交通事故に遭った際、相手の保険会社が第三者に依頼して事故の調査を行うという、連絡が入ることがあります。第三者機関である調査会社が出てくることで、不安に感じる人も少なくありません。

本記事では、交通事故の調査会社の役割や、保険会社が調査を依頼する理由を解説します。調査結果に納得できない場合の対処法も紹介しているため、参考にしてください。

交通事故の調査会社の役割と調査内容

交通事故の調査会社とは?

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交通事故の調査会社とは、保険会社から依頼を受けて、事故当時の運転手の状態や道路状態を調査する会社です。交通事故に遭遇した際、事故の被害者が加入している保険会社と、慰謝料や治療費について交渉します。

場合によっては、事故の詳細を確認するために、第三者機関である調査会社が入ることがあるでしょう。すべての事故に調査会社が入るわけではなく、保険会社が依頼した時のみ、調査が行われます。

調査会社は警察ではなく民間企業

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交通事故の調査会社は、警察ではなく民間企業です。調査と聞くと、専門家や警察が行うと想像する人も、少なくありません。しかし、調査は警察ではなく、調査会社に所属している調査員が行うことがほとんどです。

もちろん、交通事故の調査に慣れており、専門的な知識を持っている調査員もいます。しかし、必ずしも、調査員全員が交通事故に詳しいわけではありません

調査会社の立場

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調査会社と保険会社は、まったくの別組織であり、被害者と加害者の中立的な立場ではありません。調査会社は、事故の原因を客観的に追求する機関と、考える人も多いようです。

しかし、調査会社は保険会社から依頼を受け、報酬を受け取っています。そのため、中立的な立場ではないことを覚えておきましょう。

また、保険会社からの出資を受けて、設立されている調査会社もあります。基本的には、出資を受けている保険会社の立場であるため、加害者側の立場と考えて良いでしょう。

加害者側が加入する保険会社と同じ立場であるため、被害者側に有利な証拠を積極的に集めてくれることは、期待できません。

調査会社の調査内容と方法

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調査会社は、事故現場で事故の痕跡や信号のサイクルを調査します。同時に現場の写真撮影や、図面の作成も行います。

また、加害者と被害者から事故の聞き取り調査を行いますが、事故現場で確認するわけではありません。調査会社の聞き取り調査は、自宅や喫茶店で面談という形式をとることが多いです。

また、事故の当事者だけでなく、事故処理を担当した警察からも、聞き取り調査を行います。警察への聞き取り調査では、当時の状況や加害者の処分状況を確認します。

交通事故の調査会社に保険会社が依頼する理由

依頼する理由①過失割合を定めるため

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調査会社は、交通事故の過失割合を定めるために、調査に入ることが多いです。保険会社と事故の被害者の、過失割合の主張が食い違うケースも、少なくありません。保険会社は、主張の根拠となる証拠を集めるために、調査会社に依頼しています

交通事故は、事故の当事者双方に何らかの過失(原因)があって起こることがほとんどであり、当事者一方のみに過失があるケースよりも、お互いに何かしらの過失があるケースが多いです。
そこで、当事者双方の過失を数値でわかりやすくあらわしたのが「過失割合」です。過失割合は、9対1、8対2、7対3といった具合に表現されます。

出典: atomfirm.com

依頼する理由②偽装事故か判断するため

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交通事故の保険金を目的に、事故を偽装する当たり屋もいます。当たり屋とは、不当に慰謝料や治療費を請求するために、交通事故を装い車を接触してくる人を指します。

保険会社が当たり屋による偽装事故の疑いを持てば、交通事故の詳しい状況を確認しなければなりません。そのような場合は、調査会社に依頼するケースもあります。

交通事故の調査会社への対応策

対応策①曖昧な回答を避ける

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交通事故から時間が経っていると、事故当時の状況を詳しく覚えていない人もいます。覚えていないことに関しては、覚えていないと正直に伝える必要があります。

曖昧な回答をすると、加害者側に有利な解釈をされる可能性があるでしょう。はっきりとしない回答は、被害者にとって不利になるため、注意が必要です

対応策②調査を拒否しない

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調査会社から調査の協力依頼があった場合は、拒否せずに協力しましょう。調査を拒否すると、事故に対して何かやましいことや知られたくない理由があるのかと、疑われる可能性もあります

また、調査に協力する場合は、質問に対して嘘をつかずに、正直に回答することが大切です。嘘をつくと信憑性がないと判断され、被害者が不利になるため、気を付けてください。

対応策③調査報告書の開示を確認

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調査結果が開示されるかどうかも、交通事故の調査に協力するための、判断基準のひとつです。調査会社は、被害者に調査結果を開示する義務はありません。調査会社は、保険会社に加入している加害者にのみ、調査結果を開示します。

調査結果が開示されない場合は、調査を拒否しても良いでしょう。調査会社によっては、調査に協力すれば結果が開示されることもあるため、協力前に確認してください

対応策④調査結果を安易に信用しない

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調査会社によって提示された調査結果は、交通事故の被害者にとって、不利な情報が記入されることもあるでしょう。調査結果を安易に信用し、示談に応じてしまうと、慰謝料や治療費が減額される可能性も出てきます

調査会社の調査員は専門家ではないため、調査結果がすべて正しいとは限りません。少しでも調査結果に違和感や疑問がある場合は、弁護士や専門家へ相談しましょう。

調査会社の調査を拒否するデメリット

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調査会社による交通事故の調査が行われないと、必要な証拠が集められません。そのため、調査会社の調査を拒否すると、示談交渉が長引くというデメリットが挙げられます

また、調査を拒否すると、保険会社から保険金が支払われなくなる可能性もあります。しかし、調査会社は警察ではなく民間企業のため、調査を拒否しても罰則を受けることはありません。

交通事故の調査会社の調査結果に納得できない場合の対応

対応①弁護士特約を利用する

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交通事故の調査会社の調査結果に納得できない場合は、弁護士へ依頼しましょう。弁護士へ依頼する際に、どのくらいの弁護士費用がかかるのか、心配になる人もいるでしょう。

加入している保険に、弁護士特約が付帯されている場合は、弁護士費用が保険金から支払われます。弁護士特約を利用することで、300万円までの弁護士費用が保険金から支払われるため、自己負担が発生しません

事故当事者の家族が加入している保険に、弁護士特約が付帯されている場合も、利用できる場合があります。また、弁護士特約を利用しても、保険料が上がることはありません。

出典:弁護士特約とは(おとなの自動車保険)

対応②交通事故鑑定人に依頼する

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弁護士だけでなく、交通事故鑑定人に依頼する人も少なくありません。交通事故鑑定人とは、原因が解明されていない交通事故に対して、専門的な知識を述べる人です。

交通事故鑑定人は、交通事故における専門的な知識と経験実績を持ち合わせており、鑑定訓練も受けています。交通事故鑑定人に依頼することで、調査会社が定めた過失割合や結果が、大きく変わるケースも見られます。

交通事故鑑定は、特別な資格がない人でも、交通事故鑑定人になれます。そのため、実績のない人に依頼すると、満足な結果を得られないケースもあるでしょう。

思い通りの調査がしてもらえず、トラブルになることも少なくありません。交通事故鑑定人に依頼する場合は、実績や経験を確認してから依頼してください。

交通事故の調査会社の調査には被害者も協力が必要

交通事故の調査会社からの調査を拒否すると、示談交渉が長引き、保険金が支払われない可能性があります。適正な過失割合を定めるためにも、調査会社からの調査には、被害者の協力が必要です。

調査に協力する際は、曖昧な回答を避けてください。また、調査会社の調査結果に納得できない場合は、弁護士や交通事故鑑定人に依頼しましょう。

この記事のライター

M.U

システムエンジニアの経験もあり、パソコンやプログラミングも興味がある、主婦ライターです。 休日は子どもとお出かけをしたり、料理や工作をして楽しんでいます。 さまざまな知識をいかして、多くの情報を発信していきます!

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