むちうちに湿布は効く?種類別の特徴や効果的な貼り方を解説
むちうちの患部に湿布を貼る効果をまとめました。むちうちになる原因や症状、さまざまな湿布の特徴や使い分けの方法についても説明しています。 また、湿布が効かない場合の対処法と適切な貼り方のポイントも解説しているため、参考にしてみてください。
目次
「むちうちの症状には、どのような湿布を使えば効果的なんだろう?」
「湿布を使ってもむちうちの症状が治らない場合の原因や対処法を知りたい」
このように、むちうちの治療に湿布を使いたい人は、さまざまな疑問を抱いているのではないでしょうか。
本記事では、むちうちで湿布を貼る際の注意点や、効果がない場合の対処法について解説します。湿布の種類による効果の違いや適切な貼り方もまとめているので、参考にしてみてください。
この記事を読むことで、さまざまな湿布の特色が理解でき、むちうちの症状に合わせて使い分けることができるようになるでしょう。
むちうちの治療に、湿布の利用を考えている方や湿布を貼っても効果が見受けられない方は、最後まで読んでみてください。
むちうちの原因と症状
むちうちは、交通事故で首などに強い衝撃を受けた時に現れる症状の総称です。衝撃を受けることで首が鞭のようにしなり、靭帯や筋肉などが損傷している状態のことを指します。
むちうちの主な症状は、首、腕、頭の痛みやコリなどです。首が回らない、手に力が入らない、痺れが出ることもあります。この他にも、重症などの場合には、めまいや吐き気、睡眠障害といった症状が現れる場合もあります。
また、むちうちの症状はある程度時間が経過してから現れることもあるため、特に、衝撃を受けた直後は無理をせずに体調の変化に注意しましょう。
むちうちに湿布は効果的?
湿布は、市販のものなど手軽に購入できるため、多くの人に利用されていると思います。しかし、むちうちの症状に対して、湿布は効果的なのか心配になる人も多いのではないでしょうか。
この点、むちうちの症状のうち、打撲や痛みに対しては、消炎鎮痛作用のある湿布が効果的といわれています。
消炎鎮痛作用とは、炎症を鎮める効果があることを指します。 このような湿布を貼ることで、炎症や痛みが和らぐ可能性があるため、症状がひどいときには使用してみるとよいでしょう。
しかし、湿布の効果が見込めるのは、表面的な炎症のみといわれています。また、湿布の種類によって、貼るべきタイミングが異なるため注意が必要です。
湿布でむちうちが回復しない原因
消炎鎮痛作用のある湿布は、患部の表面的な炎症を和らげられても、その内部の神経などには効果が弱まるとされています。
そのため、湿布を貼っても痛みが回復しない場合は、筋肉の奥の神経を痛めている可能性があります。
湿布は、全ての痛みに効果があるということではありません。痛みを和らげる効果はありますが、むちうちを根本的に治すためには、後に解説する通り、整形外科などへの通院もあわせて行うことが大切です。
湿布の違い
湿布の種類には、効能や色などが異なるさまざまなものがあります。これらには、どのような違いがあるのでしょうか。
ここからは、主に白と茶色の湿布の特徴や効果、おすすめの使用部位について解説します。
白い湿布の特徴
「パップ剤」と呼ばれる白い湿布は、厚みがあり、水分を含んでいる点が特徴です。
湿布の水分が蒸発することによって、患部の熱を下げる冷却効果はありますが、痛みを和らげる効果にはあまり期待できません。
粘着力が弱く、かぶれにくいため、背中や腰のような広範囲で動きが少ない部位への使用がおすすめです。
水分の蒸発が進むと、効果が低下したり、湿布が固くなるため、こまめな交換が必要です。
茶色い湿布の特徴
「プラスター剤」と呼ばれる茶色い湿布には、消炎鎮痛作用が含まれています。
水分はほとんど含まれておらず、薄くてよく伸びるため、剥がれにくい点が特徴です。ただし、剥がすときに皮膚への負担が大きくなり、かぶれやすくなるため注意しましょう。
テープ状のものが多く、高い粘着力があります。そのため、関節などのよく動かす部位への使用がおすすめです。
医療用と市販の湿布の違い
病院などで処方される医療用湿布と薬局などで購入できる市販の湿布には、どのような違いがあるのでしょうか。
ここからは、医療用湿布と市販の湿布の特徴を解説します。
医療用湿布の特徴
医療用湿布の代表的な種類は、「モーラステープ」と「ロキソニンテープ」です。どちらも患部の腫れや痛みを抑え、熱を下げる効果があります。
含まれている成分の作用時間によって、1日に貼る回数が異なります。
1回タイプのものは、8~10時間貼ることによって、成分が皮膚に浸透するため、その後は、湿布を剥がしても24時間程度は効果が持続するでしょう。
2回タイプのものは、4~6時間ほど貼ると、効果は約12時間ほど持続するでしょう。
市販の湿布の特徴
湿布に含まれる鎮痛剤の量によって、取り扱い店や販売量に決まりがあります。そのため、市販の湿布は、医療用湿布と比較すると効果が弱いものが多いです。
なお、近年では、市販でも薬効成分の高い湿布の購入が可能です。
たとえば、薬効成分が高く医師の処方が必要だったロキソニンテープも、今は市販薬として手軽に購入できます。ただし、 商品によって特徴や注意点が異なるため、肌が弱い人や子供に使うときは取扱説明書を確認してから使用しましょう。
温感湿布と冷感湿布の使い分けは?
むちうちで湿布を貼る場合、温かい湿布と冷たい湿布のどちらを使えばよいのか迷う人も多いのではないでしょうか。
ここからは、温感湿布と冷感湿布の特徴や効果的な利用時期について解説します。特徴をしっかりと把握して、むちうちの症状に合わせて使い分けましょう。
温感湿布の特徴
温感湿布には、唐辛子に含まれるカプサイシンが配合されています。カプサイシンの作用で患部を温め、血行をよくしてくれます。
症状が落ち着いてきた慢性期には、温感湿布が効果的です。 ほかにも、お風呂で温まったときに痛みが和らぐ場合は、温感湿布を使用するとよいでしょう。
一方で、温感湿布は薬効作用が強いため、かぶれやすい場合があります。そのため、入浴する30分~1時間前までには剥がし、入浴後も約1時間程度は貼らないようにするとよいでしょう。
冷感湿布の特徴
冷感湿布は、メントールによる作用で、ひんやりとした冷たさを感じます。
炎症が強い急性期は、患部を冷やした方がよいとされているため、冷感湿布がおすすめです。また、患部が熱を持っているときや腫れている場合も冷感湿布を使うとよいでしょう。
湿布の貼り方のコツ
湿布を首に貼る場合は、半分に折って中心からずれた箇所に、ハサミで3cmほど切り込みを入れます。切り込みを入れたらフィルムを剥がし、幅の広い方を上にして、首を巻き込むように貼り付けます。幅の狭い方は肩に向けて、引っ張りながら貼ってください。
それでも剥がれてしまう場合は、医療用のテープで剥がれないように保護するとよいでしょう。就寝時は、特に剥がれやすいため、テープの利用がおすすめです。
また、貼付するときは、患部を清潔にすることも重要です。汗や水分がついていると剥がれやすいため、しっかりタオルで拭きとることが大切です。
なお、湿布は、傷口や粘膜、湿疹がある患部には貼付できません。万が一、かぶれなどの症状が現れた場合は、医師に相談しましょう。
湿布でむちうちの痛みが緩和しない場合
湿布を貼っても痛みが緩和されない場合は、どのように対処すればいいのでしょうか。
自宅でできる対処法や、湿布以外の治療法について解説します。
患部を冷やすまたは温める
患部を冷やしたい場合は、アイシングが効果的です。
アイシングの方法は、ポリ袋などに氷を入れて、患部に当てます。その際、氷に塩をひとつまみ加えることによって、冷却効果の向上が期待できます。
湯船に浸かって痛みが緩和する場合は、患部を温めることが効果的です。
温める際には、ホットタオルを用意して、患部を温めるとよいでしょう。ホットタオルは、電子レンジを利用すると簡単に作ることができます。タオルを十分に濡らしてから絞り、ラップで包み、電子レンジで30秒から60秒ほど加熱する方法によって簡単に準備することができます。
なお、タオルを手で持つことができないほど熱くなる場合があるため、火傷などには注意しましょう。
湿布以外の治療法も検討する
湿布を貼っても症状の回復がみられない場合には、整形外科を受診して症状に適した治療を受けましょう。
むちうちの治療のための通院先は、整形外科のみではなく、整骨院や接骨院、鍼灸院などにも通院し、施術を受けることができます。
また、むちうちの治療には、整形外科と整骨院などを併用することもできます。
整形外科で治療や湿布を処方してもらい、整骨院などで症状に適した施術を受けることで、症状の早期回復を図れるでしょう。
転院を検討する
通院している病院と相性が合わない場合や治療の効果がみられないなどの場合は、転院を検討するとよいでしょう。
転院先の病院では、治療方針が変わる場合があり、転院前よりも満足のいく治療を受けることができ、治療の効果が現れる可能性が高くなります。
ただし、交通事故の治療の場合は、あらかじめ転院することを保険会社に伝えなければなりません。また、現在、通院している病院から紹介状を作成してもらうと、スムーズな転院ができるでしょう。
▼詳しくはこちらにも記載してあります。
むちうちに湿布が効かない場合は治療法の変更も検討しよう
むちうちの症状緩和のために湿布を使うと、一定の効果はありますが、神経を損傷しているなどの重症の場合にはあまり効果が期待できません。
そのため、痛みが緩和しない場合には無理をせず、すみやかに整形外科を受診しましょう。
なお、整形外科の他にも、整骨院や接骨院、鍼灸院でも、むちうちの施術を受けることができ、症状の改善が見込めます。症状に適した治療や施術を受けて、完治を目指しましょう。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
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