交通事故によるむちうちで頭痛になる原因は?後遺症や治療法についても解説
むちうちで頭痛がするのはなぜか、原因や治療法もあわせて詳しく解説します。鎮痛薬と併用できる、効果的な治療法も紹介していきます。また、むちうちによる頭痛が、後遺症と診断された場合の対処法も記載しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
交通事故によるむちうちで頭痛が起こった場合、「どうなってしまうのか」「いつまで続くのか」と不安を感じる方は多いでしょう。事故の状況や症状の程度も人によって異なるので、自分にとって最適な情報を見つけるのも大変です。
今回は、むちうちで頭痛が起こってしまう原因や、後遺症についても詳しく解説していきます。記事をお読みいただくことで、頭痛が起こる原因を理解できることはもちろん、万が一後遺症になった場合の適切な対応も知ることが可能です。
むちうちの治療は明確な終わりも分からず、不安の中で生活を行っていくことになります。むちうちによる頭痛のメカニズムを知り、正しい対処ができるように準備をしましょう。
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交通事故によるむちうちで頭痛が起こる原因とは?
交通事故によるむちうちは首の痛みや吐き気などさまざまな症状を引き起こしますが、頭痛もそのうちの1つです。ここでは、むちうちによる頭痛の原因を解説していきます。
治すためには正しい原因を知ることが重要です。原因を把握した上で、治療に臨みましょう。
この記事では、むちうちの症状や後遺障害の等級認定を受けるためのポイントを解説しています。
首まわりの筋肉の緊張
追突による交通事故などで首に強い衝撃を受けると、首まわりの筋肉が緊張して硬化します。
筋肉が硬直すると、血液の流れが悪くなり、脳への血流が滞ってしまい、結果として頭痛が起こってしまうのです。血流が悪くなることで頭痛が起こるので、事故直後ではなく時間が経ってから頭痛が始まることもあります。
出典: 【 誰でもわかる 】 むち打ち症について|みどり堂整骨院
参照:https://www.midoridou.jp/commentary/whiplash/
出典: 動画で原因と改善方法を知る| 痛みの専門院
首の骨のずれによる神経の圧迫
事故の衝撃で首の骨がずれてしまうと、神経が圧迫されることがあります。首には神経の束が通っているので、神経が圧迫されたり傷ついたりすることで頭痛が発生します。首まわりは脳と密接に関係しているので、事故で首を痛めると頭痛が出る人が多いと考えられます。
出典: 頚椎について|医療法人社団 幸樹会 千歳脳神経外科
頭痛以外にもあるむちうちの症状
むちうちの症状として頭痛がよく挙げられますが、頭痛以外にも、むちうちによる症状は存在します。
また、むちうちの症状は、事故からある程度時間が経過することによって変わる可能性がありますので注意が必要です。ここからは、むちうちの症状や種類について解説していきます。
むちうちの症状①急性期症状
急性期とは、事故から1ヶ月後頃までの時期を指します。
先述の頭痛に加え、首や背中、さらに腕や手などに痛みやしびれが出たりします。他にも頭の重さや倦怠感を感じることもあり、多少の個人差はあるでしょう。詳しくは後述します。
急性期の注意としては、とにかく安静にすることです。医療機関を受診するのはもちろんですが、カラーなどの固定具が必要な場合は必ず使用しましょう。
出典: むちうちについて|すずらん鍼灸接骨院
むちうちの症状②慢性期症状
事故後、約3ヶ月以降が慢性期です。
症状そのものは急性期と同じなのですが、徐々に回復してきているため症状の発生や強さに波があるのが特徴です。痛みやしびれなどが強くなったりやわらいだりすることが長く続くため、精神的にも辛い時期となるでしょう。
急性期に比べると多少の運動は可能ですが、あくまでも医療機関の指示に従いましょう。
出典: むちうちについて|すずらん鍼灸接骨院
むちうちの種類と症状
頸椎捻挫型 | 頭痛、首痛、肩こり、首の運動制限、めまい、吐き気など |
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神経根損傷型 | 頭痛、後頭部のモヤモヤ感、手・指の痛みや痺れなど |
バレー・リュウ症候群型 | 頭痛、めまい、吐き気、耳鳴りなど |
脳脊髄液減少型 | 頭痛、めまい、倦怠感、耳鳴りなど |
脊髄症状型 | 腕や手足の痺れ、歩行障害、膀胱直腸障害など |
上の表は、むちうちの種類とその症状です。むちうちには、大きく分けて5つの種類があります。脊髄型以外の全てに、頭痛の症状が含まれているのが特徴です。
このことから、むちうちと頭痛は大きく関係していることが分かります。特に頸椎捻挫型は、むちうちの中で最も多くみられる損傷型です。
出典: むちうち損傷(外傷性頸部症候群・頚椎捻挫)|浦安サンクリニック
参照:https://www.urayasusunclinic.jp/diagnostic-menu/orthopedics/09muchiuchi.php
出典: 交通事故で最も多い「ムチウチ」の特徴 |ふじさき整骨院 ふじさき鍼灸院
むちうちが原因の頭痛の特徴
むちうちが原因となる頭痛について、特徴を解説していきます。通常の頭痛とは原因が異なるので、特徴をしっかり把握して、少しでも対処しやすくしましょう。
診断が難しくなりやすい
頭痛やめまい、吐き気などの症状だけで、むちうちかどうかを判断するのは難しいといわれています。むちうちの大きな原因となる筋肉や靭帯、神経などの損傷は、外側から見ただけでは分からないからです。
頭痛が治まらない場合は、MRIなどの検査を受けて詳細を調べることをおすすめします。MRIはレントゲンでは分からない、脊髄や椎間板の状態まで調べることが可能です。
頭痛が起こりやすいタイミング
むちうちによる頭痛が起こるタイミングはさまざまで、決まっているわけではありません。ただ、曇りや雨の日、またその前後の日に起こる傾向があります。
天気が悪いときは低気圧になるため、その気圧の変化が原因となるのです。気圧の変化により筋肉や血管が収縮し、血管が圧迫されることによって血流が阻害されてしまいます。血流の悪化により頭痛が起こるのは先述の通りです。
出典: 頭痛と天気にまつわるお話|頭痛専門外来|社会医療法人 愛仁会 千船病院
頭痛が続く期間
むちうちによる頭痛は短い時間で治まることもあれば、一日中続くこともあります。個人差はあるものの、こうした状態が先述した急性期、慢性期を通して随時発生します。
薬や治療で緩和されるのできちんと活用しつつ、ひどい場合は無理をせずに医療機関を受診しましょう。
治療期間や通院回数
治療期間や通院期間は症状の程度により異なります。
ただ先述の通り、むちうちには急性期、慢性期がありますので、頻度を問わず数ヶ月は通院することを想定した方がいいでしょう。症状が重い方の場合、痛みやしびれなどを緩和するために週に数回程度通うこともあり得ます。
むちうちによる頭痛の通院先と治し方
むちうちによる頭痛の通院先について解説します。また、薬だけで回復できるのか、他にはどのような治療法があるのかも解説していきます。
むちうちによる頭痛は何科を受診すべき?
事故後に頭痛がする場合は、何科に行けば良いのか悩むこともあるでしょう。そのような場合は、脳神経外科での受診をおすすめします。外見的に頭部の異常が見られなくても、脳内や頭蓋骨が損傷している可能性があることも考慮しておきましょう。
放置しておくと、脳挫傷や脳脊髄液減少症、脳内出血などの脳疾患を重症化させることになりかねません。そのため、一刻も早く脳神経外科で検査をしてもらいましょう。
整骨院(接骨院)や鍼灸院でも施術できる
脳に損傷がなくむちうちによる頭痛である場合は、整骨院(接骨院)や鍼灸院で施術を受けることも可能です。
整骨院(接骨院)では柔道整復師がマッサージや牽引などの施術を行い、鍼灸院でははり師と灸師によって施術が行われます。ただし、事故後はまず整形外科や脳神経外科で適切な検査を受けるようにしましょう。
ドクター交通事故では整骨院から整形外科の案内、初回の予約まで対応してくれるので一度相談してみてはいかがでしょうか。
むちうちによる頭痛は薬で治る?
むちうちによる頭痛は薬だけで治るのでしょうか。結論からいうと、薬だけでは治りません。処方された鎮痛薬を飲むことで痛みを和らげたり炎症を抑えたりすることはできますが、根本的なむちうちの原因を取り除くことは難しいです。
また、鎮痛薬の効果も約3~6時間ほどで切れることが多いため、薬だけの治療はおすすめできません。薬とその他の治療を併用するのがベストです。
鎮痛薬以外の主な治療法
鎮痛薬を使う以外の主な治療法は、アイシングやマッサージ、針灸や温熱治療があります。アイシングは、患部を冷やして痛みを鎮める治療法です。マッサージは筋肉をほぐし血流を良くすることで、痛みを緩和できます。
針灸は、鍼やお灸でツボを刺激して血行を良くし、痛みを緩和する治療法です。温熱治療は患部を温めることで、痛みの原因物質を散らすことができます。
他にも牽引や電気療法などさまざまな種類があるため、自分の症状にあった治療法を医師に相談して選びましょう。
むちうちによる頭痛の慰謝料
むちうちによる頭痛の慰謝料として、「入通院慰謝料」を請求することが可能です。
「入通院慰謝料」は通院日数や治療の期間によって算定額が変わってきます。また、慰謝料を自賠責基準にした場合と弁護士基準にした場合でも変わってきますので、以下の例を参考にしてください。
入通院慰謝料
以下の例は、通院日数を90日として算定した額となります(入院日数は0日)。また、任意保険基準の場合は会社により査定額が変わるため、記載しておりません。
出典: 交通事故で3ヶ月(90日)通院|慰謝料はいくら?計算方法やむちうちの相場|アトム法律事務所弁護士法人
自賠責基準 | 約38.7万円 |
弁護士基準 | 約53万円 |
治療費が打ち切られるケースとその対処法
治療期間の途中であっても、保険会社が治療費の打ち切りを打診してくることがあります。
治療の状況であったり、平均的な治療期間を過ぎている場合に打診される傾向があり、たとえばむちうちの場合は3ヶ月が目安となることが多いようです。
治療費の延長を求める場合、個人で保険会社と交渉するのは難しい可能性があります。その場合、医師に「治療の継続が必要である」という内容の意見書を書いてもらえるよう相談してみましょう。
また、延長の交渉を弁護士に依頼することも方法の1つです。個人で交渉するよりも有利に進めてもらえるでしょう。
むちうちによる頭痛が後遺症になった場合の慰謝料
交通事故が原因でむちうちになり、治療を継続しても頭痛が治らない場合には、後遺症が残ったと判断される可能性があります。後遺症が残ったときには、後遺障害の等級認定を申請しましょう。等級が認められれば、「後遺障害慰謝料」も請求することができます。
むちうちが該当すると考えられる後遺障害等級には「12級」と「14級」があり、さらに自賠責基準と弁護士基準によって金額が異なります。
出典: 交通事故の後遺症で後遺障害慰謝料を請求!慰謝料の相場と等級認定|アトム法律事務所弁護士法人
14級 | 自賠責基準:32万円 弁護士基準:110万円 |
12級 | 自賠責基準:94万円 弁護士基準:290万円 |
事前認定と被害者請求
後遺障害慰謝料を請求するためには、後遺障害の等級認定を受ける必要があります。
申請方法には、加害者側の保険会社に手続きを任せる事前認定と、被害者側が全ての手続きをする被害者請求があります。
手間はかかりますが、被害者請求では自分で手続きを行うため、十二分に準備したうえで後遺障害の等級認定の申請を行うことができます。
出典: 障害等級の認定基準|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/syogai.html
後遺障害等級認定を申請する際の注意点
後遺障害等級認定を申請するためには、事故と後遺症による症状の因果関係を証明しなければなりません。そのために必要になるのが、医師が作成する診断書です。事故に遭ったら、日にちを置かずに早めに医療機関で受診し、必ず診断書を取得しておきましょう。
むちうちによる頭痛の治療を安心して行うために
むちうちで頭痛が起きるのはなぜなのか、原因や治療法などを詳しく解説しました。事故直後に症状がなくても、後日に症状が発生する場合もあるため、まずは病院でしっかりと検査を受けておく方が安心です。
その際は、診断書の取得を忘れないようにしてください。後遺症になったときは適切な対処をして、後遺障害等級認定の申請を行うようにしましょう。
むちうちによる症状は長く続く可能性もあり、不安も多いかと思います。少しでも安心して治療生活を送れるよう、しっかりと手続きなどを行っていくことをおすすめします。
この記事のライター
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