当て逃げされた時の対処方法は?課せられる罰則や加算点数についても

当て逃げされた時の対処方法をまとめました。駐車場で当て逃げされた場合や目の前で相手が逃げた場合の、状況に応じた対処方法を解説します。また、保険金を使うことができるのか、当て逃げした場合の罰則や加算される違反点数についても、説明しましょう。

目次

  1. 当て逃げされたときの対処方法を解説
  2. 当て逃げとは?
  3. 当て逃げされたときの対処法
  4. 当て逃げしてしまった場合の対応
  5. 当て逃げされたときは泣き寝入りせず対応しよう

当て逃げされたときの対処方法を解説

Daniel Milford Flathagen

当て逃げをされた場合は、すでに加害者の車が走り去っていることが多く、泣き寝入りをする方も多いでしょう。また、逆に気付かないで自分が当て逃げしているケースもあるようです。

本記事では、当て逃げをした際の罰則や違反の加算点数などを解説します。また、当て逃げをされた時の、しかるべき対処方法なども説明するので参考にしてください。

当て逃げとは?

当て逃げとは、どのような行為を指すのかを解説します。また、当て逃げをしてしまった場合の罰則や違反の加算点数についても、説明しましょう。

当て逃げの定義

artistmac

車同士の接触事故や物損事故を起こしてしまった際に、車を止めずにそのまま走り去る行為のことをいいます。事故を起こした時は例えそれが物損事故でも、道路交通法第72条により、運転手は警察へ報告する義務があるのです。

また、二次災害防止のために、事故で散らばった危険物の除去や怪我人の救護などをする必要があります。これらの義務を果たさずにその場所を車両ごと去った場合は、当て逃げを行ったことになります。

出典:道路交通法改正(千葉県警察)

当て逃げに課せられる罰則と加算点数

Pixel-mixer
Image Details: https://selectinsuregroup.com/

当て逃げをした場合は、道路交通法違反を犯したことになるため、罰則を受けます。刑罰の内容は、危険防止等措置義務違反で1年以下の懲役、または10万円以下の罰金です。また、報告義務違反により3ヵ月以下の懲役、または5万円以下の罰金が課せられます。

それだけでなく、物損事故に対する危険防止等措置義務違反点数が5点、安全運転義務違反点数が2点です。したがって、合計7点の違反点数が加算され、30日の免停処分になります。

出典:救護措置義務違反・報告義務違反(弁護士法人中部法律事務所)

当て逃げは物損事故に適用

PublicDomainPictures

他の車をはじめ、塀や建物、ガードレールなどを破損させて、そのまま黙って逃げ去った場合は物損事故の当て逃げが適用されます。

物損事故自体は、逃げずに危険防止を行ってきちんと警察に報告すれば、刑事処分や行政処分を受けることはありません。しかし、その場から立ち去れば、刑事処分および行政処分の対象となってしまいます。

ひき逃げとの違い

Derks24

当て逃げとひき逃げの大きな違いは、当て逃げは物損事故、ひき逃げは人身事故として適用されることです。どちらも黙って立ち去ることは、道路交通法に違反したことになります。

中でもひき逃げは当て逃げより罰則が重く、5年以下の懲役または50万円以下の罰金です。また、ひき逃げされた被害者が死傷した場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金となり、さらに重い罰則が課せられます。

当て逃げされたときの対処法

駐車場などで当て逃げされた場合は、すでに加害者がその場を立ち去っているケースも多いでしょう。当て逃げされた被害者はどうしたら良いのか、状況に応じた対処法を詳しく解説します。

対処法①相手の車の情報を確認する

MSVG

自分の目の前で相手の車にぶつけられ逃走されたときは、慌てずにしっかりと相手の車の情報を記録しましょう。車のナンバーや色、車種、できれば運転手の特徴なども記録しておくと良いです。特に、車のナンバーは逃走車を捜査する重要な手掛かりになります。

また、当て逃げされた直後の現場の状況や破損した箇所などを、携帯電話のカメラで撮影しておくことをおすすめします。後で加害者が見つかったときに、証拠として提出できるからです。

対処法②警察に連絡する

JLaw45

当て逃げをされた場合は損害の大小に関わらず、警察に報告することが重要です。当て逃げという行為自体が、危険防止措置義務違反および報告義務違反という犯罪に該当します。当て逃げした車が見つかるはずがないと、泣き寝入りする必要はありません。

また、警察に報告すると、事故証明書が発行されます。これは後に保険会社に保険金を請求する時に、必要になる書類です。事故証明書は警察に届けを出さないと、発行されないものになります。保険金を使用したい方は、注意しておきましょう。

万が一、当て逃げした相手が警察に出頭してきた場合、届け出をしていないと被害者を見つけることができません。被害者が修理費用を負担するべきものを、自分で負担してしまうことになります。さまざまなことを考慮して、警察への報告はしておくようにしましょう。

不特定多数が出入りする場所の場合

スーパーやレストランなどの駐車場で事故に関わった場合は、道路交通法により警察に届ける義務があります。

駐車場などの不特定多数の場所で起こった事故の報告を怠った場合は、罰則を課せられます。罰則は懲役3ヵ月以下または5万円以下の罰金ですので、充分注意しておきましょう。

私有地の場合

個人所有の駐車場や月極駐車場の場合は私有地とみなされ、道路交通法は適用されません。したがって警察に事故の報告をしなくても、罰則を受けることもないでしょう。警察が当て逃げの捜査をしてくれるかは分かりませんが、連絡だけはしておきましょう。

対処法③ドライブレコーダーの内容を確認

isthatbrock Unsplash

ドライブレコーダーを設置している車の場合は、当て逃げされた様子が映像に記録されていないかを確認します。

映像に残っていれば、誤って上書きされないように気を付けてください。ドライブレコーダーに映ってない場合は、目撃者がいないか周りの人に確認するのも良いです。

また、駐車場で駐車をしていたときに当て逃げされた場合は、その様子も写真に撮っておくことをおすすめします。後で加害者に駐車の仕方が悪かったなどの、難くせをつけられたときの証拠になります。

対処法④駐車場の管理者に連絡

moinzon

駐車場で当て逃げをされた場合は、駐車場の管理者に連絡しましょう。その際に、監視カメラに映像が記録されていないかを、確認してもらうと良いです。

映像が残っていると、当て逃げをした車を捜査する大きなてがかりになります。警察を通す必要があれば、まずは警察へ連絡し対応してもらいましょう。

対処法⑤保険会社に連絡

homajob Unsplash

通常は加害者側が加入している保険会社に賠償請求をして、損傷した車の修理を行います。しかし、当て逃げされた場合は、加害者側の保険会社に請求することができません。

そのような場合は、自分が契約している保険会社から出る保険金によって、修理を行うことになります。当て逃げされたケースによっては、保険金が出ない場合もあるようです。どちらにしろ、当て逃げされた場合は、保険会社に連絡をして相談した方が良いでしょう。

駐車場での当て逃げも損害賠償請求が可能

hongquan7749

当て逃げされた被害者は、加害者に対して修理費などの損害賠償を請求することができます。もちろん、駐車場で起きた当て逃げの場合も同様です。

損害賠償金を支払ってもらうためには、相手側が加入している保険会社と示談交渉をする必要があります。交渉によって賠償金額が大いに変わってくるので、重要なポイントになります。

当て逃げしてしまった場合の対応

当て逃げをした立場になったとき、どうすれば良いのかも認識しておくことが大切です。ここでは、当て逃げして加害者側になってしまった場合の、適切な対応の仕方を解説します。

対応①相手の安全を確認する

RODNAE Productions Pexels

事故を起こした場合は、まず相手がケガをしていないか、安全を確認します。そして、路上に二次災害に繋がるような危険物が散乱していないかを、確認しましょう。

危険物があれば除去し、安全を確保してください。一人で対応できない場合は、周囲の人に協力を求めるのも方法の一つです。

対応②警察に連絡する

cocoparisienne

事故を起こしてしまったら、例え小さな物損事故でも警察に連絡しておくことが大切です。事故直後は被害者に異変が見られなくても、後になって不快な症状が出てくることもあります。そのような時にトラブルにならないためにも、警察への連絡は必要です。

対応③保険会社に連絡する

Karolina Grabowska Pexels

事故直後の状況が落ち着いたら、加入している保険会社へ連絡をします。被害者へ支払う賠償金が保険で補償されるのかを、確認しましょう。

また、先述したように保険金を使うためには、警察に発行してもらう事故証明書が必要になります。そのため、警察へ連絡せずに示談で済ませた場合は、保険金が出ない可能性が大きいので注意しましょう。

当て逃げされたときは泣き寝入りせず対応しよう

skpy

当て逃げされたときの対処法や罰則について、詳しく解説してきました。当て逃げされた場合は、小さな物損事故でも警察へ連絡することが大切です。

ドライブレコーダーや目撃者がいないかなどの、確認もしておきましょう。当て逃げをされても泣き寝入りせずに、本記事を参考にしかるべき対応をしてください。

この記事のライター

宮内直美

最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。

この記事へコメントしてみる

※コメントは承認後に公開されます

交通ルールの人気記事