公務員が交通違反をしたらどうなる?受ける処分をケース別に解説!
公務員が交通違反をしたらどうなるかについて紹介します。公務員として働く人が、交通違反を起こした場合の処分を解説!交通事故や飲酒運転などのケース別で、受ける処分内容をまとめています。また、報告の義務があるかについても解説しているので、参考にしてください。
目次
公務員が交通違反をするとどうなるのかを知っておこう
交通違反をしてしまうと、仕事にも大きな影響が出ます。その中で、公務員は特に交通違反は影響が大きく、処分が重い事例があるのです。
公務員による交通違反をケースごとに処分内容を解説します。飲酒運転や人身事故を起こしてしまった場合、どのような処分を受けるのか参考にしてください。また、勤務中やプライベートごとの対応に関してもまとめているので確認しましょう。
公務員が交通違反や交通事故を起こしたときの処分
処分の種類
交通違反や交通事故を起こしたときに下される、一般的な処分の種類を確認しましょう。最も重い処分は免職処分であり、仕事を失職することになります。そのため、公務員としての身分も失うことになるので注意しましょう。
停職処分の場合は、一定期間職務に就くことができません。また、そのあいだの給与も支給されないので気をつけましょう。ただし、公務員としての身分は維持されたままです。
減給処分は、本来の賃金から一定額を差し引く処分です。決まりとして、1回の減給額が平均賃金の1日分の半額は超えてはいけません。また、数件の懲戒事案の場合は総額の10分の1を超えてはならない規定があります。
戒告処分や訓告処分は、注意を受ける行為で給与などは引かれません。訓告処分は最も軽い処分ですが、交通違反に対して十部に反省を行いましょう。
処分の基準
公務員には国家公務員法による懲戒処分が規定されています。また、地方公務員は地方公務員法によって、独自の規定が定められていますが、基本的には人事院の規定に準じる形です。
このような規定が定められていますが、情状酌量の余地として、過失の程度や事故後の対応が重要視されます。交通違反をして自暴自棄になるのではなく、誠意を持って対応するようにしましょう。
公務員による交通違反のケース別処分内容
ケース①飲酒運転
交通違反のケース別処分内容を確認しましょう。まず、飲酒運転は厳罰化が進んでいます。酒酔い運転や酒気帯び運転では、人身事故の有無に関わらず最高で懲戒免職処分です。
訓告処分などはなく、最低でも減給処分となっており、役職なども変更される可能性があります。もし、退職を選んだとしても退職金の減額もあるので、決してお酒を飲んで運転しないようにしましょう。
ケース②飲酒をした運転手と同乗
運転手がお酒を飲んでいたことを知りながら同乗した場合、免職処分となることがあります。これは、飲酒運転によって人身事故を起こして相手が死亡や重症を負った場合です。飲酒した運転手の車には同乗せず、必ず運転を止めるように注意しましょう。
ケース③重過失による人身事故
公務員が重過失な人身事故を起こし、死亡や重症を負わせると停職処分となります。また、相手が軽症または物損事故で相手方の財産に著しい損害を与えた場合は、減給処分です。
自損のみの交通違反などでは、戒告処分となります。よそ見やスマホを操作していて、人身事故を起こさないようにしましょう。
ケース④重過失以外の人身事故
人身事故を起こしたものの、重過失で無い場合は処分が異なります。相手が死亡した場合は停職処分、重症の場合は減給処分です。また、その他の場合は戒告処分になります。自損のみの場合は訓告処分となりますが、日頃から交通違反に気をつけて事故を起こさないようにしましょう。
ケース⑤速度超過・一時不停止
交通違反になりやすいものとして、速度超過や一時停止違反が挙げられます。公務員がこういった違反を行った場合、懲戒免職処分になることはありません。
たとえば、スピード違反で免許停止や取り消し処分となっても大丈夫です。公務員の場合は、戒告処分などが多くなっています。しかし、厳しい処分を下すこともあり、自治体によっては減給処分にしている事例もあるので注意してください。
ケース⑥ひき逃げ
人身事故を起こし、その場から逃亡した場合はひき逃げに該当します。公務員がひき逃げをしたときは、死亡や重症で免職処分、軽症や物損は停職処分です。公務員としての仕事を失うのはもちろんですが、救護義務違反などにも該当する危険な行為になります。
その後の示談金などにも大きな影響を与える行為なので、絶対にひき逃げをしないようにしましょう。また、救急車を呼び、救護を行うようにしてください。救護のやり方に関しては、電話を受けてセンターが応急処置に関するアドバイスをくれます。
交通違反を起こした際はパニックになりやすいですが、呼吸を整えて出来る限りのことをして、救急車の到着を待ちましょう。こういった対応によって、その後に情状酌量の余地があると判断されることがあります。
ケース⑦当て逃げ
公務員が当て逃げをすると、重過失は停職処分、それ以外は減給処分になります。車を運転しているときに、普段とは違う音がした場合は、何かにぶつかっていないか確認するようにしましょう。
駐車場で後方車両にぶつけてしまったり、ドアを勢いよく空けて隣の車を傷つけてしまったりすることがあります。こういった行為を含め、当て逃げになるような無理な運転は控えて、安全運転に努めてください。
これらの交通違反の中で、懲戒処分に該当するものは各自治体のホームページで公表されます。交通違反に対する市民の目は厳しくなっており、特に飲酒運転のように、自分で防げるような違反行為は絶対にしないようにしましょう。
公務員が交通違反や交通事故を起こしたら報告するべき?
勤務中に交通違反および交通事故を起こした場合
公務員の立場にある人が、交通違反や交通違反を起こした場合は、報告するべきなのでしょうか?報告するべきケースとして、勤務中の交通違反および交通事故が挙げられます。
特に業務中の公用車で交通違反した場合は、上司などに報告しましょう。違反行為をごまかそうとすると、より処分が重くなることがあります。そもそも、事故を起こした場合は損害賠償が発生し、公用車であれば運転手だけでなく、自治体も賠償責任を負うことになるのです。
人身事故はもちろんですが、物損事故の場合も、損害賠償請求が行われます。隠そうと思っても隠せることではないので、すぐに上司などに報告してください。スピード違反などの場合は損害賠償請求を受けませんが、こちらも隠すのは難しいです。
警察に事情聴取されている現場を住民に目撃され、そのことでクレームを入れられることもあります。また、テレビなどで報道されることもあるため、いずれにしても上司には事情を説明しておきましょう。
プライベート中に交通違反および交通事故を起こした場合
公務員として職務中ではなく、プライベートで交通違反を起こすこともあります。こういったプライベートの交通違反は、報告するほうが良いでしょう。
その理由は、公務員として自治体などの指針や規定で、報告義務を科されていることが多いからです。住民の目が厳しくなったこともありますが、重大な事故や交通違反は、プライベート中のものでも報告するようにしましょう。
また、自分が所属している自治体の指針や規定を確認し、プライベートに関する出来事で、報告義務があるものを確認することをおすすめします。
赤切符あるいは青切符を切られた場合
交通違反は、赤切符と青切符が存在します。赤切符は重大な交通違反を起こし、刑事処分を受けるものです。酒気帯び運転などが該当し、反則金の支払いではなく、罰金と前科がつきます。
青切符は軽度な交通違反で、行政処分を受けるものです。駐車違反や軽度のスピード違反、一時停止違反などが該当します。赤切符や青切符に限らず、公用車では報告しましょう。プライベートであれば、免許停止や取り消し処分であれば報告するべきです。
公務員の交通違反には重い処分が科せられる場合もある
公務員が交通違反を起こした場合について解説しました。通常よりも重い処分になる可能性があり、失職する事例も多く存在しています。公務員は国民のお手本となるような存在だけに、交通違反を起こさないことが重要です。
そして、もし交通違反を起こしてしまっても、誠意を持って対処し、決して逃げたり誤魔化したりしないようにしましょう。
この記事のライター
浅倉恭介
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