スピード違反で前科がつく?超過距離別処分の内容と消せるかどうかも
スピード違反によって前科がつくかどうかについて解説します。超過距離による処分の内容や前科が消えるかについても詳しく説明!スピード違反で前科や裁判になるケースも紹介しますので、もしもスピード違反をしてしまったときの参考にしてください。
目次
スピード違反での前科について詳しく解説
スピード違反とは、法定速度を超過した速度で運転をすることです。一般的にスピード違反というと「違反切符を切られて罰金を支払う」というイメージが強い交通違反でしょう。しかしスピード違反も内容によっては前科や前歴が付くケースがあります。
どの様なケースで刑事罰になるかを知り、できるだけ前科や前歴が付かないように適切に対処するようにしましょう。
スピード違反で前科がつく?
前科の定義と前歴との違い
犯罪を犯して逮捕されると、前科や前歴が付きますが、それぞれの言葉の定義は裁判が行われるかによって違います。
前科とは検察官によって起訴された後、裁判で有罪判決を受けた場合につく犯罪歴です。懲役刑だけでなく、スピード違反に多い罰金刑であっても、有罪判決を受ければ前科がつくことになります。なお起訴されても無罪であった場合は、逮捕歴だけです。
検察官が起訴をせず不起訴処分になった場合は裁判が行われないため、前歴という犯罪歴がつくことになります。
交通違反でも前科がつくケースがある
前述のようにスピード違反などの交通違反でも検察官によって起訴され、有罪判決を受けた場合は犯罪になるため前科がつくことになります。
道路交通法という法律を守っていないため、交通違反もれっきとした法律違反になります。しかし、スピード違反で超過速度が少ない場合や悪質でない駐車違反などの場合は交通違反通告制度により反則金を支払えば刑罰を受けずにすみます。
しかし、超過速度が30kmを超えるスピード違反の多くは簡易裁判所で略式裁判が行われ、罰金刑が課されます。この場合は裁判が行われるので前科が付くことになるでしょう。
また超過速度が30km以下のスピード違反であっても反則金を支払わなかったり、違反を繰り返した場合は前科が付くことがあります。そのため、反則金の支払いはしっかり行いましょう。
スピード違反で前科がついてしまうケースは?
スピード違反での前科のケース
交通違反に対しては、交通違反通告制度により裁判が免除されるケースがあります。スピード違反の場合、一般道では30km未満、高速道路では40km未満の速度超過の場合は反則金を支払えば裁判を免除されます。
法律上、30km以上の速度超過の場合は裁判が行われ、6か月以下の懲役または10万円の罰金の刑罰が課されます。しかし、違反による人身事故が起こっていない場合、飲酒運転でない場合や前科がない場合は逮捕されないケースもあります。
また、逮捕されても操作に協力的で違反を素直に認めた場合は不起訴となり、前科はつかず前歴のみとなる場合が多いでしょう。ただし、80km以上の速度超過や前科がある場合は不起訴は難しいです。
スピード違反の処分内容
スピード違反はその超過速度により違反点数や反則金、刑罰が異なります。一般道の場合、1~14kmオーバーで違反点数1点反則金9000円、15~19kmオーバーで違反点数1点反則金12000円、20~24kmオーバーで違反点数2点反則金15000円です。
25~29kmオーバーでは違反点数3点反則金18000円となり、ここまでは反則金を支払えば裁判は免除されるので前科はつきません。
しかし30~50kmオーバーでは違反点数が6点となり、6か月以下の懲役または10万円の罰金という刑事処分が下されます。また、違反点数6点は免停30日の対象です。
さらに50kmオーバーを超えると違反点数は12点となり免停90日となります。前歴があった場合は取消1年になってしまうので注意しましょう。
交通違反で裁判になるケース
先述のようにいわゆる青切符と呼ばれる比較的軽い交通違反は「交通反則通告制度」により反則金を支払えば裁判を免れることができます。
しかし、青切符であっても反則金を期日までに支払わなかったり、違反を素直に認めず警察の捜査に協力しなかった場合は、起訴され裁判に発展するケースがあります。判決次第では前科が付くこともあるでしょう。
また、前科がある場合や違反を繰り返した場合にも起訴され裁判をすることがあります。交通違反を犯した場合は、警察に従い二度と繰り返さないように注意しましょう。
スピード違反の前科は消すことができる?
一般的な前科と前歴は消せない
一般的に、一度ついた犯罪歴が消えることはありません。しかし犯罪歴はあくまで警察や検察の今後の捜査や再犯防止のために警察や検察、本籍地の市町村で保管しているもので、公に公開されることないでしょう。
また、市町村での犯罪歴の保管は刑の言い渡しの効力が消滅すると消えることになります。そのため、日常生活に大きな影響を及ぼすことはないと言えるでしょう。
交通違反の前歴は点数として残る
交通違反をした場合、不起訴になった場合も交通違反点数は残ります。ただし、交通違反点数制度は、過去3年間の累積点数によって行政処分が行われ、3年経てば点数が消える仕組みです。それに伴い、前歴も消えることになります。
また、最後の違反から数えて1年以上無事故無違反の場合は、過去の前歴回数や累積点数も消えるのでゼロになります。ただし、1年以上の無事故無違反であっても違反の事実が残るのでゴールド免許を取得することはできません。
このように、交通違反の場合は前歴は消える措置がとられています。しかし、再度違反をすると再び前歴がつくので、交通違反もできるだけ犯さないようにしましょう。
交通違反の前科は5年で消える
交通違反の前科の規定は一般の前科とは異なります。まず。交通違反の前科の場合は、本籍地の市町村での保管はありません。また、警察や検察での保管も罰金刑は5年、禁固刑は10年が経過すると効力を失います。つまり、5年または10年で消えるということです。
ただし、それぞれの期間内に罰金以上の刑を受けないことが条件となります。また、期間内に重大な交通違反を犯さないことも必要です。
スピード違反は前科になる場合があるので注意しよう
スピード違反は交通違反なので反則金を払えば済むだろうと考えがちですが、超過速度によっては刑罰になることがある重大な法律違反です。前科は消えるとはいえ、他の交通違反を起こすとその期間は延長されるので注意が必要となります。
日頃からスピード違反のような交通違反も犯罪の一つであるという自覚を持ち、車を運転することが重要でしょう。
この記事のライター
nishizawa
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