自転車とバイクの交通事故の過失割合は?慰謝料についても解説!
自転車とバイクの交通事故について紹介します。交通事故が発生した場合の過失割合について詳しく解説!自転車とバイクの事故は状況によって過失割合が異なるので、ケースごとに紹介をしていきます。慰謝料についても詳しい説明を行いますので、チェックしてください。
目次
自転車とバイクの交通事故の過失割合を知っておこう
交通事故の当事者は車や人ばかりではありません。自転車とバイクの事故ということもあります。どちらも2輪の車両ですが、どちらも異なる種類です。過失割合なども、それぞれ同じ種類の車両同士の事故ケースとは異なっています。
自転車とバイクの事故について、過失割合の傾向と慰謝料について説明していきます。状況によって異なる過失割合になるので、もしもの時のために覚えておくと良いでしょう。
自転車とバイクの事故による過失割合の傾向
自転車とバイクの事故、どちらも2輪車同士になりますが、事故内容によっては過失割合が大きく異なります。過失割合とその傾向について説明していきます。
過失割合とは
相手のある交通事故を起こした際に、当事者同士どちらにどのくらいの責任があるかを数字で表したものが過失割合になります。
過失割合は、警察が提示するものではなく、保険会社が事故内容を調べて、これまでの判例を参考に過失割合を出します。交通事故鑑定人が事故の詳細を調べ、保険会社に提出をします。
自転車の過失割合が少なくなりやすい
一般的には、自転車とバイクの交通事故の場合、過失割合は自転車の方が軽くなりやすい傾向です。自転車の方がバイクに比べて、死傷する危険が大きいことが理由になります。
これは、自転車が一般的なスピード(自転車のスピードは時速15kmほど)で走行していた場合です。スピードの出やすい自転車などに乗っている場合には、考慮がされない場合もあります。
自転車を押して歩いていた場合には、歩行者と判断され、過失がより軽くなります。状況に応じて過失割合は変化しますが、自転車は過失割合が軽くなると認識しておくと良いでしょう。
自転車とバイクの事故の過失割合は状況によって変更される
事故の過失割合は、状況によって大きく異なり変更されます。誤った情報などで過失割合が違ってくることになるので、当事者となった場合には正しい情報を噓偽りなく伝えることが必要です。
自転車とバイクの事故による過失割合【信号機のある交差点】
自転車とバイクの事故による過失割合について、解説していきます。信号機のある交差点での事故であっても、さまざまなシチュエーションが考えられます。
信号機ありのケース①直進車同士または出合い頭
信号機の色 | 過失割合 |
---|---|
自転車側が青、バイク側が赤 | 自転車0:バイク100 |
自転車側が赤、バイク側が青 | 自転車80:バイク20 |
自転車側が黄、バイク側が赤 | 自転車10:バイク側90 |
双方とも赤 | 自転車30:バイク70 |
先にも説明していますが、自転車とバイクの事故の場合は、自転車の過失割合が低くなります。すべてのケースがこのようになるとは限りません。
自転車が信号無視しているケースなどでは、過失割合が高くなり、一時停止義務違反などの場合にも同様です。
過失割合には、修正要素があります。基本の過失割合で算定することになりますが、ケースごとによって、過失割合を修正することが必要です。
信号機ありのケース②直進車と右折車
事故態様と信号機の色 | 過失割合 |
---|---|
自転車が右折、バイクが直進 | |
双方とも青 | 自転車50:バイク50 |
バイクが黄、自転車が青で侵入して黄で右折 | 自転車20:バイク側80 |
双方とも赤で侵入 | 自転車30:バイク70 |
信号の状態とどちらが侵入するかによっても、過失割合は大きく変わります。自転車が赤信号で侵入した場合の事故の場合には、どのような事故態様であっても過失割合が高いです。
信号機ありのケース③自転車直進とバイク右折予定
事故態様と信号機の色 | 過失割合 |
---|---|
自転車が直進、バイクが右折 | |
双方とも青で侵入 | 自転車10:バイク90 |
自転車が黄、バイクが青で侵入し黄で右折 | 自転車40:バイク60 |
自転車が赤、バイクが青矢印の右折可の信号によって右折 | 自転車80:バイク20 |
双方とも赤 | 自転車30:バイク70 |
バイクがどの状態で右折をしているかによって、過失割合が変わります。自転車が赤信号でバイクが青矢印での右折可の信号で右折した場合の事故の場合は、自転車の過失割合が高く80になります。
自転車側に著しい過失などがあると加算修正されます。逆にバイクに重過失があると認められると、10%ほど過失割合が減算されることになるでしょう。
自転車とバイクの事故による過失割合【信号機のない交差点】
信号機のない交差点などは、道幅などによて、過失割合が変わります。一時停止の規制がある交差点などでの事故の場合には、どちらかが一時停止の無視などがあると過失割合が異なります。
信号機なしのケース①直進車同士または出合い頭
交通事故の詳細 | 過失割合 |
---|---|
同じ道幅でお互い直進している | 自転車20:バイク80 |
お互いに直進していて自転車の道幅が広い | 自転車10:バイク90 |
お互いに直進していてバイクの道幅が広い | 自転車30:バイク70 |
お互いに直進、バイク側にのみ一時停止の規制がある | 自転車10:バイク90 |
お互いに直進、自転車側にのみ一時停止の規制がある | 自転車40:バイク60 |
信号機のない交差点の場合には、道路の状況や自転車の進行方向などによって過失が修正される場合が多いです。
道幅の違い、一時停止の無視などがあった場合いは過失割合が大きくなります。一時停止の規制はバイクだけではなく、自転車も守る必要があります。自転車は軽車両なので、一時停止の規制を無視すると違反になってしまうので気をつけましょう。
信号機なしのケース②直進車と右折車
交通事故の詳細 | 過失割合 |
---|---|
自転車が直進、バイクが右折 | 自転車10:バイク90 |
自転車が右折、バイクが直進 | 自転車30:バイク70 |
こちらも、自転車側に著しい過失が見られる場合には、過失割合が加算修正され、最大10%ほど上がります。自転車の運転者が子どもや高齢者の場合や、バイク側に過失が認められると、自転車の過失割合が最大で10%減算されるでしょう。
信号機なしのケース③自転車直進とバイク右折予定
交通事故の詳細 | 過失割合 |
---|---|
自転車直進、バイク右折予定 | 自転車15:バイク85 |
著しい過失が自転車側に見られない限りは、バイクの過失割合が高いです。 自転車側に著しい過失が見られる場合には、過失割合が加算修正され、最大10%ほど上がります。
自転車の運転者が子どもや高齢者の場合や、バイク側に過失が認められると、自転車の過失割合が最大で10%減算がされます。
バイク事故に関する慰謝料の算定方法
自転車とバイクの事故で加害者がケガなどをしてしまうと、慰謝料を請求することが可能です。慰謝料とはいったいどのように算定されるのでしょうか?
相手がバイクと車では慰謝料が異なる?
自転車とバイクの事故の場合、自転車と自動車の事故のように慰謝料を請求できないと思う人もいます。実際には加害者が自転車であろうと、バイクであっても請求することができます。バイクの排気量も関係なく、休業補償や慰謝料を請求できるのです。
自転車とバイクの事故は自動車との事故とは異なり、ケガの箇所や程度も違うので自動車との事故のように慰謝料を請求できないかもしれません。自転車とバイクの事故の慰謝料の算定方法を紹介します。
算定方法①任意保険基準
慰謝料の算定基準は3つあり、その中の1つが「任意保険基準」になります。示談交渉で相手方任意保険会社が提示してくる慰謝料額の算定基準です。
任意保険基準で提示される慰謝料の金額は、被害者が本来もらうべき金額よりも低いことがほとんどです。保険会社が不利益を被らないように低く設定されているため、そのまま受け入れることはしない方がよいでしょう。示談交渉などを行いようにして、増額を求めることは問題ありません。
算定方法②弁護士基準
弁護士基準とは、弁護士や裁判所が慰謝料の金額を算定する時に使われる算定基準です。これまでの判例などを基にして、慰謝料の金額が提示されます。
同様の事故で支払われた慰謝料の額を基にしているので、任意保険基準よりも高く、事故被害者が受け取るべき金額の基準となるでしょう。
弁護士基準と呼ばれているため、本来は弁護士を用いて裁判を行った際に得られるものです。しかし、実際には弁護士に示談交渉を依頼しても、同様に弁護士基準で慰謝料を請求することが可能です。
算定方法③自賠責基準
自賠責基準とは、自賠責保険からの補償を基準とした算定方法です。事故被害者への最低限の補償を目的としているため、自賠責基準の金額は最低限のものとなっています。
自賠責保険はすべての自動車に加入義務があり、事故被害者は最低でも自賠責保険から慰謝料が支払われる仕組みです。加入義務がある保険なので、補償額は最低金額になっています。自賠責保険には上限額があり、上限額を超えると任意保険から支払われます。
自転車とバイクの交通事故ではバイクの過失が多い傾向にある
自転車とバイクの事故の過失割合と慰謝料について、解説しました。このような事故のほとんどがバイクに過失が多いと判断されてしまいます。事故内容によっては自転車に過失割合が多くつくこともありますが、バイクよりも超えることは少ないです。
慰謝料も自動車との事故とは異なり、自動車事故の慰謝料額と同様の額を求めることが難しいかもしれません。
必要以上に慰謝料を支払ったり、基準以下の慰謝料しか支払われないということがないように、過失割合を覚えて示談交渉を行いましょう。
この記事のライター
サトミオリ
自分の経験も基に、お悩みを解決できるお手伝いをさせていただきます。
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