むちうちの治療について知ろう!注意点や請求できる賠償金についても解説
むちうちの治療を受けられる通院先や、検査・治療法などを解説します。 むちうちで治療を受けるときの注意点や、請求できる賠償金についても解説しています。むちうちについて、わからないことがある時は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
目次
「むちうちになったけれど、何科の病院に行けばいいの?」
「むちうちでは、どんな治療を受けるといいの?」
むちうちになったとき、どこに通院すればよいのか、どんな治療をするのかわからず、不安になることがあるのではないでしょうか。
この記事では、むちうちの種類や症状、治療・施術を受けられる通院先、治療内容などについて紹介します。また、治療中の注意点や、むちうちになった際に請求できる賠償金についてもあわせて紹介しています。
この記事を読むことで、適切にむちうちの治療を受けられるようになるでしょう。むちうちになってしまった方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
むちうちの種類と症状
むちうちとは、交通事故の強い衝撃により、首がムチを打つように振れることで起こる症状の総称です。そのため、むちうちと言うと、首周辺の怪我というイメージがありますが、実はむちうちには、5つの種類があります。
ここでは、むちうちの5つの種類と、それぞれの症状について解説します。もし、交通事故後にこれらの症状が現れた場合は、むちうちの可能性があるでしょう。
そのため、事故直後に痛みや目立った外傷が無くても病院に行くことがとても重要です。すぐに病院の整形外科を受診するようにしましょう。
頸椎捻挫型
むちうちと診断された場合、多くの場合が、「頸椎捻挫型(けいついねんざがた)」と診断される可能性があります。
頸椎捻挫型のむちうちの症状は、首の痛みや首・背中の凝り、痺れ、首の可動域制限などです。主に、首周囲に症状が出ることが、頸椎捻挫型の特徴です。
出典・参照:むちうち症について | 東野整形外科医院
バレ・リュー症候群型
「バレ・リュー症候群型」は、交通事故の衝撃により交感神経、および副交感神経からなる自律神経の損傷によって起こるとされています。また、事故による心因性のストレスが要因になることもあるでしょう。
バレ・リュー症候群では、自律神経の機能障害が起こる可能性があるため、首の痛みに加えて、めまいや耳鳴り、頭痛、吐き気、記憶障害、倦怠感、動悸なども起こる場合があります。
神経根症状型
「神経根症状型(しんけいこんしょうじょうがた)」は、交通事故の衝撃により、頸椎の並びにゆがみが生じ、頸椎の中を通る神経根が圧迫されることで起こる症状です。
神経根症状型の主な症状は、首の痛みや肩から腕にかけての痛み、痺れ、脱力、知覚障害などの症状が現れます。
むちうちの中でも、神経根症状型は痛みが出やすく、特に、せきやくしゃみ、首を動かそうとしたときに痛みが強く出るという特徴も持っています。
脊髄症状型
「脊髄症状(脊髄損傷)型」は、脊髄を損傷することでさまざまな症状が現れる場合があります。
脊髄症状型の主な症状は、腕・足の痛みやしびれに加えて、運動障害や排尿障害になる可能性もあります。
脊髄という身体にとって重要な組織が損傷を受けるため、むちうちの中でも重症になりやすいことが特徴です。
脳脊髄液減少症型
「脳脊髄液減少症型(のうせきずいえきげんしょうしょうがた)」とは、交通事故の衝撃を受け、脳髄液が漏れ出したことによって起こる症状です。
主な症状としては、頭痛が起こりやすいことや首の痛み、めまい、耳鳴り、倦怠感などです。
特に、起立時に激しい頭痛に襲われることもあるため、安静にすることが大切でしょう。
出典・参照:むちうち症について | 東野整形外科医院
むちうちは急性期と慢性期に分けられる
むちうちには、「急性期」と「慢性期」という時期があります。それぞれの時期により、症状や治療法が異なるため注意が必要です。通院時に自分の症状を明確に伝え、医師のアドバイスを受けながら治療を進めてください。
交通事故から約1ヶ月の期間は急性期とされており、患部が炎症することがあります。急性期では、特に安静にすることが重要です。また、痛みを抑える痛み止めの処方を受けたり、アイシングすることで炎症や痛みを緩和できますので、受けてみるとよいでしょう。
慢性期は、交通事故から約1ヶ月以降の時期と言われています。炎症は落ち着いてきますから、慢性化した症状の改善を目的に、温熱療法や運動療法などが行われるでしょう。
むちうちの治療・施術はどこで受ける?
追突事故などが原因で発症したむちうちの治療を受ける場合、どこに通院すればよいのか、また、治療や施術内容を知りたいと思う方は、多いのではないでしょうか。
そこでここでは、むちうちの通院先や、治療内容について解説します。むちうちを軽い怪我だと考えずに、治療の重要性を確認してください。そして、適切な治療を受けて、少しでも早く痛みから解放されましょう。
整形外科
交通事故に遭ったら、すぐに病院で治療を受けてください。
病院を受診するときには、整形外科に行きましょう。病院では、むちうちで必要な検査や治療といった医療行為を受けられます。
また、むちうちになった場合は、整形外科の医師に診断書を書いてもらうことも重要です。警察に人身事故として届出る際に必要ですし、相手側の保険会社に賠償金を請求するときに提出しなければならないためです。
交通事故でむちうちになったと思ったら、まずは病院の整形外科を受診すると覚えておきましょう。
整骨院や接骨院
整骨院や接骨院では、ストレッチ、筋力トレーニング、リハビリなどを受けることができます。病院の治療と合わせて施術を受けることで、症状の早期回復ができる可能性がありますので、通院を検討してみるのもよいでしょう。
ただし、整骨院や接骨院に通院する場合は、医師に確認をしてからにしましょう。
病院以外にも、整骨院(接骨院)で施術を受けたい旨を相談してください。また、整骨院などに通院する場合も、定期的に病院でも診察を受けましょう。
これにあわせて、保険会社にもその旨を伝えて、病院と整骨院(接骨院)を併用することの了承を得てください。
最初から整骨院や接骨院に通ってしまうと、むちうちの検査ができず正確な症状が把握できなくなり、治療や施術がうまくいかないことがあります。また、診断書を書いてもらえない場合もあり、トラブルになることもあるでしょう。
むちうちの治療は、まずは整形外科を受診すること、そして、整骨院や接骨院に通院することを医師に確認して、相手の保険会社に連絡をしてから通院するようにしましょう。
むちうちの検査内容
病院で受けられるむちうちの検査は、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査と、ジャクソンテストやスパーリングテストなどの神経学的検査があります。
むちうちは、外からでは原因を判別しにくい怪我であり、MRI検査などによって神経や脊髄などの内部の損傷を検査することが重要です。
ただし、むちうちの症状は、画像検査では認識しづらい側面があります。もし、画像所見を得られなかったようなときには、ジャクソンテストやスパーリングテストといった、神経学的検査を受けるようにしましょう。
この検査結果も、神経学的所見として、むちうちの症状を示すのに重要な役割を果たします。
むちうちの治療内容
むちうちの治療として病院でよく行われるのは、内服薬の投薬や痛みを緩和するためのブロック注射、理学療法などです。
投薬やブロック注射などは、病院の医師しか行えず、整骨院や接骨院では受けられません。
理学療法は、物理療法と運動療法に分かれます。
物理療法では、熱や電気の刺激を加えることで、むちうちの症状緩和を目的とし、運動療法は、ストレッチやリハビリを行い、身体の動きの改善を目的としています。
このような場合には、医師が手や器具で直接患部を検査する神経学的検査も受けるようにしましょう。これらの検査結果を合わせて、むちうちの症状を示していくことが可能です。
むちうちの治療を受けるときの注意点
むちうちの治療を受ける際には、いくつか注意点があります。
これらのポイントに注意していれば、適切な治療を受けられたり、トラブルを未然に防げたりできるでしょう。
交通事故で負った怪我の治療を受けるために、大切なポイントになりますので、注意点をチェックしてみましょう。
自覚症状を医師に詳しく伝える
むちうちの治療を受けるときの注意点として、交通事故に遭ったらすぐに病院に行き、症状が発生した時期や自覚している症状を正確に伝えてください。首だけでなく、手のしびれや頭痛などの症状も伝えるようにしましょう。
正確に伝えることで、適切な治療を受けることができます。自分で判断せず、まずは相談してみることが重要です。
定期的に通院する
むちうちの治療では、定期的な通院が非常に重要です。
症状を改善するためだけでなく、定期的な通院記録が残ることで、慰謝料などの請求に役立ちます。また、定期的に通院していることで、保険会社による治療費打ち切りを防ぐことにもつながるでしょう。
定期的に病院に通院していない場合は、交通事故で負った怪我の治療の必要性がなくなったと判断されてしまい、治療費の支払いが打ち切られる場合があります。
このような不都合を未然に防止できますので、医師の診断に従って、定期的に通院しましょう。
交通事故が原因でむちうちになった場合に請求できる賠償金
人身事故の損害賠償金には、治療関係費・休業損害・入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益などがあります。
それぞれどのような場合に請求可能なのか、請求するための条件といった詳しい内容について見ていきましょう。
治療関係費
「治療関係費」とは、むちうちの治療にかかった費用のことです。
たとえば、むちうちで診察を受けた場合の診察費(初診料も含む)や投薬費、手術費、入院費、付添看護費などです。
これに加えて、整骨院・接骨院や鍼灸院での施術費も含まれる場合があります。
休業損害
「休業損害」は、むちうちの影響で仕事を休んだ場合に請求できる賠償金です。
仕事を休んだことで収入が減った場合はもちろん、有給休暇を取得して休んだ場合も、事故に遭わなければ使う必要のなかった有給休暇のため、休業損害を請求できます。
収入のない無職では、休業損害は原則として請求できませんが、就職先が決まっていたなど、就職の可能性(蓋然性)が認められるようなときには、請求が認められることがあります。
また、専業主婦(主夫)でも、休業損害の請求が可能です。また、学生であっても、アルバイトをしているなどの場合は休業損害の請求が認められるでしょう。
入通院慰謝料
むちうちで入院した際や、治療のために通院せざるをえなくなったことにより生じる精神的苦痛への補償として、入通院慰謝料を請求できます。
入通院慰謝料は、治療期間や通院日数に基づいて、金額が計算されます。また、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準という3つの算定基準があることにも注意が必要です。
交通事故の慰謝料の請求では、自賠責基準がもっとも低い相場であり、次いで任意保険基準、そしてもっとも高い相場とされている弁護士基準のいずれかで計算されます。各保険会社が使う基準と弁護士基準では、入通院慰謝料の金額に大きな差が生じる可能性があるところに、注意が必要です。
後遺障害慰謝料
「後遺障害慰謝料」は、後遺障害等級認定を申請して、等級が認定された場合に請求できる慰謝料です。むちうちが、後遺障害として残ったことによって受ける精神的苦痛に対する補償と考えると分かりやすいでしょう。
後遺障害慰謝料の場合、認定された等級によって、請求できる金額が大きく変わってきます。そのため、後遺症が残った場合は、適切な後遺障害等級に認定される必要があります。
後遺障害逸失利益
「後遺障害逸失利益」は、後遺障害が残ったことにより、これまで通りに就労することができなくなった場合に発生する収入減に対する補償です。
後遺障害逸失利益の額は、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数」の計算式に基づいて、算出します。
認定された等級によって、労働能力喪失率が変わるため、残存した症状に見合った等級に認定される必要があります。
もし賠償金額に納得がいかないときには、弁護士への相談を検討してみてください。弁護士基準で計算した金額で交渉することができます。
むちうちの治療について理解しておこう
むちうちの種類や症状、通院先などについて解説してきました。むちうちになった際にどのような検査や治療が行われるのか、その内容についても詳しく解説しました。
交通事故に遭ってしまい、むちうちのような症状がある場合は、まずは病院を受診して、医師のアドバイスを受けながら治療を続けましょう。
症状が軽くても自分で判断せずに、しっかり通院することが大切です。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
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