むちうちによる発熱症状とは?治療法や慰謝料についても詳しく解説!

交通事故によって起きるむちうちで発熱症状が出ることはご存知でしょうか。この記事では、 むちうちによる発熱の原因や発熱した場合の治療法などを紹介しています。むちうちで発熱した場合にどうしたらいいかを知りたい方は、ぜひ読んでみてください。

目次

  1. むちうちで発熱する原因
  2. むちうちによる発熱の治療法
  3. むちうち治療の通院先と通院頻度
  4. むちうちで支払われる賠償金
  5. むちうちや発熱による損害賠償の請求方法
  6. むちうちや発熱による後遺障害とは?
  7. 日常生活で気を付けるべきこと
  8. むちうちによる発熱症状について理解しよう

「交通事故に遭ってむちうちになったら発熱することもあるの?」

「むちうちになったときの治療法ってどんなものだろう?」

「交通事故に遭ってむちうちで治療した場合のお金ってどうなるの?」

このように、交通事故に遭ったことでむちうちになり、発熱症状が見られるような状況になった場合、さまざまな疑問や不安が出てくるのではないでしょうか。

この記事では、むちうちによる発熱について考えられる3つの原因や代表的な治療法などについて解説しています。また、交通事故でむちうちになった場合やむちうちによる発熱に対して支払われる賠償金や請求の方法などについても紹介しています。

この記事を読むことで、交通事故に遭って、むちうちになった場合にやるべきことが把握でき、スムーズに対処できるようになるでしょう。

交通事故に遭い、むちうちになった場合の対処方法を知りたい方は、ぜひこの記事を読んでください。

むちうちで発熱する原因

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交通事故が原因で発症することの多いむちうちですが、発熱を伴うことがあります。交通事故によるショックだけでなく、むちうちによる発熱はより不安な気分にさせるでしょう。

ここでは、むちうちによる発熱の原因について解説します。

出典・参照:交通事故で発熱!事故後の発熱で後遺障害に認定される可能性は?| 弁護士法人アディーレ法律事務所  

弁護士 大橋史典
交通事故に遭いむちうちになってしまった場合、患部や全身、身体の一部などに発熱を伴うことがあります。この症状の原因は交通事故によって筋肉を損傷した場合など、さまざまなケースがあります。発熱の原因を明確にするためにも、すぐに病院を受診しましょう。この記事では、むちうちによる発熱の原因や慰謝料請求、後遺障害の等級認定などについて解説しています。

原因①筋肉などの損傷

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交通事故によるケガの中でも、むちうちは後遺症になりやすいといわれています。この、むちうちは、首や腰の痛みだけでなく、筋肉などを損傷することが原因で発熱が生じる場合があります

筋肉は、筋繊維と呼ばれる繊維状の細胞から構成されており、強い衝撃を受けると糸がちぎれるように損傷します。交通事故で後ろから強い衝撃を受けて、その部分が熱感や腫れを伴うのです。

出典・参照:交通事故で発熱!事故後の発熱で後遺障害に認定される可能性は?| 弁護士法人アディーレ法律事務所

原因②自律神経失調症

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自律神経失調症は、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることです。この状態になると、身体にはさまざまな違和感が現れます。

交通事故によってむちうちになると、自律神経失調症を引き起こし、発汗や体温の上昇、心拍数や血圧などが、事故前とは異なる状態になってしまうことがあります

そして、首には交感神経や副交感神経の中枢があります。事故による影響でダメージを受け、発熱が生じる場合がありますので、病院で診察を受けましょう。

出典・参照:交通事故で発熱!事故後の発熱で後遺障害に認定される可能性は?| 弁護士法人アディーレ法律事務所

原因③バレ・リュー症候群

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バレ・リュー症候群は、むちうちによって交感神経に異常をきたす症状です。自律神経失調症と似ている症状のため、はっきりとした区別がしにくい症状になっています。

主な症状としては、発熱、頭痛、めまい、耳鳴りなどが現れ、椎骨動脈の交感神経が損傷することが原因で発症することが多いです。

おおよそ、事故から2~4週間ほどで発症することが多く、全身の倦怠感も特徴になります

事故から3~6ヶ月を過ぎても発熱を伴う場合、バレ・リュー症候群と診断されることがあります。

出典・参照:交通事故で発熱!事故後の発熱で後遺障害に認定される可能性は?| 弁護士法人アディーレ法律事務所

むちうちで起こる発熱以外の主な症状

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むちうちでは発熱以外にも、知覚障害やしびれ、筋力の低下、顔面痛などの症状が出る場合があります。重い症状では、歩行障害や膀胱障害、上肢のしびれが引き起こされることもあります

もし、むちうちが原因で発熱しなかった場合でも、正しい治療を受けるために、交通事故に遭ったらすぐに医師の診察を受けましょう。

出典・参照:手足のしびれ 交通事故による症状|東大宮 東整形外科

むちうちによる発熱の治療法

ここでは、むちうちによる発熱の症状が出た場合、どういった治療を行うのか、代表的な治療法について紹介します。  

むちうちの症状を悪化させないために、どういった治療を受ければよいのか、確認しておきましょう。

弁護士 大橋史典
むちうちによる発熱の治療にはさまざまな方法があり、被害者の症状によって治療法が異なります。そのため、速やかに病院を受診し、適切な治療を受け、早期回復を目指しましょう。また、医師の判断にしたがって通院を継続することも大切なポイントです。

治療法①理学療法

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むちうちの治療では、理学療法を取り入れることが多いです。

理学療法には、「運動療法」と「物理療法」の2つの種類があります

運動療法は、実際に身体を動かして、関節などの身体の動きを改善するために行われます。また、物理療法は、医療機器を使い、体に超音波や熱、電気などの刺激を与えるという方法により行われます。

治療法②ブロック注射

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ブロック注射は、痛みがある部分に対して局所麻酔をするという方法により行われます。

むちうちによって、首に辛い痛みがある場合、その部分にブロック注射を行います。この方法によって、筋肉の過緊張が緩和されるため、痛みの改善が期待できます。

また、むちうちに対するブロック注射は、整骨院(接骨院)でも受けることができます。ただし、事前に主治医から許可を得ることが大切なポイントです。主治医からの許可があれば、整骨院などの施術料も、治療費の一環として認められる可能性が高くなり、加害者側に請求することができるためです。

もし、整骨院などでブロック注射を受ける場合には、必ず主治医に確認してから受けましょう。

出典・参照:交通事故で最も多い「むちうち」の症状と支払われる保険金について|交通事故の弁護士相談ならベリーベスト

治療法③薬の服用

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症状を緩和するために、解熱剤や痛み止めも処方されます。

処方された薬は、最後までしっかりと飲み切ることで効果が発揮されるので、途中でやめないようにしましょう

むちうちは発熱だけでなく、頭痛や耳鳴りなどの症状も出る場合があります。症状の原因がむちうちによるものかはっきりさせる意味でも、医師に診断してもらうようにしましょう。

むちうち治療の通院先と通院頻度

交通事故などが原因でむちうちになった場合、どれぐらいの通院期間や通院頻度になるのか知らない方も多いでしょう。

一般的に、むちうちによる通院期間は3ヶ月ほどで、通院頻度は、むちうちの度合いによって異なりますが、おおむね1週間に2~3回程度です。

むちうちの治療は病院だけでなく、整骨院などで施術を受けることもあります。このとき、主治医からむちうちの症状緩和のために整骨院などに通う許可をもらっても、1ヶ月に1回以上は医師に診断してもらうことをおすすめします。

また、残念ながら、むちうちは完治せず、後遺症になることがあり、後遺症の程度も個人差があります。頭痛や痛みが緩和されても、後遺症が残る場合もあるので、交通事故には十分に注意しましょう。

出典・参照:むちうちの慰謝料相場はどのくらい?通院期間ごとの金額を大解明 | アトム法律事務所弁護士法人

むちうちで支払われる賠償金

交通事故でむちうちになった場合、支払われる賠償金にはいくつか種類があります。適切な賠償金を受け取るためにも、人身事故として警察に届け出ることが大切です。

交通事故は、人身事故と物損事故に大別されます。物損事故の場合、死傷者がいない事故と判断され、治療費や慰謝料などは支払われません。たとえ、ケガをしていた場合でも、物損事故として扱われていた場合は、適切な賠償金を受け取ることができなくなってしまいます。そのため、必ず人身事故として届け出ましょう。

万が一、物損事故として扱われていた場合には、人身事故への切り替えを行うことができます。人身事故に切り替えるためには、まず、病院で治療を受け、医師に診断書を作成してもらいましょう。この診断書は、医師のみ作成することができ、整骨院などでは取得できません。この点には、注意が必要です。

そして、受け取った診断書を警察に提出し、人身事故に切り替えてもらいましょう。

弁護士 大橋史典
むちうちによって発熱が治らないために、病院に通院した場合には、加害者側に治療費や入通院慰謝料などを請求することができます。発熱くらいだからといって通院をしないと、適切な賠償金を請求することができなくなる可能性があります。そのため、少しでも違和感がある場合には病院を受診しましょう。

治療費・入通院費

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交通事故を人身事故として届け出た場合、加害者側に治療費や入通院費などを請求することができます。

また、基本的に治療費などの費用は、「任意一括対応」という方法により、加害者側の任意保険会社が病院に直接支払いを行います。そのため、被害者が治療費を負担することは原則ありません。

ただし、何らかの理由によって、任意一括対応が行われなかった場合には、被害者が一時的に負担したり、加害者の自賠責保険に被害者請求を行うなどの方法によって対処することができます。

なお、交通事故の治療には、健康保険を活用することができますので、自己負担分を抑えながら、通院するとよいでしょう。

休業損害

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交通事故に遭ってケガをしてしまい、病院に入院・通院するために仕事を休んだ場合、収入が減ってしまうことがあります。

この場合には、加害者側に休業損害を請求することができます。

また、被害者の職業が主婦(主夫)、パート、アルバイトなどの場合でも、休業損害を請求することができます。職業によって必要になる書類や計算方法が異なりますので、専門家である弁護士に相談をするといいでしょう。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)

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交通事故でケガを負い、治療のために病院に入院・通院をしなければならなくなった場合、この精神的苦痛に対して、入通院慰謝料を請求することができます。

入通院慰謝料は、実際に入院・通院した日数に応じて計算されますので、治療に必要な期間は必ず入通院をするようにしましょう。

むちうちや発熱による損害賠償の請求方法

上記では、交通事故でむちうちなどのケガを負った場合に請求することができる賠償金について解説しました。しかし、どのように請求するのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

そこで、以下では賠償金の請求方法について紹介していきます。

任意保険会社と示談交渉をする

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賠償金を任意保険会社へ請求する場合、加害者側の任意保険会社と示談交渉を行います。

示談交渉が開始するタイミングは、むちうちなどが完治して治療が終了した段階や後遺障害の等級認定が無事に終了した段階など、事故のケースによって異なります。

おおむね、この段階に至ると、加害者側の任意保険会社から、示談金が提示されます。提示された金額が正しければよいのですが、提示された金額が低いなど、被害者にとって不利な条件である場合が想定されます。

このような時には、その場で示談することはせず、正しい金額であるのか、確認することが望ましいです。また、専門家である弁護士に相談することもよいでしょう。

そして、示談交渉が成立すると、任意保険会社から賠償金が支払われます。

自賠責保険に請求する場合

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一般的には、加害者が加入している任意保険会社から賠償金が支払われます。しかし、示談交渉が進まない、任意保険に未加入など、何らかの理由によって支払いを受けることができない場合には、加害者の自賠責保険に対して、「被害者請求」を行うことができます。

被害者請求を行うことによって、加害者の自賠責保険から、治療費や休業損害、慰謝料などが支払われます。

なお、自賠責保険の賠償金には上限がありますので、上限を超える分については、加害者の任意保険会社、または、加害者本人に請求することになります。

出典・参照:むちうちの慰謝料相場はどのくらい?通院期間ごとの金額を大解明 | アトム法律事務所弁護士法人

弁護士 大橋史典
加害者側の任意保険会社との示談交渉を自分で行うこともできますが、交通事故の示談交渉や手続きの専門家である弁護士に依頼するとさまざまなメリットがあります。たとえば、示談交渉を代わってもらえることや弁護士基準で慰謝料などを計算するため、賠償金の増額が見込めます。示談交渉に不安がありましたら、一度弁護士に相談することを検討してみるとよいでしょう。

むちうちや発熱による後遺障害とは?

むちうちや発熱の症状が改善されず、後遺症が残った場合、後遺障害の等級認定を申請することができます。

交通事故によってむちうちなどのケガを負い、治療を受けても改善されなかった場合には、医師から「症状固定」と診断されます。

症状固定とは、必要な治療を一定期間受けたが、それでも、これ以上の回復が見込まれないことを意味します。症状固定の診断を受けると、後遺症が残ったことになりますから、後遺障害の等級認定を申請することができます。

後遺障害の等級ごとに、視力・聴力・四肢・精神・臓器などの部位や系統に応じて、認定基準が定められています。等級は、1級(要介護)の最も重いものから14級までの等級があり、認定された等級に応じた後遺障害慰謝料などを請求することができます。

最終的に受け取ることができる賠償金の総額が大きく変わってしまう可能性があるため、適切な後遺障害等級に認定されることが大切です。

出典:自賠責について知ろう!(国土交通省)

むちうち・発熱で認定される後遺障害等級 ①12級13号

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交通事故によるむちうちや発熱が後遺症になった場合、後遺障害の12級13号に認定される場合があります。

12級13号は、後遺症が「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当すると判断された場合に認定されます。

なお、12級13号と判断されるためには、受傷部位などに熱感が残っているだけでは足りず、他覚的所見によって神経症状を客観的に証明できることが必要です。

具体的には、後遺症の症状が、レントゲンやMRIなどで認識できることが判断のポイントです。必要な検査を受け、検査結果をまとめた書類を提出しましょう。

出典:後遺障害等級表(国土交通省)

むちうち・発熱で認定される後遺障害等級 ②14級9号

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むちうちや発熱による後遺症は、14級9号に認定される場合もあります。

14級9号は、「局部に神経症状を残すもの」を指します。むちうちの患部に痛みが残っている場合や発熱がひかないなどの後遺症が残っており、医学的に説明ができる場合に認定される可能性があります。

また、12級13号との最大の違いは、他覚的所見によって、神経症状を認識できるかどうかです。たとえ、他覚的所見によって、神経症状を客観的に証明できない場合でも、後遺障害診断書を作成するときに、医師に自覚症状を明確に伝え、正確に医学的な説明を記載してもらうなどの方法によって、14級9号に認定される可能性が高まります。

なお、後遺症が残ったからといって、必ず後遺障害の等級が認定されるとは限らないという点に注意が必要です。

出典・参照:14級9号と12級13号の違い|法律事務所ホームワン

日常生活で気を付けるべきこと

むちうちによる発熱を発症して3日~1週間程度の間は、安静にするようにしてください。具体的には、無理な運動や車の運転も控えるようにし、アルコールの摂取も避けるようにしましょう。

また、体を温めすぎないことも大切なため、長風呂はなるべく避けるようにし、できればシャワー程度で済ませるといいでしょう。

むちうちによる発熱症状について理解しよう

stevepb

むちうちは交通事故で起きやすい症状です。また、むちうちが原因による首の発熱や痛みも後遺症として残ることがあります。

重要なことは、交通事故に遭った場合は、軽いものでも、必ず病院で診察を受けるということです。そして、継続して治療を受け、定期的に通院をしましょう。

定期的に通院することによって、むちうちによる発熱や痛みに適切な治療を受けることができ、早期回復が見込めます。また、交通事故に遭ってすぐに病院を受診していれば、適切な入通院慰謝料を請求できたり、後遺障害の等級認定もスムーズに進めることができます。

そのため、交通事故に遭ったら、必ず病院を受診するということを覚えておいてください。

むちうちによる発熱の症状を理解し、適切な治療を受けるようにしましょう。

この記事のライター

ドクター交通事故運営

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