むちうちの治療法を紹介!症状や自宅でできる対処法も紹介
むちうちになった場合、治療の方法がわからない方も多いのではないでしょうか。 この記事では、むちうちの治療方法や原因、種類などについて紹介します。 むちうちになった場合に自宅でできる対処方法や、通院先についても詳しくまとめているので、参考にしてみてください。
目次
「最近首が痛いし、肩こりもひどい」
「何だか調子が悪いけど、やっぱり事故ったせいかな」
交通事故に遭ってしまい、頭痛や肩こり、首の痛みといった症状が現れ、辛い思いをしている方もいるのではないでしょうか。
これらの症状が現れた場合は、いわゆる「むちうち」の可能性が考えられます。
本記事では、むちうちとはそもそも何なのか、むちうちの種類、主な症状、治療方法、対処法などを詳しく解説します。
この記事を読めば、むちうちを適切な方法で対処することができるでしょう。むちうちの症状を緩和させるためにも、ぜひ参考にしてください。
むちうちとは?
そもそも、「むちうち」とはどんな症状を指すのでしょうか。
むちうちは、「頚椎捻挫」「外傷性頚部症候群」などと呼ばれ、交通事故の衝撃で、首がむちのようにしなることで首が負傷し、痛みなどのさまざまな症状が現れる怪我です。
主な症状は、首の痛みや肩こり、しびれ、頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気などです。
事故に遭った直後や、数日経過してから症状が現れることもあります。
2~3か月程度で良くなっていく人が多いようですが、中には慢性的になってしまう人もいます。
もし事故に遭った場合、たとえ目立った外傷はなく、痛いところもないという場合でも、体の内部が損傷している可能性が考えられるため、整形外科を受診することが大切です。
むちうちの主な種類と症状
むちうちは、主に5つの型(頚椎捻挫型、バレ・リュー症候群型、脳脊髄液減少症型、神経根症状型 、脊髄症状型)に分類されます。
むちうちの症状には個人差があり、当時の事故の状況や、体質、年齢などによって、現れる症状が異なる場合があります。それぞれの種類について詳しくみていきましょう。
頚椎捻挫型
首周辺の筋肉や靱帯、神経などを損傷している状態のことです。
むちうちの、約7割程度が頚椎捻挫型といわれています。
症状は肩こり、首・背中の痛み、可動域制限などです。おおよそ3か月程度で症状が治癒することが多いでしょう。
バレ・リュー症候群型
事故で神経を損傷することで、さまざまな症状を引き起こす類型です。
自律神経は体のあらゆる調節機能を担っているため、自律神経が乱れると、頭痛をはじめ、耳鳴りやめまい、眠れない、精神不安定など、直接怪我をした部分ではないところで症状が出ることがあります。
脳脊髄液減少症型
脳脊髄液がくも膜下腔から漏れてしまい、髄液圧が低下している状態をいいます。
現れる症状は、頭痛、めまい、耳鳴り、倦怠感などがあり、 起立性頭痛(起き上がるときに頭痛が強まる)を訴える人もみられます。
神経根症状型
交通事故の影響で、神経根の部分が圧迫される状態のことで、首や肩の症状だけでなく、手足のしびれ、後頭部がモヤモヤするなどの症状が起きます。くしゃみや咳などで、首を激しく動かすことで症状が悪化することもあります。
神経根が損傷を受けると、その他の部位にまで影響が出ることが多いので、できるだけ早く適切な治療をする必要があります。
脊髄症状型
脊髄の損傷により、麻痺などの障害が出たり、下肢に伸びている神経が損傷した場合、足にしびれなどの症状が現れ、歩行が困難になることもあります。
後遺症が残ってしまう可能性が高く、むちうちの症状の中で最も重いものとされていますが、現在ではむちうちには含まれず、脊髄損傷として扱われることが多いでしょう。
出典・参照:脊髄脊椎腫瘍|一般社団法人日本脊髄外科学会
交通事故に遭ったら怪我の有無にかかわらず、病院を受診して身体の状態を医師に診察してもらうようにしましょう。
むちうちの3つの特徴
- 急性期と慢性期の2つの時期に分けられる
- すぐに症状が出ない場合がある
- 診断が難しい場合がある
むちうちには、3つの大きな特徴があります。それぞれの特徴についてあらかじめ理解しておけば、適切な対応ができ、緩和するまでの時間を短縮できる効果を期待できます。
間違った対処をしてしまい、後悔することのないよう、正しい方法を理解しておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
急性期と慢性期の2つの時期に分けられる
急性期とは、むちうちを受傷した直後で患部が炎症を起こしている状態をさします。
急性期は、患部に熱を持っていることが多く、3日~1週間程度続くといわれています。
また、急性期はむちうちの症状が強く出ているため、安静に過ごすことが大切です。首などの患部に負担がかからないように、頚椎カラーなどで支える必要もあるでしょう。そして、炎症反応などの症状が強い場合は、湿布やアイシングなどで患部を冷やし、炎症を抑える方法も有効です。
次に、炎症などの急性期の症状が落ち着いた時期を、慢性期とよばれています。
むちうちを受傷してから、約1か月が経過した時期が慢性期とされており、急性期に比べて安静にする必要はありません。
慢性期になると、ストレッチやマッサージなどの治療が可能になり、首や肩の痛みを緩和させるための、手技療法を受けることができます。
また、電気治療などの治療も受けることが可能です。
すぐに症状が出ない場合がある
むちうちは、事故直後には特に何も症状がないことがあります。しかし、2~3日後、人によっては1~2週間後になって症状が現れるケースがあります。
その理由は、事故という危険な状態になると体が興奮状態になり、痛みや疲れを感じにくくなっているためと言われています。
また、病院でレントゲンなどの検査を受けても、その時点では症状の原因を特定することができず、異常なしと診断されてしまい、本来受けるべき治療をせず、後になって痛みなどの症状が出てくるといった理由も考えられます。
この他にも、交通事故に遭った時の衝撃で、筋肉がダメージを受けたこと、直接打ったわけではない部分にまで痛みやしびれなどの症状が、後になって出てくるという理由も考えられます。
診断が難しい場合がある
むちうちで出る症状の原因は、筋肉や神経の損傷など、体の内部で起こっていることであり、骨折や外傷などと違い、見た目にはわかりにくいものです。
そのため、レントゲンやCT、MRIなどの画像検査でも、原因の特定が難しい場合もあります。
もし、画像検査でも原因を判別できない場合には、神経学的検査も受けるようにしましょう。
この検査では、医師が手や器具など使って、患部に直接刺激を与えて、反応を診るための検査です。神経学的検査で得られた所見も、症状を証明するために有効な判断資料となるため、受けるとよいでしょう。
そして、自覚症状を医師に正しく伝えることも大切なポイントです。
【時期別】むちうちの治療方法
むちうちには、急性期と慢性期があることを前述しました。
急性期は事故直後から約1か月までの期間を指し、慢性期は事故から約1か月以降の時期を指します。
それぞれの時期に適切な治療方法がありますので、ここでは時期別の治療方法を解説していきます。
急性期の場合
急性期とは、事故直後から約1か月程度の時期です。受傷した直後は、患部が炎症を起こしている状態で熱を持っていることが多く、この状態は3日~1週間程度続くといわれています。
急性期は、むちうちの症状が強く出ているため、安静に過ごすことが大切です。
首などの患部に負担がかからないよう「頚椎カラー」などで首を支えるとよいでしょう。また、炎症反応が強く出ている場合は、湿布やアイシングで患部を冷やし、炎症を抑えるようにするとよいでしょう。
出典・参照:むちうちについて | すずらん鍼灸接骨院
慢性期の場合
事故後からおよそ1か月以降の時期を慢性期とよびます。
この時期は、急性期のように安静にしている必要はないといわれており、筋肉の緊張を緩めるためのストレッチなどの手技療法を受けたり、運動療法(リハビリテーション)を行っていくとよいでしょう。
また、これらの治療とあわせて、電気治療などで患部を温めながら、回復力を高めていく治療も受けることができます。
出典・参照:むちうちについて | すずらん鍼灸接骨院
また、医師の診断に従って適切な頻度で通院することも重要なポイントです。治療費の支払い対応や正しい金額の賠償金を受け取るためにも、適切な期間・頻度で通院をしましょう。
自宅でできるむちうちの対処法
慢性期になり、むちうちの症状が落ち着いてきた場合には、医師の指示に従いながら、自宅でセルフケアをすることも可能です。
どのような方法があるのか、見ていきましょう。
ストレッチをする
むちうちの症状を改善するためには、ストレッチが効果的です。
また、ストレッチだけでなく、日常動作や姿勢の改善を並行して行うことで、症状の改善が期待できます。
しかし、自己流のストレッチでは、症状が悪化してしまう場合もありますので、医師に症状を診断してもらい、正しいマッサージの方法を聞いてみるとよいでしょう。
アイシングをする
むちうちの影響で頭痛などの症状が現れている場合は、アイシングがおすすめです。
特に、交通事故で頭に強い衝撃を受けた場合は、頭部や首が炎症を起こしている可能性もあるため、患部を氷などで冷やすことで、症状が緩和する可能性があります。
また、ゆっくり過ごせる部屋で、安静に過ごすことも効果的です。
患部を温める
急性期が過ぎ、慢性期になった場合は、患部を温めて、血行を促進させる方法が有効的です。
血行を促進させることで血流がよくなり、むちうちの症状改善に役立つことがあります。
むちうちになったときの通院先
交通事故の通院先には、整形外科や整骨院、接骨院、鍼灸院などがあります。それぞれで行う治療法は異なり、役目も変わってきます。
症状に見合った治療や施術を受けることができますから、自分の症状の改善に合った通院先を選択するようにしましょう。
整形外科
むちうちになった場合は、まずはじめに、整形外科を受診しましょう。軽い症状であっても、整形外科を受診することを覚えておいてください。
整形外科では、レントゲンやCT、MRIなどの精密検査を受けることができます。これによって症状の原因を特定できる場合があります。
また、ジャクソンテストやスパーリングテストなどの神経学的検査も受けることができます。これによって、症状の診断に役立てることができるでしょう。
そして、整形外科を受診することで、診断書を作成してもらうことができます。
保険会社に保険金を請求する際に、診断書が必要になりますから、整形外科を受診して診断書を発行してもらいましょう。
出典・参照:むち打ち|竹谷内医院
整骨院や接骨院
むちうちの症状が現れた場合の通院先として、整骨院や接骨院を選ぶ人も少なくありません。整骨院(接骨院)では、柔道整復師が施術を行います。
整骨院(接骨院)では、マッサージや電気治療、温熱治療などを受けることができます。これを受けることで、むちうちの症状改善に役立てることができるでしょう。
ただし、整骨院(接骨院)では診断書の作成ができないところに注意が必要です。
また、整形外科に通院中に整骨院や接骨院を利用したい場合は、整骨院(接骨院)への通院を希望する旨を、整形外科の医師に確認することが大切です。そして、整骨院(接骨院)での施術で効果が得られた場合も、整形外科にも継続して通院しましょう。
出典・参照:柔道整復師とは|公益社団法人日本柔道整復師会
鍼灸院
鍼灸院では、はり師やきゅう師が、ツボに刺激を与える方法で施術が行われます。
鍼や灸で、ツボや筋肉が硬くなっている部分に刺激を与えると、その部分への血流、リンパの流れが増加します。
その結果、筋肉の緊張が緩み、柔らかくなる効果が期待できます。これにより、体全体のバランスが整ってむちうちの症状が緩和される可能性があります。
出典・参照:鍼灸治療 | 鍼灸院「金はり院」
ただし、整骨院などに通院する際には、整形外科の医師に整骨院や整骨院、鍼灸院への通院の必要性を確認することが重要です。そして、その旨を加害者の保険会社に連絡を入れてから通院を開始しましょう。
むちうちの治療期間の目安
むちうちの治療期間は、平均でおよそ3か月~6か月程度が目安とされています。
しかし、症状の程度が重い場合には、1年以上の治療が必要になる場合もあります。
むちうちの治し方について知っておこう
むちうちの治療方法について、詳しく解説しました。
事故に遭ってしまったら、症状がなくても必ず整形外科の診察を受けることが大切です。
むちうちには急性期、慢性期があり、時期にあった適切な治療を受けるようにしましょう。比較的軽いむちうちであれば、自宅でアイシングなどをすることで症状が和らぐこともありますが、間違ったケアをすると症状が悪化してしまうなどの悪影響が出てしまう場合もありますので、医師に確認しながら行うようにしましょう。
また、整形外科のほか、整骨院や接骨院、鍼灸院でも施術を受けられますが、それぞれの役割、施術方法が異なります。むちうちの症状改善のために有効な場合がありますので、医師に確認をしてから、整骨院などへの通院も検討してみるとよいでしょう。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
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