交通事故で整形外科を受診すべき理由とは?後遺症で困らないポイントも
交通事故で整形外科を受診すべき理由を解説します。交通事故による後遺症で整形外科の医師とトラブルになる原因や、後遺症が残ったときの慰謝料も紹介します。治療や通院しているにもかかわらず、後遺障害診断書が書いてもらえない時の対処法もまとめています。
目次
交通事故で整形外科を受診しないと後遺症になったときに困る?
交通事故で怪我を負った場合、後遺症について心配する人も少なくありません。交通事故による怪我で痺れや痛みなどの後遺症が残ることも多く、損害賠償請求には医師の診察と治療が必要です。
本記事では、交通事故で整形外科を受診すべき理由や、後遺症で困らないポイントを詳しく解説します。後遺症が残った時の慰謝料の相場もまとめているため、参考にしてください。
交通事故にあったら整形外科を受診すべき理由
後遺障害診断書の重要性
交通事故で怪我を負い、適切な治療を続けていても、後遺症が残るケースも少なくありません。後遺症が残ると、今後の生活に支障が生じる可能性が出てきます。
交通事故で怪我をして後遺症が残った場合、適切な賠償を受け取る必要があります。適切な賠償を受け取るためには、後遺障害診断書が必要です。後遺症が残っていても、後遺障害診断書がなければ、賠償金を1円も受け取ることができません。
後遺障害診断書は医師にしか作成できない
後遺障害診断書は、医師免許を有した医師にしか作成することができません。
交通事故で首や肩、腰などに痛みが生じた場合に、整骨院や接骨院に通院する方も多くいらっしゃいます。しかし、最終的な後遺障害診断書は整骨院(接骨院)で作成してもらうことができません。
交通事故で怪我をした際の通院先として、整骨院や接骨院を選ぶ人も多いでしょう。しかし、整骨院(接骨院)で施術を行う柔道整復師は、医師免許を有していないため、後遺障害診断書の発行はできません。
後遺症が残ることを心配している場合、初診から治療の完了まで、整形外科などに通院してください。整形外科の医師に治療の経過を診てもらい、正しい治療内容の後遺障害診断書を作成してもらいましょう。
交通事故による後遺症で整形外科とトラブルになる事例
トラブルの事例①後遺障害診断書を作成してもらえない
交通事故で後遺症が残っているにもかかわらず、後遺障害診断書の作成を拒否する医師も少なくありません。後遺障害診断書は、これ以上、リハビリや治療を続けても回復の見込みがない場合にのみ作成されます。
そのため、回復の余地がある場合や通院の中断で、治療の経過を診ていない場合は診断書を作成してもらえない可能性が出てきます。
トラブルの事例②後遺症はないといわれる
医師が後遺症がないと判断した場合も、後遺障害診断書を作成を拒否されることがあります。医師は、適切な治療を行い患者を治すことを目的としています。適切な治療を行い、後遺症が良くなったにもかかわらず、後遺障害診断書の作成を求めると、喜ばしく感じない医師も多いでしょう。
交通事故で後遺障害診断書を書いてもらえないときの対処法
対処法①治療の経過がわからないといわれた場合
後遺障害診断書は、治療が完了した時点で患者を治療している医師に作成義務があります。後遺障害診断書は、治療の全期間を診ていなくても作成が可能です。治療の経過がわからないと言われた場合は、身体に残っている自覚症状を医師に伝えましょう。
自覚症状は、後遺症が残った人にしか分かりません。医師に作成義務があることと、残った後遺症を伝えて、改めて診断書の作成を依頼しましょう。
対処法②まだ治療するべきだといわれた場合
後遺障害診断書の作成は、医師の医学的判断が尊重されます。回復の余地がある、まだ治療を続けるべきだと言われた場合は、医師の指示に従って通院を続けてください。
適切な治療を続けても後遺障害診断書を作成してもらえない場合は、信頼できる弁護士に相談して、今後の対応方法を考えてみましょう。
対処法③後遺症はないといわれた場合
症状が残っているにもかかわらず、生活に支障がないと判断され、診断書が作成されないケースも少なくありません。しかし、軽い痺れや痛みでも、自賠責上の後遺障害と判断されることがあります。
そのため、後遺障害診断書には、治療完了時で残っている後遺症の状況を、そのまま記載してもらいましょう。症状の重さに関係なく、今の身体の状況を記載してもらうことが大です。
対処法④弁護士から医師に連絡してもらうことも可能
医師が診断書の作成を拒否している場合は、弁護士から医師に連絡してもらうことも可能です。一度、作成を拒否されてしまうと、再度依頼することに抵抗を感じる人も多いでしょう。また、医師によっては、説得しても作成してくれないケースもあります。
このような場合は、弁護士から医師に後遺障害診断書の意味や必要性を説明してもらいましょう。弁護士から説明を受けることで、診断書を作成してくれる可能性も出てきます。
交通事故で後遺症が残ったときの慰謝料
慰謝料の基準は3種類ある
慰謝料の金額の基準は、自賠責基準と任意保険基準、弁護士基準の3種類です。それぞれの基準によって、支払われる慰謝料の金額は大きく異なります。
最も支払われる金額の低い基準が、加害者側の自賠責保険から支払われる自賠責基準です。任意保険基準は、示談交渉で加害者側の保険会社が提示する慰謝料の基準で、保険会社が独自に設定しています。
弁護士に依頼することで、弁護士基準で慰謝料が算出されます。弁護士基準で算出された慰謝料は、最も高額です。
後遺障害慰謝料の相場
むちうちの症状が残った場合、後遺障害12級13号または14級9号に認定されることが多いです。弁護士基準で算出された慰謝料の金額は、12級13号なら290万円、14級9号なら110万が相場になります。
自賠責保険で算出された場合、12級13号なら94万、14級9号なら32万円となり、弁護士基準の3分の1程度です。
慰謝料以外に請求可能な賠償金
交通事故で後遺症が残った場合、慰謝料以外にもさまざまな賠償金の請求が可能です。通院が必要になった場合に必要な治療費や入院費など請求できます。
また、後遺症によって仕事を休まざるをえなくなった場合は、休業損害の請求も可能です。有給休暇をとった場合も休業損害の対象となるため、覚えておきましょう。
交通事故による後遺症で困らないためのポイント
ポイント①事故直後に整形外科を受診する
交通事故に遭ったら、すぐに整形外科を受診しましょう。交通事故直後は、パニック状態に陥ることもあるため、身体の痛みを感じにくい人も少なくありません。しかし、むちうちなどの症状は、数日経過してからあらわれることもあるため、注意が必要です。
整形外科では、レントゲン検査やMRI検査を行います。交通事故直後の身体の状態を明確に記録するためにも、早い段階で受診することが大切です。
ポイント②整骨院や接骨院は整形外科と併せて通院する
整骨院や接骨院は、平日の夜や休日でも営業していることが多く、昼間に仕事をしている人は整形外科よりも通院しやすいと感じるでしょう。そのため、交通事故で怪我をした場合の通院先として、整骨院(接骨院)を選ぶ人も多いです。
整骨院(接骨院)では後遺障害診断書の作成ができないため、整形外科と併せて通院しましょう。しかし、整形外科と整骨院(接骨院)の併用を好ましく思わない医師も少なくありません。そのため、整骨院(接骨院)と整形外科を合わせて通院する場合は、整形外科の医師に事前に相談してください。
ポイント③後遺障害診断書の内容を確認する
後遺障害診断書には、被害者の基本情報をはじめ、入院期間や自覚症状など、さまざまな情報が記載されています。
医師に伝えていた内容が正しく記載されているか、内容を細かく確認することが重要です。自覚症状の記載に不備があった場合、後遺障害等級が認定されないケースも少なくありません。
適切な後遺障害等級を認定してもらうためにも、交通事故被害者に協力的な医師に診断書を作成してもらいましょう。
ポイント④弁護士に依頼することも検討する
通院先を迷っている場合や、後遺障害診断書の内容が正しいか判断できない場合は、弁護士への依頼を検討しましょう。手間のかかる後遺障害等級の申請も弁護士に依頼できます。
弁護士への依頼は弁護士費用が必要になるため、注意が必要です。しかし、加入している任意保険に弁護士特約が付帯されている場合は、保険会社が弁護士費用を負担してくれます。
交通事故の後遺症で困らないように整形外科を受診しよう
交通事故で後遺症が心配な場合は、整形外科を受診しましょう。後遺障害診断は、医師免許を有する者のみが作成できます。
交通事故の後遺症で整形外科の医師と、診断書の発行や後遺症の有無について、トラブルが残るケースも少なくありません。整形外科とトラブルを避けるために、弁護士への依頼も検討しましょう。
この記事のライター
M.U
システムエンジニアの経験もあり、パソコンやプログラミングも興味がある、主婦ライターです。 休日は子どもとお出かけをしたり、料理や工作をして楽しんでいます。 さまざまな知識をいかして、多くの情報を発信していきます!
記載されている内容は※2022年3月29日 13:00:48 ※時点のものです。
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