示談金を詳細解説!計算方法や増額するためのポイントも紹介
交通事故の被害者に支払われる示談金がどのようなものかご存じでしょうか?この記事では、示談金の意味や慰謝料との違いなどの示談金の基本情報や示談金の内訳、計算方法、示談交渉の流れなどについて紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
目次
「交通事故の被害者になったけど、加害者から示談金は受け取れるの?」
「交通事故でもらえる示談金の中には何が含まれているの?」
「相手方の保険会社から提示された示談金は妥当?示談金が少ないように感じる」
交通事故に遭った場合に加害者から被害者に支払われることになる示談金について、このようなたくさんの疑問があるのではないでしょうか。
この記事では、示談金の意味や相場などの示談金の基本情報から示談金の内訳、計算方法、示談交渉の流れ、示談金を増額させるためのポイントなどを紹介しています。
この記事を読むことで、示談金に関する基礎知識が身につくため、示談交渉や示談金を提示されたときに自分の意見を伝えられるでしょう。
交通事故被害に遭って困っている方や示談金の交渉を行っている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
示談金について解説
交通事故の被害者になると怪我の治療で入院や通院が必要になり、仕事を休まなくてはいけなくなります。治療費や休業による収入減などの示談金を加害者からいくら支払ってもらうのか、示談交渉で決めなくてはいけません。
何の知識も持たずに示談交渉に臨んでしまうと、低く見積もられた示談金で合意しなくてはいけなくなることも考えられます。
今回は、示談金について解説していきますので、参考にしてください。
示談金の基本情報
まずは、交通事故の示談金とはどのようなものか基本情報について解説していきます。
交通事故の被害者になると怪我で苦しい思いをするだけでなく、休業を余儀なくされ、精神的にも辛い思いをしています。そのような状況の中で、示談交渉を冷静に進めるためには、示談金の意味や慰謝料との違い、相場といった基本情報をしっかり理解しておくことが望ましいです。
以下で紹介する示談金の基本情報をしっかり理解し、示談交渉をできる限り有利に進められるようにしておきましょう。
出典:交通事故の示談金とは?相場と増額のポイントを弁護士が徹底解説|交通事故の慰謝料の相場は?計算機で通院期間別にシミュレーション|弁護士法人・響(ひびき)
参照:https://hibiki-law.or.jp/jiko/jidan/jidankin/32783/
示談金の意味
民法第709条には「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (不法行為による損害賠償)」と規定されており、交通事故で相手に怪我を負わせた場合などには、加害者は被害者に対して損害賠償責任を負わなければなりません。
交通事故で支払われる損害賠償金は、被害者と加害者の話し合い(示談交渉)で決まることから示談金と言われています。
つまり、交通事故の示談金とは、被害者が被った損害に対して支払われる金銭という意味です。
出典:民法 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
示談金と慰謝料の違い
慰謝料とは、被害者が受けた精神的苦痛に対して加害者から支払われるものです。
一方、示談金とは、交通事故で被害者が被った損害に対して支払われる賠償金すべてを指しています。示談金の中には、怪我による入院・治療費や休業による損害などさまざまな項目があり、慰謝料もその一つです。
慰謝料は精神的苦痛に対して支払われるものであり、示談金の中に含まれるものであると覚えておくと良いでしょう。
出典:交通事故の示談金とは?相場と増額のポイントを弁護士が徹底解説|交通事故の慰謝料の相場は?計算機で通院期間別にシミュレーション|弁護士法人・響(ひびき)
参照:https://hibiki-law.or.jp/jiko/jidan/jidankin/32783/
示談金には相場がない
示談金の請求を行う場合、どれぐらいもらえるのか、相場を知りたいと考える人は多いでしょう。
被害者の怪我や後遺障害の程度、事故状況によって損害額は大きく変わってくるため、交通事故の示談金には相場はありません。示談金を提示された場合、事故状況や被害者の状況を見ながら一つずつ正確な金額かどうか、確認する必要があります。
ただ、示談金の中でも慰謝料についてはある程度、相場が決まっています。慰謝料には、自賠責基準・弁護士基準(裁判基準)・任意保険基準の3つの算定基準があり、それぞれに相場があるため、確認しておくと良いでしょう。
出典:交通事故の示談金とは?相場と増額のポイントを弁護士が徹底解説|交通事故の慰謝料の相場は?計算機で通院期間別にシミュレーション|弁護士法人・響(ひびき)
参照:https://hibiki-law.or.jp/jiko/jidan/jidankin/32783/
示談金の内訳
示談金として請求できるものは、慰謝料だけではありません。慰謝料以外に積極損害と消極損害があります。この3つを合わせたものが示談金になります。
それぞれの項目がどのようなものか理解しておかないと、示談金の中に自分が受けたすべての損害が含まれているか分かりませんし、提示されたものが正当なものか判断できません。
ここでは、示談金に含まれる項目の意味などを紹介していきますので参考にしてください。
出典:交通事故の示談金|内訳・金額から示談交渉まですべて解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/18636#2
内訳①積極損害
積極損害とは、交通事故が発生したことで支出しなくてはいけなくなった損害金のことです。
具体的には、治療費・付添看護費介護費・入院雑費・宿泊費・通院交通費・葬儀費用・その他の費用(介護のための家の改造費、器具購入費など)といったものがあります。
積極損害は、領収書やレシートなどで支出額が分かりますから、しっかり証拠となる書類を残しておいてください。
出典:交通事故の示談金|内訳・金額から示談交渉まですべて解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/18636#2
内訳②消極損害
消極損害とは、交通事故が発生したことにより喪失した利益のことです。
消極損害には、逸失利益と休業損害の2つがあります。
逸失利益とは、将来の収入減に対して支払われる損害賠償金のことです。後遺障害が残ったことで労働に支障が出た場合に請求できる「後遺障害逸失利益」と被害者が死亡した場合に請求できる「死亡逸失利益」の2つがあります。
休業損害とは、交通事故の怪我の治療などで休業を余儀なくされたために、得られなくなった収入を補償するものです。
出典:交通事故の示談金|内訳・金額から示談交渉まですべて解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/18636#2
内訳③慰謝料
前述したように慰謝料とは、精神的苦痛に対して支払われるものです。交通事故で加害者に請求できる慰謝料には、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料があります。
入通院慰謝料は、事故の恐怖や怪我による痛み、通院・入院で生じる不安といったことに対して支払われるものです。
後遺障害慰謝料は、後遺障害が残ったことにより受ける精神的苦痛に対して支払われるもので、障害が重い場合は家族に対する慰謝料も上乗せされます。
死亡慰謝料とは、被害者が死亡したことにより遺族が受けた悲しみなどの精神的苦痛に対して、支払われるものです。
出典:交通事故の示談金|内訳・金額から示談交渉まですべて解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/18636#2
示談金の計算方法【慰謝料・休業損害】
示談金の内訳が分かっただけでは、提示された金額が妥当であるか判断することはできません。示談金が妥当か判断するためには、示談金の計算方法についても理解しておくとよいでしょう。
ここからは、示談金の中の慰謝料と休業損害の計算方法について見ていきます。前述したように慰謝料の計算基準は3つありますが、任意保険基準は保険会社により違いがあるため、自賠責基準と弁護士基準について解説していきます。
計算方法①自賠責基準の入通院慰謝料
自動車損害賠償保障法に基づき、自動車の運転者に加入が義務付けられている自賠責保険による支払い基準が自賠責基準です。
自賠責基準の入通院慰謝料は、症状に関係なく日額4,300円(2020年3月31日以前に発生した事故は、日額4,200円)と決まっており、「日額×対象日数」で支払われる金額を計算することができます。
入通院慰謝料の計算のために使われる対象日数は、通院期間か実治療日数の2倍のどちらか少ない方です。
出典:自賠責保険(共済)とは?|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/insurance.html
出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html
計算方法②弁護士基準の入通院慰謝料
弁護士に交通事故の示談交渉を依頼した場合、弁護士基準をもとに交渉や請求が行われます。弁護士基準とは、過去の裁判をもとに作成された基準で、「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(通称:赤い本)」という本に掲載されているものです。
弁護士基準の入通院慰謝料は、むちうちや打撲などの軽症のケースと骨折や脱臼などの重症のケースの2種類の算定基準があり、入院と通院にかかった期間で請求する慰謝料を決めます。
出典:当センターの刊行物について(青本及び赤い本)|公益財団法人日弁連交通事故相談センター
参照:https://n-tacc.or.jp/book#st-toc-h-3
計算方法③後遺障害慰謝料
後遺障害の等級に認定された場合に、受け取ることができるのが後遺障害慰謝料です。後遺障害慰謝料は、自賠責基準も弁護士基準も後遺障害等級に応じて金額が決まっています。自賠責基準と弁護士基準の後遺障害慰謝料は以下の通りです。
自賠責基準の場合、神経系統の機能または精神、胸腹部臓器への著しい障害があり介護が必要なケースは、第1級1,650万円、第2級1,203万円、それ以外のケースでは等級に応じて32万円~1,150万円が支払われます。
弁護士に依頼し弁護士基準で算定してもらった場合、等級に応じて110万円~2800万円程度を請求可能です。
出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html
計算方法④自賠責基準の死亡慰謝料
自賠責基準の死亡慰謝料は、被害者本人に対して支払われる慰謝料と遺族に対して支払われる慰謝料を合わせたものになります。
交通事故の被害者本人に対する死亡慰謝料は、立場に関係なく400万円です。
遺族に対する慰謝料は、被害者の父母・配偶者・子(遺族慰謝料請求者)の数で金額が異なります。請求者1名の場合は550万円、請求者2名の場合は650万円、請求者3名以上の場合は750万円です。また、被害者に被扶養者がいる場合には、200万円を加算した金額が支払われます。
出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html
計算方法⑤弁護士基準の死亡慰謝料
弁護士基準の死亡慰謝料は、亡くなった被害者の立場によって次のように定められています。
亡くなられた方が一家の支柱である場合は2,800万円、母親や配偶者である場合は2,500万円、その他(独身の人、子供や幼児、高齢者など)の場合は2,000万円~2,500万円です(被害者本人の慰謝料と遺族に対する慰謝料を合算したもの)。
この金額を基準に、事故状況を勘案して最終的な金額を決定していきます。ひき逃げなどの精神的苦痛が増大する事案であれば、この基準よりも慰謝料が高額になる可能性があります。
出典:死亡事故の慰謝料相場はいくら?遺族が請求すべき損害賠償金の解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/24373
計算方法⑥休業損害
休業損害の計算方法も、自賠責基準と弁護士基準で異なります。
自賠責基準の休業損害の計算方法は、原則「日額6,100円×休業日数」です。これ以上の収入減が認められれば19,000円を限度額として実額の支払いが受けられます。
一方、弁護士基準の休業損害の計算方法は、「1日あたりの基礎収入×休業日数」です。算定の基準となる1日あたりの基礎収入は、交通事故発生前の収入を使用します。職業ごとに基礎収入の計算方法が異なるため注意しましょう。
出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html
示談金の計算方法【その他】
ここからは、治療費や逸失利益などその他の示談金の計算方法を見ていきましょう。
慰謝料と休業損害だけでなく、治療費や逸失利益などその他の示談金の項目にも細かな算定基準や計算方法が設けられています。
これらの計算方法についても理解しておかないと、提示された示談金が妥当なものか、自分が被った損害がすべて入っているのか判断できません。示談金の計算方法をしっかり理解しておきましょう。
計算方法①治療費
診察料や検査料、入院費などの治療費は、症状固定までの必要性および相当性を認められた部分を実費で請求できます。
必要性のない過剰診療部分や医師の指示によらない民間療法(マッサージなど)利用部分、個室入院費用などは治療費として認められません。
民間療法の利用や個室利用が治療に必要であると認められるためには、医師が作成した診断書が必要です。診断書を作成してもらうようにしましょう。
なお診断書作成にかかる費用は、加害者側に請求できるため領収書等をしっかり保管しておいてください。
出典:交通事故の治療関係費用として請求できるのは、治療費だけではありません。 | 弁護士法人 みお綜合法律事務所
参照:https://www.jikokaiketsu.com/kaiketsu/archives/songai01/
計算方法②入院雑費入通院交通費
入院中に必要になった消耗品費などの入院雑費は、算定が難しいため実費ではなく日額で支給されます。自賠責基準では「日額1,100円×入院日数」、弁護士基準では「日額1,500円×入院日数」が基準です。
入通院交通費は、実費で請求可能です。ただし、公共交通機関を利用した場合は全額実費で請求できますが、自家用車やタクシーを利用した場合は妥当性や必要性を認められないと請求できません。
出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html
出典:交通事故の示談金相場は?計算方法や増額のコツ、示談交渉の注意点を解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/17756
計算方法③付添看護費介護費
付添看護費介護費とは、付き添いや看護のための費用です。原則、12歳以下の子供に付き添う場合や医師が看護を必要と認めた場合に請求することができます。
自賠責基準の付添看護費介護費は、入院の場合は日額4,200円、自宅看護や通院の場合は日額2,100円です。一方、弁護士基準は、入院の場合は日額6,500円程度、自宅看護や通院の場合は日額3,300円程度となっています。
出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html
計算方法④後遺障害逸失利益
交通事故が原因で後遺障害が残り労働に支障が出た場合には、将来得られるはずであった収入を後遺障害逸失利益として請求可能です。
後遺障害逸失利益は、「年額の基礎収入×後遺障害等級に応じた労働能力喪失率×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数」で求められます。
基礎収入は、事故前1年の収入が基本です。労働能力喪失率は、どの程度、労働能力が低下したかを示すもので、後遺障害等級に応じて数値が決まっています。ライプニッツ係数は、中間利息控除のための数値です。
出典:交通事故の示談金相場は?計算方法や増額のコツ、示談交渉の注意点を解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/17756
計算方法⑤死亡逸失利益
被害者が死亡した場合には、将来受け取るはずであった収入を死亡逸失利益として請求可能です。
死亡逸失利益も計算方法が決まっており、「年額の基礎収入×(1-生活費控除率)×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数」で求められます。
生活費控除率とは、被害者が死亡したことにより発生しなくなった生活費を差し引くための数値です。被害者の立場によって数値が設定されています。
出典:交通事故の示談金相場は?計算方法や増額のコツ、示談交渉の注意点を解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/17756
示談金を増額するためのポイント
交通事故の被害者となった場合、できる限り自分が納得できる示談金をもらいたいと誰もが思うでしょう。示談金をもらえても金額が少なく、損害を補えないものであれば意味がありません。できるだけ多くの示談金をもらえるためにはどうしたら良いのでしょう。
ここからは、示談金を増額するためのポイントを紹介していきます。以下で紹介しているポイントを参考に、示談交渉を進めていくようにしてください。
ポイント①適切な頻度で治療を続ける
前回の通院から次の通院までの期間が極端に長い、通院頻度が低いと「治療が終了した」「示談金を吊り上げようとしている」と相手方の保険会社に思われてしまい適切な慰謝料を受け取れなくなる可能性があります。
適切な慰謝料を受け取り、示談金を増額させるためには、適切な頻度で治療を続けることが大切です。
適切な通院頻度が分からない場合には、主治医に相談してどの程度の頻度で通院したら良いか確認するようにしましょう。
出典:通院日数は交通事故慰謝料に影響する?適切な通院日数とは | 法律事務所へ交通事故相談 | 弁護士法人ALG&Associates
参照:https://www.avance-lg.com/customer_contents/koutsujiko/isharyou-tuuindays/
ポイント②後遺障害の等級認定を受ける
後遺障害の等級認定を受けた場合に請求できる後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益は、後遺障害等級によってもらえる金額が変わり、等級が高くなればなるほど、受け取れる慰謝料の額も増えていきます。
実際の後遺障害よりも軽いと判断され、低い等級に認定されてしまうと、もらえる金額が減ってしまうため、自分の後遺障害に合った等級認定を受けることが大切です。
相手から提示された等級が合っているか必ず確かめましょう。
出典:【交通事故の示談金相場】示談金増額のために必要な知識と増額事例|弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所(東京弁護士会)弁護士 川崎公司
参照:https://vs-group.jp/lawyer/ko-tu-jiko/2043.html
ポイント③自分の過失割合を下げる
示談金の受け取り額は、過失割合によって変わってきます。自分の過失割合を下げることも、示談金を増額するためのポイントです。
例えば、示談金100万円を請求して過失割合が相手7:自分3と判断された場合、受け取れるのは70万円ですが、相手9:自分1の過失割合と判断されると受け取れる金額は90万円になります。
このように過失割合によって受け取れる示談金額が異なるため、相手に過失があるということが証明できるものを用意しましょう。
出典:交通事故の示談金の相場は?ケース別の相場や増額のポイントを解説 | 法律事務所へ交通事故相談 | 弁護士法人ALG&Associates
参照:https://www.avance-lg.com/customer_contents/koutsujiko/jidan_souba/
ポイント④弁護士基準で請求する
前述したように示談金の算定基準には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあり、どの基準を使って示談金を算定するかでもらえる金額は大きく変わってしまいます。
一般的に弁護士基準が最も高くなり、自賠責基準で算定すると最低限の示談金しかもらえません。示談金を増額するためには、弁護士基準で示談金の算定を行い、請求することがポイントです。
ただし、弁護士に依頼すると依頼費用が発生するため注意しましょう。
出典:交通事故の示談金の相場は?ケース別の相場や増額のポイントを解説 | 法律事務所へ交通事故相談 | 弁護士法人ALG&Associates
参照:https://www.avance-lg.com/customer_contents/koutsujiko/jidan_souba/
ポイント⑤収入の証明をする
逸失利益や休業損害は、交通事故に遭う前の収入を基準にして支払い額が決定します。収入額の証明ができなければ、最低限の補償しか受けられず示談金が少なくなってしまう可能性があるでしょう。
収入を証明できる書類を用意することも、示談金を増額するためのポイントです。
サラリーマンなどの給与所得者は源泉徴収票や賃金台帳を、フリーランスや自営業の人は確定申告書の写しや納税証明書などを用意しましょう。
出典:交通事故の慰謝料は示談金内訳のひとつ!示談金の内訳と慰謝料の増額方法 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/27759
示談交渉の流れ
交通事故が起きた場合、いきなり裁判になるのではなく、まず被害者と加害者の間で話し合って示談金などを決める(示談交渉)ケースがほとんどです。
交通事故の被害に遭うことは何度もあることではないため、示談交渉がどのように進むのか、交渉成立までの流れについて知らない、分からないという人は多いでしょう。
ここからは、示談の意味や示談交渉の具体的な流れなどについて紹介していきます。
示談の意味
示談とは、裁判によらず当事者同士が話し合いで、問題の解決をはかることを意味します。
交通事故が発生した場合、加害者は被害者が受けた損害を賠償しなくてはいけません。示談によって、慰謝料や治療費など示談金額や支払い時期、支払い方法などを決めていくことになります。
交通事故の示談交渉では、加害者本人ではなく加害者側の任意保険会社と被害者が解決に向けて話し合いするのが一般的です。
出典:交通事故の示談は方法と流れが重要!進め方をわかりやすく解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/35128
示談が成立するまでの期間
交通事故の示談交渉は、症状固定や完治してから開始されるのが一般的です。
示談開始から終了までの期間は事故状況により異なりますが、2ヶ月~1年程度かかってしまいます。後遺障害が残らない事故は半年程度、後遺障害が残った場合の事故は後遺障害等級認定から半年~1年程度、死亡事故の場合は半年~1年程度を目安に考えておくと良いでしょう。
重症になれば症状固定や治療終了までに時間がかかるため、交通事故発生から示談終了までの期間が長期化してしまうため注意してください。
出典:交通事故の示談にかかる期間の目安は?長くなる原因と対処法 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/22349#1-1
示談交渉の流れ
示談交渉は、症状固定や完治してから次のような流れで行われるのが一般的です。
1.加害者側の任意保険会社から被害者に示談案(示談金や示談条件)の提示が行われる
2.被害者が示談案を確認する
3.提示された示談金などが納得できない場合には、増額交渉を行う
4.示談案に納得できたら、合意する
5.双方が合意したら示談書もしくは免責証書を交わす
弁護士などの代理人を立てて示談交渉を行う場合は、最初から交渉に入ってもらえるように依頼しましょう。
出典:交通事故の示談は方法と流れが重要!進め方をわかりやすく解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/35128
示談書の書き方
示談が成立したら示談書を作成しましょう。示談書を作成することによって、後から言った言わないなどの争いを防止することが可能です。
一般的に示談書は、加害者側の任意保険会社が作成しますが、相手方に不信感を抱いている場合などには被害者側で作成することもできます。
自分で示談書を作成する場合、次に挙げる項目は必ず入れるようにしましょう。
・加害者と被害者の氏名・住所
・事故の詳細(発生日時・場所・事故状況・車両番号)
・示談条件(示談金額・支払い方法・支払期日・既払い金)
・違約条項(示談金の支払いが遅れた場合の取り決め)
・保留条項(示談成立後に後遺障害が発生した場合などに備えるもの)
・清算条項(示談により今回の事故による紛争が解決したことを示すもの)
出典:交通事故の示談は方法と流れが重要!進め方をわかりやすく解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/35128
示談交渉をするときの注意点
最後に、交通事故の被害に遭い示談交渉をするときの注意点を見ていきましょう。
交通事故で怪我を負ったり、後遺症が残ったりすると、気が動転してしまい冷静な判断ができない可能性があります。また、これまでに経験がない示談交渉に戸惑い、どのように対処したら良いか分からなくなることも考えられるでしょう。
そのような状況でも冷静な判断ができるように、以下で紹介する注意点に気をつけながら交渉を進めるようにしてください。
注意点①示談は後戻りできない
示談案に合意し、示談書に署名してしまうと基本的に後戻りすることはできません。示談の後戻り(撤回)ができるのは、詐欺や脅迫などの特別な事情がある場合だけです。
示談は後戻りはできないということを理解した上で、合意するか慎重に判断するようにしましょう。
もし、提示された示談案が妥当なものか自分で判断することが難しいという場合には、弁護士などに内容を確認してもらってから合意するようにしてください。
出典:示談交渉で注意すべき3つのポイント!損しないためにまずは弁護士へ相談しよう|弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所(東京弁護士会)弁護士 川崎公司
参照:https://vs-group.jp/lawyer/ko-tu-jiko/639.html
注意点②交渉の開始時期に気をつける
示談交渉の開始時期には注意しましょう。
治療中でも示談交渉は進められますが、この段階では治療費や慰謝料などの損害額が確定しておらず、正確な示談金額を算定できません。
治療中に合意してしまえば、もらえるはずの治療費がもらえずに、示談金額で損をしてしまう可能性があります。
適正な示談金を請求するためには、症状固定もしくは完治してから示談交渉を開始するようにしましょう。
出典:交通事故の示談にかかる期間は?早く終わらせたい場合の解決法も紹介|交通事故の慰謝料の相場は?計算機で通院期間別にシミュレーション|弁護士法人・響(ひびき)
参照:https://hibiki-law.or.jp/jiko/jidan/33781/
注意点③すぐに示談内容に合意しない
すぐに示談内容に合意しないということも大切です。
任意保険会社は被害者の味方になってくれるように感じますが、そうではありません。任意保険会社は加害者の代理で、少しでも支払う示談金額を少なくしようと考えています。
低く見積もった示談金額を提示してくることもあるため、すぐに合意せず金額が妥当であるかしっかり判断しなくてはいけません。提示された示談金額が妥当であるか判断できない場合には、交通事故に詳しい弁護士に交渉を任せた方が良いでしょう。
出典:示談交渉で注意すべき3つのポイント!損しないためにまずは弁護士へ相談しよう|弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所(東京弁護士会)弁護士 川崎公司
参照:https://vs-group.jp/lawyer/ko-tu-jiko/639.html
注意点④示談が成立しないこともある
示談は双方の合意があって成立するものです。加害者か被害者のどちらか一方でも示談金額などの条件に納得できないとなった場合には、示談は成立しません。
示談が成立しなければ、被害者は示談金を受け取れないため、交通事故紛争処理センターによる示談のあっせん、民事調停、民事裁判のいずれかの方法で解決を図る必要があります。
損賠賠償金の請求には時効がありますから、示談できない場合にはすぐにアクションを起こすようにしましょう。
出典:交通事故で示談しない場合に他の選択肢やリスクがある?|ベリーベスト法律事務所
参照:https://www.koutsujiko.jp/column/p061/
示談交渉は慎重に行おう
ここまで、示談金の意味や慰謝料の違い、計算方法などについて紹介してきました。交通事故の状況や被害者の怪我の程度によって支払われる金額が変わるため、示談金には明確な相場がありません。
自分の被害状況を精査して、各賠償金の項目を計算し、適切な賠償金を請求しましょう。 一度、示談してしまうと後戻りはできませんから、簡単に合意せずに、慎重に示談交渉を進めて示談金を受け取ることが大切です。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
交通事故の痛みの緩和に最適な通院先をご紹介!業界最高水準の通院サポートをご提供します。
記載されている内容は※2022年8月16日 09:02:00 ※時点のものです。
現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。