事故車を修理しないで現金を受け取れる?手順や注意点についても解説
事故車を修理しないで現金を受け取れるのかを解説します。保険金を修理費用に使わず、買い替えや他のことに充てることができるのかも説明!事故車を修理しないで現金を受け取る手順や見積もり方法や、請求する際の注意点などもまとめています。
目次
事故車を修理しないで現金を受け取れるかを解説
交通事故に遭って車が損傷すると、保険金を受け取ることができます。また、保険金額は、修理費用の見積もりに基づいて、決定されます。しかし、受け取った現金は、必ず修理費用に充てる必要があるのでしょうか?
本記事では、修理しないでも保険金を受け取れるのかを、解説します。また、保険金を請求する流れや、気を付けておくポイントも説明するため、参考にしてください。
事故車を修理しないで現金を受け取れる?
修理しない場合でも保険金は受け取れる
受け取った保険金は、必ず修理代に使わなければならないという、決まりはありません。買い替え資金に充てても、現金だけを受け取っておいても良いです。
受け取る保険金は、事故で損傷した車に対する損害賠償です。そのため、受け取った相手が修理に出さないことを、問題視することはなく、違法行為でもありません。ただ、修理しない場合でも、修理費用の見積もりだけは、出しておくと良いでしょう。
もし事故車を修理する場合、任意保険の「車両保険」に加入していれば修理費用に相当する保険金を受け取れます。では修理しない場合は請求できるのでしょうか。答えはYESです。車両保険金は発生した損害に対して支払われるもので、必ずしも修理は義務付けられていないからです。
出典: carnext.jp
受け取った現金を買い替え資金に充てることもできる
事故による車の破損が大きい、または修理代が高額になるときは、修理しないで買い替えを検討するのも良いです。特に車体の骨格部分が損傷した場合は、注意が必要です。骨格部分は、車の操縦性に関わる重要な部分になります。
骨格部分が一度歪んでしまうと、見た目は元に戻っていても、機能回復が難しいのです。修理後しばらくすると、まっすぐに走行できないなどの、トラブルが生じる可能性もあります。そのため、受け取った現金を、買い替え資金に充てるケースも多いです。
事故車を修理しないで現金を受け取る手順
手順①警察に通報
事故に遭ったら、まずは怪我人の救護措置をして、警察へ連絡をすることが重要です。相手側が警察へ連絡することを渋り、示談で済ませようとする可能性もあります。
しかし、怪我人の救護や警察への連絡は、道路交通法で定められた、運転者の義務です。これらの義務を怠ると、5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役を課せられることを、認識しておきましょう。
手順②加害者と自分の保険会社へ連絡
警察へ連絡をしたら、相手の免許証と車検証を確認して、必要事項を記録します。主な記録内容は、住所、氏名、自賠責保険会社、任意保険会社、車両ナンバーなどです。
また、それぞれに契約している保険会社にも、連絡してください。その際は、可能な限り詳細に事故の状況を伝えましょう。もしも、修理しない可能性が高い場合は、その旨伝えておくと、あとの手続きがスムーズに行えます。
手順③事故車の修理の見積もりをしてもらう
保険会社へ連絡をしたら、担当者が事故現場または修理工場の方へ、事故車の調査に来ます。警察の実況見分が終了していれば、事故車を修理工場へ移送します。修理工場は自分で決めても良いし、保険会社に紹介してもらうことも可能です。
また、修理を依頼する場合は、修理工場側が見積もりを行います。修理しない場合は、保険会社の担当者が、概算見積もりをするのが一般的です。保険会社によってやり方が異なるため、担当者としっかりコミュニケーションをとっておきましょう。
手順④保険金の請求書を提出する
概算見積もりを行ったら、保険金額が決まります。被害者は金額を確認してから、保険金を請求する手続きが必要です。
また、申請に必要な書類は、保険金請求書や事故証明書、事故車の写真などです。提出期限や必要書類も、保険会社によって異なるため、事前に確認してください。
手順⑤保険金を受け取る
必要書類を全て提出したら、保険金を受け取れます。受け取り方法は、指定口座へ現金で振り込まれるのが一般的です。保険金額は、車の時価や損害範囲内で、保険会社が決定しています。
そのため、中古者相場価格と同額になるわけではありません。振り込まれた現金が、見積もりの金額と同じであるかも、確認しましょう。
事故車を修理しないで現金を受け取るときの注意点
注意点①実際に修理するよりも補償金額が減る
修理しないで現金を受け取る場合は、実際に修理するよりも、補償金額が少ないケースもあります。なぜなら、修理しない場合は、保険会社の調査員が、概算で修理代の見積もりを出すからです。また、見積もりから調査費用を、差し引かれることもあります。
他にも、見積もり書に記載されている消費税は、補償金額には含まれません。実際は修理しないため、部品代や修理費用にかかる消費税は、必要ないからです。
注意点②免責金額を設定していると保証金額が減る
自動車保険には「車両保険の免責金額」という項目があります。免責金額とは、事故車の修理代の中で、自分が負担する金額のことです。免責金額を設定していると、保険料の支払いが安くなるため、契約時に設定する人もいます。
自分が加入している自動車保険は、免責金額を設定しているかどうかを、確認してください。もしも、免責金額を設定している場合は、修理しないで受け取れる現金が、少なくなる可能性が高いです。
注意点③翌年からの保険料が上がる
自分が加入している車両保険を使用すると、次年度の等級が1等級または3等級下がります。どちらの等級で下がるのかは、事故の内容によって決まります。1等級下がる場合は1年間、3等級下がる場合は3年間適用され、保険料が上がる仕組みです。
保険金を受け取った場合は、どのくらいの保険料が値上がりするのかを、事前に確認する必要があります。場合によっては、保険金を受け取らない方が良いこともあるため、しっかり検討しましょう。
事故車を修理しないでも現金を受け取ることはできる
交通事故による車の損傷で、保険金を受け取った場合、必ずしも修理費用に充てなくても良いです。買い替えをしても、ただ現金を受け取るだけでも、当事者に任されています。
修理しない可能性が高い場合は、保険会社に知らせておくほうが、あとの手続きがスムースです。ただし、状況によっては、保険金額が少なくなったり、次年度の等級が下がるリスクもあることを、認識しておきましょう。
この記事のライター
宮内直美
最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。
記載されている内容は※2022年5月9日 12:21:24 ※時点のものです。
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