事故であとから痛みが出たときの対処法を解説!賠償金についても

事故で、あとから痛みが出たときの対処法についてまとめました。あとから痛みが出たときに、どこで治療を受けたら良いのかも説明します。また、警察署で物損事故から人身事故へ切り替える方法や注意点も、解説しましょう。交通事故で受け取れる賠償金の種類もまとめています。

事故であとから痛みが出たときの対処法を解説!賠償金についても

目次

  1. 事故であとから痛みが出たときはどうすればよい?
  2. 事故であとから痛みが出る理由と症状
  3. 事故であとから痛みが出たときの対処法
  4. 物損事故から人身事故へ切り替える方法と注意点
  5. 事故であとから痛みが出たときに受け取れる賠償金
  6. 事故であとから痛みが出たら人身事故へ切り替える必要あり

事故であとから痛みが出たときはどうすればよい?

事故による首の痛みで治療を受けている女性
Karolina Grabowska Pexels

事故に遭った直後は、外傷や痛みがないため大丈夫だと思っていたら、あとから痛みが出るケースがあります。そのようなとき、どこで治療を受けたら良いのか、警察へ届けた方が良いのか判断に迷うものです。

本記事では、あとから痛みが出たときの適切な対処法を解説しましょう。対応に不足があると、慰謝料を請求できない場合もあるため、ぜひチェックしてみてください。また、すでに物損事故と処理されている場合の、人身事故への切り替え方法も説明します。

事故であとから痛みが出る理由と症状

交通事故に遭った直後は何も症状がなかったのに、あとから痛みが出てくることがあります。なぜあとから痛みが出るのか、どのような痛みの症状なのかを解説しましょう。

あとから痛みが出るのはなぜ?

事故で首が痛い女性
Karolina Grabowska Pexels

交通事故直後は精神的にダメージを負い、現実を受け入れきれず痛みを感じなくなることがあります。これは事故に遭った事実を受け入れたくないという、人間の防衛反応の一つだそうです。

しかし、事故から数日経ったときに、痛みの症状が出てきます。正確にいうと、事故直後から症状があっても、痛みに気付けない状態であったということです。

あとから痛みが出やすい症状

事故で首が痛い女性
shixart1985

交通事故で多く見られる症状の一つは、むちうちです。直後は痛みを感じなくても、あとから首が回らない、手が痺れるなどの症状が出てきます。また、追突の衝撃で頭部を強打している場合は、痛みの症状がなくても頭蓋骨の組織や脳を損傷していることがあります。

外傷がないので安心していると、脳内出血を起こしていたということもあり得るのです。痛みがなくても、あとから症状が出てくることもあるため、必ず病院で受診しましょう。

事故であとから痛みが出たときの対処法

交通事故であとから痛みが出た場合、いくつか行うべきことがあります。ここでは、どのように対応したら良いのか、具体的に説明していきましょう。

対処法①警察へ届け出る

道路を走っている警察の車
mattpopovich Unsplash

あとから痛みが出た場合は、賠償金を請求することができます。相手側に賠償金を請求するときに必要になるのが、交通事故証明書です。

交通事故証明書は警察に事故の届けを出さないと、発行されません。そもそも、交通事故に遭った場合は、道路交通法により警察に報告する義務があります。あとから痛みが出たことも考慮して、警察への報告を忘れないようにしてください。

出典:道路交通法の改正ポイント(全日本交通安全協会)

対処法②相手側の保険会社へ連絡する

話し合いをしている2人の女性
amyhirschi Unsplash

あとから痛みが出た場合は、加害者が加入している保険会社に、治療費や慰謝料を請求することができます。しかし、被害者が直後に痛みがなかった場合、保険会社側は治療費の支払いを想定していません。

あとから痛みが出てきたら、必ず保険会社に連絡をして現状を伝えておきましょう。また、その際に任意一括対応を要請しておくと、保険会社が病院へ直接治療費を支払ってくれます。

対処法③整形外科(病院)で治療を受ける

病院の看護師
jeshoots Unsplash

あとから痛みが出たら、まずは整形外科や総合病院で受診するようにしましょう。整形外科ではレントゲンやMRIを使って、骨や筋肉、組織など、細部に渡って検査を受けることができます。

また、賠償金を請求するときに重要になる診断書の作成は、病院の医師のみができます。最初から医師による施術でない整骨院へ行くと、診断書の作成をしてもらえないため、充分注意してください。

対処法④物損事故から人身事故へ切り替える

書類に記入をしている様子
Sozavisimost

交通事故直後に痛みがなかった場合は、すでに物損として処理されている可能性が高いです。あとから痛みが出たら、人身へ切り替え手続きを行いましょう。物損のままにしておくと、相手側の保険会社へ慰謝料を請求することができません。

また、人身事故に切り替えると、警察で実況見分調書が作成されます。この書類があると、過失割合の検証もスムーズに行われやすいです。状況によっては、加害者を刑罰に問うこともできます。

物損事故から人身事故へ切り替える方法と注意点

物損から人身へ切り替えるには、どのような方法をとったら良いのかを解説します。また、切り替えるときの注意点も参考にしてください。

物損事故から人身事故に切り替える方法

書類の手続きをしている様子
Andrea Piacquadio Pexels
  1. なるべく早く病院で受診し、診断書を作成してもらう
  2. 管轄の警察署へ電話をして、指定された日時に警察署へ行く
  3. 警察から事情聴取や実況見分を受ける
  4. 交通事故証明書が発行される

上記は物損から人身に切り替えを行う流れです。警察署の交通課へ行く際は、あらかじめ電話を入れておきます。連絡なしでいきなり警察署へ出向くと、必要書類に不足があったり、すぐに対応してもらえないかもしれません。

注意点①人身事故への切り替えはなるべく早くする

書類に記入をしている様子
godoycordoba

切り替え期間は、法律で定められている訳ではありません。しかし、痛みが出始めてから、切り替え手続きまでに時間がかかると、切り替えが難しくなることがあります。

時間が経つほど、交通事故と怪我による痛みの因果関係が証明しにくくなるからです。事故発生から1~2週間以内には、切り替え手続きを行うのがベストでしょう。

注意点②警察署へは被害者と加害者の双方が出頭する

話し合いをしている2人の男性
Sozavisimost

切り替え手続きを行う際は、原則的に被害者と加害者の双方が出頭します。加害者側が出頭を拒む場合は、警察や弁護士に相談すると良いです。

また、切り替えの連絡をした際に、警察から事故車を持ち込むように要請されることもあります。事故車が修理中あるいは走行不可の場合は、写真の提出だけで良いケースもあるため、事前に警察へ相談しておきましょう。

注意点③署名押印は慎重に行う

書類にサインをしている様子
naor4040

切り替えを行う過程で、警察による事情聴取や実況見分が行われます。それらの結果をまとめたものが、実行見分調書や供述調書です。

これらの書類は、あとから支払われる賠償金の金額に大きく関わってきます。そのため、警察から事情聴取を受けるときは、曖昧な記憶で適当に返答しないように注意してください。

作成後は、当時者の署名押印が必要になります。実況見分調書や供述調書の内容に納得がいかない場合は、すぐに署名押印に応じずに、主張するべきところはしっかりとしましょう。

事故であとから痛みが出たときに受け取れる賠償金

交通事故であとから痛みが出た場合、どのような種類の賠償金が受け取れるのでしょうか?ここでは、物損と人身に分けて、受け取れる賠償金について解説します。

賠償してもらえる損害の種類

お札が丸めて置かれている様子
NikolayFrolochkin

賠償してもらえる損害の種類は、積極損害と消極損害、精神的損害の3種類があります。積極損害は事故に遭ったことが原因で、被害者が必要になった支出に対する損害です。物損の場合は修理費、人身の場合は治療費などが該当します。

消極損害は、事故に遭ったことが原因で、被害者が得られるはずの利益の損失のことです。事故によって休業が必要になった、休業補償が該当します。

精神的損害は事故に遭ったことが原因で、被害者が受けた精神的苦痛に対しての損害です。これを補償するために、慰謝料が支払われます。ただし、慰謝料は物損では支払われません。

賠償金の内訳①物損事故の場合

ブレーキランプが付いた車両の後ろ部分
visionofkai Unsplash

積極損害

修理費、評価損、代車使用料、レッカー代、買い替え費用、買い替え手数料

消極損害

休業損害

上の表は、被害者が受け取れる物損事故による、賠償金の内訳費用です。買い替え費用や買い替え手数料が補償されるのは、修理不能あるいは全損のときに限ります。また休業損害は、事故被害車両の代替性がないときが対象です。

賠償金の内訳②人身事故の場合

車いすに乗っている男性
stevepb

積極損害

治療費、入院雑費、付添看護費用、通院交通費、葬儀費用など

消極損害

休業損害、後遺障害逸失利益

精神的損害

入通院慰謝料、後遺障害慰謝料

上の表は、被害者が受け取れる人身事故による、賠償金の内訳費用です。後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料は、後遺障害等級に認定された後で受け取れる賠償金になります。

事故であとから痛みが出たら人身事故へ切り替える必要あり

車の横で座り込んでいる女性
Gustavo Fring Pexels

事故であとから痛みが出たときの、対処法を解説しました。痛みの症状が出たら、速やかに病院へ行くことが大切です。その際には、必ず医師に診断書の作成を依頼しましょう。

また、診断書を取得したら、物損事故から人身事故への切り替え手続きを、警察署で行います。あとから痛みが出た場合は、適切な対応をして賠償金も請求しましょう。

宮内直美

この記事のライター

宮内直美

最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。

記載されている内容は※2022年3月22日 08:53:52 ※時点のものです。

現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

この記事へコメントしてみる

※コメントは承認後に公開されます
コメント投稿ありがとうございます。
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。

関連記事

交通事故で坐骨神経痛になった!治し方・慰謝料について解説

通事故で坐骨神経痛になった場合、どうすればいいのでしょうか。本記事では交通事故で坐骨神経痛になった場合の有効な治し方や、坐骨神経痛の概要、交通事故による坐骨神経痛の慰謝料について解説していくため、参考にしてみてください。

交通事故の診断書は必要?提出先や提出しないデメリットを解説

交通事故に遭った際に作成してもらう診断書は、どこに提出する必要があるのでしょうか? この記事では、診断書の重要性や、提出先などをまとめています。 診断書の必要性について、詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

整形外科のリハビリをやめるタイミングとは?リハビリの通院期間を解説

整形外科でのリハビリをやめるタイミングとは、いつごろになるのでしょうか。 本記事では、整形外科のリハビリに通う目安や期間、リハビリをやめるタイミングなどを紹介しています。 リハビリ期間に迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

むちうちが治らない時はどうすればいい?対処方法を詳しく解説

交通事故でむちうちになり、治療を続けていても、なかなか治らず、お困りの方も多いのではないでしょうか? この記事では、むちうちの症状が治らない場合の対処方法について、まとめています。 むちうちの症状が治らず、今後の対処方法にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

交通事故による骨盤骨折の後遺症について解説!慰謝料の相場も紹介

交通事故の骨盤骨折で後遺障害等級を認定してもらうためにはどうしたら良いのでしょう。この記事では、交通事故の骨盤骨折による後遺症で認定される後遺障害等級や等級申請の手順、慰謝料の相場などを紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

骨挫傷で症状固定になったら後遺症は出る?慰謝料についても説明

骨挫傷で症状固定になったら後遺症は出るのかを解説します。骨挫傷の主な症状や治療内容、症状固定までの時期の目安も説明!また、交通事故による骨挫傷で後遺症が残った場合の、後遺障害等級認定や後遺障害慰謝料についてもまとめています。

症状固定とはどういう意味?時期の目安や損害賠償についても紹介!

症状固定とはどういう意味であるのか、詳しくまとめました。交通事故による怪我の種類別にみた、症状固定の時期の目安も解説!症状固定後の治療費はどうなるのか、後遺障害等級認定や後遺障害慰謝料についても説明するため、参考にしてください。

労災認定後に症状固定になったらどうする?対処法や給付金額を解説

労災認定後に症状固定になったとき、取るべき手続きや対処法について詳しく解説します。症状固定のしくみを説明!また、後遺障害手続きに必要な申請書類や様式、等級ごとの給付金額も合わせて紹介します。症状が再発した後の労災認定要件もまとめているため参考にしてください。

側面に衝突された際のむちうちの症状とは?検査内容や治療法も解説

側面に衝突されたときに現れるむちうちの症状について解説します。 また、検査内容や治療法、後遺障害等級認定についてもまとめています。むちうちになってしまった方は、ぜひ参考にしてみてください。

交通事故で足の痛みが続くのはなぜ?原因や受けるべき検査を解説

交通事故で足の痛みが続く原因を徹底解説します。骨折や膝関節のしびれ、椎間板ヘルニアなど、症状によって受けるべき検査も紹介!また、交通事故による足の痛みで後遺障害が残った場合の、等級認定や慰謝料についても説明するため、参考にしてください。

交通事故の怪我・症状の人気記事

よく読まれている記事