整形外科の医師が診断書を書いてくれない理由は?対処法についても
整形外科の医師が後遺障害等級認定に必要な診断書を書いてくれない理由について、解説します。交通事故に遭遇して怪我をした場合の治療の経過や症状が記載された診断書を整形外科の医師が書いてくれない場合の対処法も紹介しているので、参考にしてください。
目次
整形外科の医師が診断書を書いてくれない理由や対処法を解説!
交通事故に遭遇して、むちうちなどの症状があらわれ、症状が残った場合、後遺障害等級認定を申請する人も多いでしょう。後遺障害等級認定を受けることで、交通事故の加害者に対して、慰謝料や逸失利益の損害賠償を請求することが可能です。
後遺障害等級認定を受けるためには、医師が発行する診断書が必要です。また、後遺障害等級認定だけではなく、会社や学校を休む際にも、診断書に必要になるケースがあります。
本記事では、整形外科の医師が診断書を書いてくれない理由や、書いてくれない場合の対処法について解説しているので、参考にしてください。
整形外科の医師が作成する診断書とは?
診断書の内容と発行にかかる料金
診断書とは、医師が作成する公的書類のことです。患者の症状についての所見などを記載する書類で、診察した医師しか作成できません。
診断書には決められた形式がなく、施設によって内容が異なります。医師が判断した病名などが記載されるのが一般的ですが、必要に応じて初診年月日や休養期間、治療方針などが記載されます。うつ病など心の病気に関しても、病名や治療内容などを記載します。出典: welsa.biz
診断書は、医師が発行する書類で、証明書と呼ばれることもあります。診断書の発行は、医師免許を有した医師のみ可能です。交通事故でけがをした場合、通院先として整骨院や接骨院を選ぶ人も少なくありません。
整骨院や接骨院では、柔道整復師が施術を行います。医師免許を持っていない柔道整復師が施術するため、診断書の作成は認められていません。診断書の内容は、診断書を使用する目的によって異なり、不必要な項目に関しては記載されません。
医師は、患者から診断書の発行を依頼された場合は、正当な理由がない限り拒否できないと定められています。また、該当患者のみが依頼できるため、会社や学校が患者の承諾なしに依頼することはできません。
診断書の発行にかかる費用は、医療機関によって異なります。一般的には、2,000~10,000円程度の費用が必要です。また、作成期間は即日~2週間ほどかかる場合があります。
診断書の必要性
会社を休業する際や学校を欠席する際に、会社や学校から診断書の提出が求められます。目的によって診断書に記載される内容が異なるため、診断書の使用用途を正確に医師に伝える必要があります。
療養期間などの記載は、医師が初診時に診断書に記入することが可能です。しかし、感染症などの治癒時期を記載する場合は、必ず再診する必要があります。
後遺障害認定を受けるために必要
後遺障害認定を受けるためにも、診断書が必要です。交通事故などで身体に痛みなどの症状があらわれ、治療を続けていたにもかかわらず、後遺症が残ったというケースも少なくありません。
後遺症が残った場合、後遺症に見合った損害賠償を受け取る必要があります。後遺障害認定を受けるためには、後遺障害診断書が必ず必要となり、診断書がない場合は損害賠償を1円も受け取れなくなります。
整形外科の医師が診断書を書いてくれない理由
理由①固定症状に達していない
固定症状に達していない場合は、整形外科の医師が診断書を書いてくれない場合があります。固定症状とは、治療を継続しても回復が見込めない状態という意味です。
固定症状に達する時期は、傷病の種類や程度によって異なります。交通事故でむちうちの症状があらわれた場合は、事故から半年以上の治療を経て、固定症状に達したと判断されることが一般的です。
診断書を作成してしまうと、治療を続けても回復しないと判断することになります。そのため、回復の見込みがある場合は、診断書を作成することはできません。
また、診断書作成後に通院した場合は、交通事故と関係ないと判断されます。固定症状に達すると、作成してくれるケースが多いため、作成されないことに不安を感じる心配はありません。
理由②短期間しか治療の経過を診ていない
転院して間もない場合や複数の病院に通院している場合、医師は短期間の治療経過しか診られません。このような場合、整形外科の医師は、治療期間のすべてを診ていないから、診断書が書けないと言われる可能性があります。
医師の治療方法に不安を感じて転院するケースも少なくありません。しかし、転院先の医師は、患者の交通事故直後の怪我の状態を把握できていないため、責任をもって診断書を書けないと判断することがあります。
引っ越しや医師の治療方法に不安があり、転院を検討している場合は、事前に転院後に診断書の作成が可能か確認しておくと良いでしょう。
理由③後遺障害が残っていない
治療がうまくいったため、後遺障害がないと判断されることもあります。後遺障害が残っていない場合も、整形外科の医師に診断書の作成を拒否される可能性があります。
医師にとって、しっかりと治療をして、患者が完治している状態が理想です。完治しているにもかかわらず、後遺障害等級認定のための診断書の作成を求められると、不快に感じる医師も少なくありません。
理由④診断書を書いたことがない
診断書を書いたことがないといった理由で書いてくれないケースも考えられます。また、診断書作成の時間がとれない、争いごとに関わりたくないという思いから、作成を拒否する医師もいます。
このような理由で拒否された場合は、医師とコミュニケーションを取ることで解決できることが多いです。診断書を書いてもらえない場合は、なぜ作成できないのか理由を尋ねてみましょう。
整形外科の医師が診断書を書いてくれない場合の対処法
対処法①体に残った症状を医師に伝える
診断書の作成は患者自身の自覚症状も重要です。自覚症状は自分にしか分からないため、自覚症状を明確に医師に伝えましょう。現時点でどのような症状が身体に残っているかを医師に診断書の作成を依頼してください。
診断書を書いたことがないという理由で拒否された場合は、決められた書式があることを伝えましょう。
対処法②治療を続ける
原則として、診断書の作成は治療終了時点で患者を診ている医師が作成します。そのため、短期間しか治療していないからといって、医師が書類の作成を断る理由にはなりません。
短期間しか治療の経過を診ていないといわれた場合は、医師が治療完了と判断するまで治療を続けましょう。固定症状が達するまで、医師の指示に従って治療を継続してください。
対処法③弁護士に依頼する
医師が診断書の作成を拒否し続ける場合は、弁護士への依頼を検討しましょう。弁護士に依頼することで、弁護士から医師に診断書を作成してくれるよう説得してくれる可能性があります。弁護士が診断書の必要性を医師に伝えることで、スムーズに話が進むことがあります。
また、手間のかかる被害者請求手続きの依頼も可能です。被害者請求手続きは、さまざまな資料が必要で、資料集めだけでも苦労します。また、被害者が交通事故の後遺症を残している場合は、さらに手間がかかります。
被害者請求手続きに慣れている弁護士に依頼することで手続きをスムーズに進められるでしょう。弁護士は、どの資料を集めればよいかアドバイスしてくれることもあります。
また、弁護士に交通事故後の交渉を依頼することも可能です。日常生活を送りながら、交通事故の相手側の保険会社と交渉を続けるのは、かなりの負担がかかります。
弁護士に依頼することで、賠償金が増え、ストレスのかかる交渉を任せられるというメリットがあります。
診断書の作成は患者側の協力も必要
診断書の作成は、医師に任せておいて問題ないと考える人も多いですが、患者側の協力も必要です。医師は、診察や手術、治療などのさまざまな仕事をしながら、診断書の作成を行います。
患者が書類の作成に協力することで、内容の精度が高まり、後遺障害等級認定にも有効な内容になるでしょう。
交通事故で腰の痛みがある場合は、ただ腰がしびれると伝えるのではなく、雨の日に腰のしびれが強くなると、詳しく伝えてください。また、腕が曲がらない場合も、腕が90度までしか曲がらないと伝えましょう。
ドクター交通事故では交通事故患者の対応数が多い整骨院や整形外科の案内を行っているので、診断書の取得や通院でお悩みの場合は一度相談してみてはいかがでしょうか。
整形外科の医師が診断書を書いてくれない場合もある
整形外科の医師が診断書を書いてくれない理由や対処方法について、詳しく説明しました。
固定症状に達していない場合や、短期間しか通院していない場合は診断書の作成を拒否される場合があります。医師が診断書を書いてくれない場合は、医師の指示に従って治療を続けましょう。
この記事のライター
M.U
システムエンジニアの経験もあり、パソコンやプログラミングも興味がある、主婦ライターです。 休日は子どもとお出かけをしたり、料理や工作をして楽しんでいます。 さまざまな知識をいかして、多くの情報を発信していきます!
記載されている内容は※2022年2月8日 11:25:36 ※時点のものです。
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