クリープ現象で起こる事故とは?原因や対処法も紹介
このコラムでは、クリープ現象が発生する理由や、クリープ現象で怪我を負った場合の対処法についてまとめています。 クリープ現象による事故を防止するための方法も解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「クリープ現象って何だろう?」
「クリープ現象による事故ってどんな風に起こるの?」
「クリープ現象が原因の事故で怪我したらどうすればいいの?」
「クリープ現象」という言葉について、よくわからない人も多いでしょう。
この記事では、オートマチック車(AT車)で起こるクリープ現象について解説していきます。クリープ現象による事故の原因と怪我をした場合の対処法、さらに、クリープ現象による事故を防ぐための注意点もまとめていきます。
この記事を読むことで、クリープ現象について正しく理解できるため、クリープ現象による事故を防ぐための対策が行えるでしょう。さらに、万が一クリープ現象による事故が起きたとしても、対処方法を知っておくことで落ち着いた対応ができることでしょう。
オートマチック車を運転していて、クリープ現象について知りたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
クリープ現象とは?
クリープ現象は、オートマチック車限定で起こる現象で、マニュアル車(MT車)では起こりません。
オートマチック車の場合はブレーキペダルから足を離しただけで車が進みます。この現象のことをクリープ現象といいます。
クリープ現象のクリープとは、「のろのろとした」などという意味のcreepingからきており、その名の通り、車がゆっくりと発進する現象です。
オートマチック車のギアが、パーキング(P)、または、ニュートラル(N)の時以外は、ブレーキペダルを離すとクリープ現象が起こります。クリープ現象の速度は速くなく、時速約5~10km程度といわれています。
また、クリープ現象の速度は速くありませんが、事故の原因になりますし、場合によっては怪我を負わせてしまうこともあるでしょう。そのため、停車中も運転に集中しておくことが大切です。
クリープ現象はなぜ起こる?
ブレーキペダルから足を離すとゆっくり動き出すクリープ現象は、オートマチック車を運転したことがある人ならば誰でも経験する現象です。
オートマチック車では、発進時のスムーズさと変速時間を短縮することを目的に、トルクコンバーターという、動力をエンジンからトランスミッションへ伝える動力伝達装置が使われています。
これにより、停止時でもエンジンがかかっている場合には、トルクコンバーターからタイヤに動力が伝わるため、クリープ現象が起こります。
クリープ現象で事故が起こる原因
クリープ現象は、オートマチック車であれば、よくある現象ですし、これをうまく活用することで、燃費消費量を抑えられるでしょう。
しかし、ブレーキペダルを離すタイミングが早かったなど、クリープ現象によって、事故が発生してしまうこともあります。
では、クリープ現象が原因で事故が起きる場合について解説していきます。
パニックによるペダルの踏み間違え
まず挙げられるのが、パニックによるペダルの踏み間違いです。
クリープ現象が起き、停車時に少しずつ前の車に近づいていたとしましょう。最初はそのことに気づかずに、前方の車が接近してきてから気付くとどうしても慌ててしまいがちです。
その結果、ブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えて、勢いよく前の車にぶつかってしまうことがあります。
パニックになると、ブレーキペダルだと思い込んで、アクセルペダルを踏み続けてしまうことなどが考えられます。
ブレーキペダルの踏み方が甘い
オートマチック車は、ブレーキペダルを踏むことで停車していますが、何かのきっかけでブレーキペダルの踏み方が甘くなってしまうとクリープ現象が起きてしまいます。
たとえば、何か考え事をしていたり、車内に落ちたものを拾おうとしていたりすると、気が付かない間にブレーキペダルの踏み方が甘くなってしまうことがあるでしょう。
その結果、車がゆっくりと発進してしまい、前方の車などにぶつかるという事故につながってしまいます。
クリープ現象による事故は受傷否認されやすい?
クリープ現象による事故の場合、「衝撃が少ないので怪我をするわけがない」と加害者側が主張するケースがあります。確かに、事故の衝撃が少ない場合には、車の損傷もわずかでしょう。
軽微な事故の場合は、加害者側の保険会社が、事故と怪我の因果関係を否定してくる可能性が高くなります。
クリープ現象で追突事故が起きても、この程度の事故では怪我をしないと判断されることがあるため注意が必要です。
また、保険会社から因果関係を疑われた場合は、医師に診断書を作成してもらい、事故で負った怪我であることを主張していきましょう。
クリープ現象による事故で怪我をした場合の3つの対処法
アクセルを踏まずに、クリープ現象で車が動いているときの速度はそれほど速くありません。そのため、クリープ現象が原因で事故が起きても、車体の損傷は少ないケースもあるでしょう。
衝撃が少ないため、クリープ現象が原因で怪我をしても、事故との因果関係を証明することは困難だといわれています。
そこで、クリープ現象による事故での怪我を受傷否認されないためにするべき3つの対処方法について、解説していきます。
1:軽い追突事故でも整形外科を受診する
追突事故で多い怪我が、むちうちです。むちうちは、事故から数日経って痛みが出てくることも少なくありません。軽微な事故だから怪我をしていないと思い込んでも、後から痛むこともあります。
もしも痛みや違和感を感じたら、すぐに整形外科を受診することが大切です。事故と怪我の因果関係を証明するために必要な診断書を医師に作成してもらいましょう。
事故から期間が開くほど、事故と怪我との因果関係を証明することは難しくなります。そのため、事故に遭ったらすぐに整形外科を受診しましょう。
2:治療費の打ち切りに注意する
むちうちの一般的な治療期間は、約3~6か月といわれています。そのため、治療を始めてから3か月経過後に、加害者の保険会社から、治療費打ち切りを打診されることがあります。
これに同意してしまうと、保険会社が治療費を病院に直接支払っていた対応がなくなってしまいますし、通院を継続する場合は、自己負担となってしまいます。
そのため、保険会社から治療費打ち切りを打診されても、すぐに承諾することはやめましょう。
3:適切な頻度・期間を通院する
治療費を打ち切られないためには、怪我が治るまでしっかり通院することが大切です。
また、医師の指示に従って、適切な期間・頻度で通院することが必要です。
もし、通院頻度が少ない(月に2回など)場合には、治療の必要性がないと判断され、保険会社から治療費打ち切りを打診されてしまうでしょう。
また、適切な賠償金を受け取るためにも、治療に必要な期間は、適切な頻度で継続して通院しましょう。
そのため、怪我が完治するまで、または、医師に症状固定と診断されるまでは継続して通院していきましょう。
クリープ現象で起こる事故を防ぐには
クリープ現象自体を防ぐことはできませんが、運転時にちょっとした工夫をすることで、クリープ現象による事故を防止できるでしょう。
クリープ現象による事故は、主に運転中の一時停止時に起こることが多いです。
そこでここからは、事故を防ぐための停止中に気を付けるポイントについて説明していきます。
渋滞の時はニュートラルやサイドブレーキを使う
クリープ現状による事故に最も気をつけたい場面は、渋滞時です。
渋滞中、ずっとブレーキペダルを踏んでいると、つい集中力が下がり、踏み込みが甘くなることがあります。その結果、気付かないうちに車が動いていて事故になることがあるでしょう。
渋滞に巻き込まれ、車が動くまでに時間がかかりそうな場合は、ニュートラルや、サイドブレーキを使って停車するようにするとよいでしょう。ブレーキペダルを踏み続けるという負担を無くすことができます。
ただし、渋滞時でも車がこまめに動くときには、ギアチェンジの操作ミスで事故が発生する場合もあるため、ニュートラルやサイドブレーキを使う際には、操作にも注意しましょう。
発進・停車時は特に集中する
運転中は、運転に集中することが基本的なルールです。それに加えて、発進時・停車時は特に運転に集中するようにしましょう。
運転に慣れている人は、停車時に車内のものを取ったり、周りの景色が気になったりと、慣れているからこそ集中力が切れてしまうことがあります。発進・停車時はクリープ現象が起きやすく、それによる事故も起きやすいことを忘れないようにして、注意力を保つことが大切です。
集中力が切れてしまうと、ブレーキペダルの踏み込みも甘くなりがちです。運転に疲れて、集中力が落ちてきたと感じるときには、しっかりと休憩を取ることも事故防止に繋がるでしょう。
クリープ現象で起こる事故の原因を理解しておこう
クリープ現象は、オートマチック車を運転していると起こる現象です。クリープ現象自体は上手く利用すると燃費向上にも繋がりますが、わずかな不注意で事故が起こってしまうこともあります。
また、クリープ現象による事故で怪我をした場合は、受傷否認される可能性が高くなります。受傷否認されないためには、医師の診察を受けて、指示通りに通院しましょう。
クリープ現象による事故を防ぐためには、停車時もしっかりと運転に集中することが求められます。クリープ現象について正しく理解し、思わぬ事故を引き起こさないような運転を心がけることが大切です。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
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記載されている内容は※2023年1月26日 14:14:58 ※時点のものです。
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