追突事故の違反点数はどのくらい?免許取り消しや罰金などの処分も解説
追突事故を起こした時の違反点数について詳しく解説します。物損と人身で異なる、点数の違いを説明!免許の取り消しや停止、罰金などの処分内容も合わせて紹介します。また、追突事故での民事罰や刑事罰についても挙げていきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
追突事故の違反点数と処分について解説
自動車などの運転中に交通違反を犯した場合、その違反に対して点数が加算されます。万が一、あなたが加害者として追突事故を起こしてしまった時、点数はどのように加算されていくのでしょうか。
この記事では、怪我人を伴う人身事故と、怪我なしの物損事故に分けて、追突事故で加算される点数や罰金、運転免許への影響を紹介します。
追突事故の違反点数【人身事故】
はじめに、人身事故となった追突事故による違反点数について説明します。人身事故では、被害者に怪我であったり、最悪の場合は死亡するような生命の危険を与えていることから、より厳しい責任を問われます。その責任の重さを数値化したのが、違反点数ということができます。
違反点数の種類
追突事故などでの人身事故の違反点数は、基礎点数と付加点数の合計値となります。基礎点数は、加害者の違反内容に応じた一定の点数です。一方、付加点数は、被害者の負傷の状態や、被害者にも過失があったかどうかで点数が変わってきます。
基礎点数の一覧
基礎点数の一覧について、表にまとめました。追突事故などの交通事故では、この点数を基準としており、加害者が以下に該当する違反をしていた場合に自動的に付加されます。
もしも、一つの追突事故につき2つ以上の違反があった時は、それらの点数を全て加算します。また、酒気帯び運転による違反の場合は、全ての違反が血中アルコール濃度0.25未満で13点、0.25以上で25点の扱いです。
安全運転義務違反 (わき見・よそ見・漫然運転など) | 2点 |
---|---|
無車検運行・無保険運行 | 6点 |
大型自動車等無資格運転・ 免許運転違反 | 12点 |
時速30km以上の速度超過(一般道)・ 時速40km以上の速度超過(高速道) | 12点 |
酒気帯び運転(0.25未満) | 13点 |
酒気帯び運転(0.25以上) | 25点 |
無免許運転・過労運転など | 25点 |
共同危険行為等禁止違反 | 25点 |
酒酔い運転・麻薬等運転・ 救護義務違反(ひき逃げ) | 35点 |
付加点数の一覧
次に、付加点数の一覧表を示します。付加点数は、被害者の負傷の状態により、最も軽い軽傷(2)から最も重い死亡までの5段階に分けられています。ただし、被害者側にも過失が認められた場合は所定の点数分減点されます。
被害者の負傷の状態 | 違反点数 (相手方過失なし) | 違反点数 (相手方過失あり) |
---|---|---|
軽傷(2) (治療期間15日未満) | 3点 | 2点 |
軽傷(1) (治療期間15日以上30日未満) | 6点 | 4点 |
重症(2) (治療期間30日以上3カ月未満) | 9点 | 6点 |
重症(1) (治療期間3カ月以上、後遺障害あり) | 13点 | 9点 |
死亡 | 20点 | 13点 |
追突された側に過失割合が付くケース
追突事故では、過失割合が加害者にのみ付くのが原則的な処理となります。しかし、被害者に明らかな過失があった場合は、被害者側にもいくらかの過失割合が認められることがあります。
具体的なケースとしては、ブレーキランプの故障、夜間にハザードランプを点灯しないまま停車する、駐車禁止場所での駐車などです。また、後続車からは死角になる位置での事故や、追突事故の原因が被害者側の急停車によるものも含まれます。
追突事故の違反点数【物損事故】
次は、追突事故が物損事故となった場合の違反点数をみていきましょう。物損事故では、追突事故でも違反点数が加算されるケースと、されないケースに分かれます。
基本的には違反点数なし
追突事故であっても、怪我をした被害者がいない物損事故であれば、基本的には違反点数は付加されません。
ただし、事故により損壊してしまった物の所有者に対しては、弁償をする必要はあるでしょう。弁償にかかる費用は、任意保険に加入していれば担当者に連絡し、処理を一任するのも一つの方法です。
違反点数が加算されるケース
物損事故でも、悪質性が認められると違反点数が加算されます。具体的には、家屋やビルといった建築物に対する追突事故を起こした場合や、警察に通報せず現場を立ち去った場合です。物損事故を起こしたことを警察に報告しなかった場合は、当て逃げ事故として処理されます。
また、加害者が酒酔いや居眠り、薬物摂取状態で運転していた場合や、一般道で時速30km以上の速度超過をするといった危険運転も該当します。このほか、無免許運転も違反点数の加算対象です。
追突事故の違反点数加算による処分
追突事故によって違反点数が加算されると、その点数によってさまざまな処分が加害者に下されます。いずれも、運転免許の扱いに対して影響を与えるものです。具体的な事例をみていきましょう。
ゴールド免許の取り消し
ゴールド免許(優良運転者免許証)は、5年間の無事故・無違反を達成したドライバーに対して与えられます。追突事故を起こした加害者がゴールド免許の保有者であった場合は、その資格を失います。
ただし、一般の免許であるブルー免許が交付されるのは、次回の免許更新のタイミングです。つまり、追突事故を起こした後も、次回の免許更新日まではゴールド免許を保持できます。
免許の停止
人身事故などの追突事故を起こした加害者には、基礎点数と付加点数に応じた違反点数が課されます。もし、この追突事故の前に他の交通違反を起こしていた場合、累積で6点以上14点以下の違反点数となり、免許停止処分が下されます。
免許停止期間は、それまでの免停歴と累積違反点数によって変わり、最長は免停歴4回以上・累積3点の場合で180日間の免停です。
免許の取り消し
追突事故により、累積点数が15点を超えると免許が取り消されます。取り消し処分を受けると、一定の欠格期間ができ、その期間中は免許の再取得ができません。欠格期間は、過去の免停歴と、追突事故の原因となった違反の種類によって変わります。
欠格期間は、最短となる免停歴なし・一般違反行為による累積15点の状態でも1年です。危険運転致死傷や飲酒運転などの特定違反行為による追突事故で免停となった場合は、最長で10年となります。
追突事故の民事処分と刑事処分
追突事故を起こした場合の処分は、民事処分と刑事処分に分かれます。それぞれ、どのような処分が下されることになるのかをみていきましょう。
民事処分による損害賠償
追突事故における民事処分としては、加害者は被害者に対して損害賠償を行うことになります。損害賠償の請求権には時効があり、人身事故は5年、物損事故では3年にわたって請求をしなかった場合、その請求権は消滅します。
また、追突事故の被害者は、加害者が加入している自賠責保険や、自らの人身傷害保険会社に保険金を請求でき、この期限も3年です。
なお、追突事故のなかには、当て逃げなどで加害者が不明な場合もあります。この場合、追突事故の翌日から数えて20年、または加害者判明後、人身事故5年・物損事故3年のいずれか早い日を時効の日とします。
刑事処分による罰金と禁固・懲役刑
刑事処分は、追突事故により被害者が死亡したり、怪我を負った場合に下される処分です。追突事故では、被害者が死亡した場合で懲役または禁固7年以下、罰金100万円以下のいずれかが課されることになります。
また、被害者が全治3カ月以上の怪我を負った、または後遺障害が残った場合は、懲役・禁固7年以下または50万円以下の罰金です。
一方、治療期間が3カ月未満であれば、治療期間に応じた罰金刑が課されます。このほか、建造物を損壊させた物損事故でも、最高20万円の罰金刑となります。
追突事故の違反点数を知っておこう
追突事故で加算される違反点数は、加害者の違反内容によって大きく変わってくることが分かりました。また、人身事故では免許の停止だけでなく、取り消し処分とその後の欠格期間中は、免許の再取得もできません。
物損事故でも、建築物の破壊を伴ったり、危険運転での追突事故となれば、相応の違反点数が付加されたり、刑事処分として罰金刑も課されます。追突事故をはじめとした、交通事故とは無縁の安全運転を心がけましょう。
もし追突事故に遭ってしまった場合は一度ドクター交通事故に相談してみてください。
交通事故の通院についての相談や、治療院の紹介〜初回予約までを行ってくれます。
この記事のライター
東雲修
世の中の「ちょっと気になること」を日々集めて、読者の皆様に分かりやすく解説していきます。交通事故での「困った!」が、「分かった!」に変わる助けになれば幸いです。
記載されている内容は※2022年2月15日 11:21:05 ※時点のものです。
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