転倒でむちうちになる?原因や対処法・医療機関受診の目安も紹介
スポーツ中の転倒など、交通事故以外でもむちうちを発症することをご存じでしょうか。 この記事では、転倒中に起こるむちうちの原因や症状、自宅でできる対処法などについて紹介しています。「むちうちなのでは?」と感じる症状がある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
「転倒しただけでもむちうちになるって聞いたけど、本当?」
「むちうちの症状が出た場合には整形外科に行ったら良いの?」
「むちうちの症状が出たけど、自宅でできることはある?」
何らかの拍子で転倒したことが原因でむちうちになることがあります。むちうちの症状を感じた人の中には、このようなたくさんの疑問があるのではないでしょうか。
この記事では、むちうちの原因や症状、病院を受診する目安、自宅でできる対処法などを紹介しています。
この記事を読むことで、むちうちの原因や対処法などを把握できるため、むちうちの症状が出た場合でも慌てることはなくなるでしょう。
むちうちの症状が出ており、対処法に悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
転倒しただけでもむちうちになる?
むちうちというと、車に乗っているときに後ろから追突されたなど、交通事故を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、むちうちの原因は交通事故によるものだけではありません。むちうちが起こる原因はさまざまで、スポーツ中に転倒した、階段を踏み外したなど、日常生活の中にもさまざまな要因が潜んでいます。
以下では、むちうちが起こる交通事故以外の原因を詳しく紹介していきます。
衝撃を受けた日から数日経過して症状が現れることもあるため、自分で判断することはせず医師に診察してもらいましょう。その際には自宅でできるセルフケアの方法も聞いてみるとよいでしょう。
転倒でむちうちになるとき
日常生活での転倒や、スポーツ中の転倒などで転んだり、強い衝撃を受けたことが原因で、むちうちになることが考えられます。
例えば、雨で濡れた路面で足を滑らせて転倒したとき、階段を踏み外して転倒したとき、スキーやスノーボードなど転倒の多いスポーツ中などが挙げられます。
日常生活にも、むちうちのリスクが潜んでいることを理解しておきましょう。
むちうちの主な症状
むちうちは、受傷当日や、2~3日経ってから症状が現れる場合が多いと言われています。当日に症状がなかったから大丈夫と安易に考えるのは危険でしょう。
むちうちの症状には、頚椎・首回り・腕・頭部の痛みや痺れ、首・肩・背中の凝り、可動域の変化、耳鳴り、めまい、吐き気、目のかすみ、眼精疲労、疲労感、倦怠感といったさまざまなものがあります。
首に衝撃が加わり、これらの症状が出てきたら、むちうちではないかと、一度疑ってみてください。
むちうちになる原因
むちうちは、「鞭打ち」と漢字で表現されることがあるように、鞭がしなるように首に不自然な力が加わることが原因で起こります。
首は、重要な神経が集中している部位です。首に不自然な力が加わることで、周辺にある神経もダメージを受け、痺れや麻痺、痛みといったむちうちの症状が現れてしまうことがあります。
自宅でできるむちうちの対処法
むちうちの症状が出た場合は、まず整形外科のある病院へ行くことをおすすめします。
しかし、夜中や休日など、病院が開いていないときにむちうちの症状が出てしまうことも少なくありません。このような場合、自宅でできることはないのかと多くの方が考えるでしょう。
ここからは、自宅でできるむちうちへの対処法を紹介していきますので、参考にしてください。
対処法①急性期は安静にする
受傷の直後に現れるむちうちの症状は、動けないほどの非常に激しい痛みを伴うことがあります。
むちうちの受傷から約1か月ほどの期間を急性期といい、首の痛みや頭痛が落ち着くまでは、安静にしておくことが重要です。急性期に無理に動いてしまうことで、症状を悪化させ、改善に時間がかかる可能性がありますので、注意しましょう。
対処法②冷湿布と温湿布を使い分ける
受傷直後の患部は熱を持ち、炎症を起こしています。この時期は、冷湿布などで患部を冷やすことが重要です。ただし、あまり冷やしすぎると血流悪化を招く恐れがあります。様子を見ながら冷やすようにしましょう。
痛みが治まってきたら、冷湿布から温湿布に切り替えてください。温湿布に切り替えることで血流が促進し、筋肉が修復してむちうちの症状の改善が期待できるでしょう。
ただ、湿布の使い分けは、自分では判断が難しく、間違った判断をしてしまうとかえって症状を悪化させてしまう可能性もあります。判断が難しい場合には、整形外科の医師の判断に従いましょう。
対処法③頭痛があるときはアイシングをする
むちうちでは首の痛みだけでなく、頭痛が現れることがあります。むちうちで頭痛が起きた場合は、アイシングがおすすめです。
冷やすことで、拡張した血管を収縮させられ、頭の痛みを和らげることができます。
痛みがある患部に、氷のうや冷たいタオルなどを当てて対処してください。
対処法④炎症が収まったら患部を動かす
炎症が収まり、痛みなどの症状の改善が見られた場合には、患部を動かすようにしましょう。
安静にしすぎていると、患部の血行が悪くなり、症状改善までに時間がかかってしまうことがあります。
そのため、症状の改善が見られた場合には、ストレッチや体操などで患部を動かし、徐々に可動域を広げていくようにしてください。
ただし、無理のない範囲で動かすことが重要です。痛みがあるのに無理に動かしてしまうと、逆効果になります。ストレッチや体操が難しい方は、日常動作からチャレンジしてください。
むちうちになったときの受診の目安・通院先は?
むちうちの症状は人それぞれで、自宅で対処することで、症状が改善される方もいます。しかし、症状が改善されないということも少なくありません。
症状が改善されない場合、どのタイミングで病院などを受診すれば良いのか、どこで診てもらえば良いのか悩む方もいるでしょう。
ここからは、むちうちになったときの受診の目安や通院先について紹介していきます。
ただし、整骨院などへ通院する場合は、まずは整形外科を受診して医師に通院の必要性などを確認するようにしてください。医師に確認をしてから整骨院などに通院すれば、施術費の請求が認められる可能性があるためです。
治療費の請求で損をしないためにも、必ずこのポイントに留意して整骨院などへの通院を始めてください。
受診が必要な症状
交通事故やスポーツで首や頭に強い衝撃が加わった場合には、症状がなくても自己判断せずに受診することがおすすめです。
頭を強く打っている場合には、首だけでなく、脳が損傷している可能性があります。むちうち以外の症状がないか調べてもらうためにも、受診するようにしましょう。
また、交通事故の場合、受診を先延ばししてしまうことで、事故と症状の因果関係を証明しにくくなることも考えられます。事故に遭った場合には速やかに受診しましょう。
まずは整形外科へ
転倒や交通事故が原因でむちうちになった場合は、まずはレントゲンやCT、MRIなどの設備が整った整形外科を受診してください。
設備の整った整形外科なら、骨や椎間板、神経の異常をレントゲンやCT、MRIを使って調べられ、痛みやしびれの原因を判断してもらえるでしょう。
さらに、診断書や後遺障害診断書の発行は医師のみが行えます。損害賠償請求や後遺障害の等級認定のときに必要になる書類ですから、交通事故に遭ったら速やかに整形外科を受診して発行してもらいましょう。
痛みが解消されないときは整骨院・接骨院へ
整形外科で治療を続けているが、症状が改善されない場合は、整骨院・接骨院に通うこともおすすめです。
整骨院や接骨院では、柔道整復師による手技療法やマッサージ、運動療法、温熱療法(患部の血行を促進し症状を和らげる)、電気療法(電気刺激により筋肉をほぐす)などの施術が受けられます。
整形外科の検査で整骨院や接骨院での施術が可能と判断されてから通院しましょう。
鍼灸院での施術も効果的
鍼灸院での施術もむちうちに効果的とされています。鍼灸院では、鍼治療や全身調整でむちうちの症状の緩和を図ります。
鍼治療は、直接患部を刺激することで自律神経のバランスを整えて、患部の炎症を抑える効果が期待できる施術です。マッサージやストレッチなどの、手技では届かない部位にもアプローチできるというメリットがあります。
また、全身調整は全身の筋肉やつぼを刺激して、筋肉の緊張や、血流・リンパの改善が図れる施術です。そのほか、全身調整には自然治癒力を高める効果が期待できます。
むちうちに似ている怪我も知っておこう
むちうちの症状に気づいたらすぐに、整形外科を受診するのがおすすめです。
しかし、肩・首・背中の凝りや頭痛といった症状は、むちうち以外の怪我でも起こるため、むちうちだと気づかずに過ごしてしまうこともあります。
以下では、むちうちに似ている怪我の種類を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
寝違え
寝る前は何ともなかったのに、起きたら首の痛みを感じたという場合には、「寝違え」の可能性があります。
寝違えは、不自然な姿勢で寝たり、疲れなどで寝返りの回数が減ったりすると起こるとされています。
寝違えの場合、安静にすることで数日で改善しますが、時間が経過しても改善が見られない場合や、しびれなどの症状が現れた場合には、病院を受診するようにしましょう。
出典・参照:むちうち(頸部捻挫・外傷性頸部症候群)?寝違え?それとも危ない病気?〜「急に首が痛い」の初期対応をERドクターと一緒に考えよう〜 | 東京ベイ・浦安市川医療センター
頚椎ヘルニア
むちうちに似た怪我として、頚椎ヘルニアもあります。
頚椎ヘルニアとは、頚椎と頚椎の間の椎間板が何らかの原因で潰れ、中にあった髄核が飛び出して起こる怪我です。飛び出した髄核が神経に当たり、激しい痛みが出る可能性があります。
椎間板が潰れる原因には、加齢や不自然な姿勢、激しい運動などが考えられます。
激しい痛み、治まらない痛みがある場合には、頚椎ヘルニアの可能性も考えられますので、早めに受診してください。
ストレートネック
近年、多く見られるむちうちに似た怪我に、ストレートネックがあります。
ストレートネックとは、緩やかなアーチが付いているはずの頚椎がまっすぐになってしまうものです。頚椎のアーチが失われると、頭の重さでかかる負荷を分散できず、首や肩に直接負荷がかかり、痛みやめまい、吐き気といったむちうちに似た症状が出る場合があります。
長時間下を向いて作業をするデスクワークやスマートフォンの使い過ぎといったことで発症する場合が多い怪我です。
出典・参照:ストレートネック治療|整形外科とくはらクリニック
日常生活で起こりうる転倒によるむちうちに気を付けよう
ここまで、むちうちの原因や症状、受診の目安、むちうちに似た怪我などについて紹介してきました。
日常生活や、スポーツ中の転倒でもむちうちは起こりえます。
転倒して首の痛みやめまいといった、むちうちではないかと疑われる症状が出た場合には、速やかに整形外科を受診するようにしましょう。
そのため、転倒などをしてしまい首などに違和感がある場合には、自分で判断することはせず、まずは病院で医師の診察を受けるようにしてください。
その後、医師の判断に従ったうえで整骨院などへの通院も検討するとよいでしょう。適切な治療や施術を受けることで、早期回復を目指すことができます。
なお、診断書や診療明細書は、交通事故の示談交渉のみでなく保険金の請求や医療費控除など、その後のさまざまな手続きで使用することがあるため、大切に保管してください。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
交通事故の痛みの緩和に最適な通院先をご紹介!業界最高水準の通院サポートをご提供します。
記載されている内容は※2022年12月23日 17:02:28 ※時点のものです。
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また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
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