冷却水の交換時期はいつ?目安や交換方法・費用について解説!

冷却水の交換時期について解説します。熱くなった車のエンジンを冷やすなどの、冷却水の役割も詳しく説明!交換時期や修理の目安となる点検ポイント、整備工場へ依頼した場合の費用なども、まとめています。自分で行う交換方法も紹介するため、参考にしてください。

冷却水の交換時期はいつ?目安や交換方法・費用について解説!

目次

  1. 冷却水の交換時期や交換方法を解説!
  2. 冷却水とは?
  3. 冷却水の交換時期と交換方法
  4. 冷却水の交換が必要か点検する方法
  5. 冷却水の交換費用の目安
  6. 冷却水の交換時期を覚えておこう

冷却水の交換時期や交換方法を解説!

エンジンルーム内部

車やバイクのエンジンを正常に作動させるためには、エンジンを冷やし、オーバーヒートさせないことが大切です。そのためには、冷却水が必要であり、適切な時期に補充や交換をしなければなりません。

本記事では、冷却水を交換する理由や役割を解説します。また、交換時期を見極める方法や注意点、費用についても説明します。

冷却水とは?

クーラント液とも呼ばれる冷却水は、どのような役割があるのでしょうか?ここでは、役割と必要性について、説明していきます。

冷却水の役割

車の冷却水交換

冷却水は、エンジンのオーバーヒートを防ぐ、役割を持っています。車の走行距離や使用頻度によって、劣化するペースが異なります。また、液漏れがなくても、エンジンの熱で少しずつ蒸発し、減ることもあるでしょう。

冷却水の劣化や不足の状態になると、ラジエーターとエンジン内に負担がかかり、問題が生じる可能性が高いです。

エンジンの始動中、内部では絶え間なく爆発が起きているため、非常に高温になります。オーバーヒートを防ぐため、車には不凍液のクーラント(ロング・ライフ・クーラント)というものが使われています。クーラントはラジエーターとエンジン内部を循環し、エンジンが高温になり過ぎるのを防ぐ役割を持っています。

出典: www.zurich.co.jp

冷却水を交換する必要性

駐車している車
halfrain

冷却水はエンジンを冷却することで、少しずつ蒸発していきます。量が減ると、スムーズにエンジンを冷却できません。また、交換時期を逃し、そのままにしておくと、ラジエーターを損傷する可能性があります。

ラジエーターだけでなく、エンジン周りの部品が損傷することもあるでしょう。冷却水の交換だけであれば、費用もかからなかったはずが、高額な修理費用が必要になってしまいます。

冷却水の確認は、定期的に行うことが大切です。不足や漏れが確認された時には、すぐに補充や交換、修理を行いましょう。時期を忘れないだけで、無駄な出費が減らせます。

冷却水は車検の検査対象外

修理工場で車検中の車

車検時の検査では、冷却水は対象外であるため、整備不良と指摘されることはありません。ただ、依頼先によっては、車の状態を維持するために、簡単に目視でチェックをしてくれます。

量が少なかったり交換が必要な場合は、教えてくれるケースもあります。検査対象ではないからと先延ばしにせず、定期的に交換を行うようにしましょう。

冷却水の交換時期と交換方法

適切な時期に冷却水の交換が必要ですが、どのように判断するのか分からない人もいます。ここでは、時期や方法について説明します。

LCCの交換時期

ボンネットを開けた車

エンジン内部が高温のままだと、エンジンはオーバーヒートしてしまいます。最悪の場合は、炎上や爆発に繋がる可能性もあります。定期的にチェックをして、交換することが必要です。

販売されている車の大半は、赤や緑色の「LLC(ロング・ライフ・クーラント)」という冷却水が使用されています。

LLCの交換時期の目安は2~3年のため、車検と同時に行うのがおすすめです。交換時期を忘れることもあるため、車検の際に一緒にしておくと良いでしょう。

スーパーLCCの交換時期

エンジンルーム

冷却水にはLLCの他に、「スーパーLLC」があります。最新の車に使用されることが多く、青やピンク色が主です。また、LLCよりも長く使えることが、特徴になります。LLCとの性能面の違いは、特にありません。

スーパーLLCの交換時期の目安は7年で、走行距離は16万キロです。一度も冷却水の補充や交換を行うことなく、車を乗り換えるということも、珍しくありません。

LLCを使用した車に、スーパーLLCを入れたいという人もいるでしょう。しかし、完全交換をしないと意味がなく、本来のスーパーLLCよりも短くなるため、メリットがありません。高価なスーパーLLCの費用だけがかかり、無駄になる可能性が高いです。

冷却水の交換方法

自動車を整備するの整備士
  1. 冷却水・軍手・水道水・計量のできる容器、交換に必要なものを準備する
  2. ラジエーターの下部にあるドレンコック(ドレンプラグ)から冷却水を出す
  3. 冷却水を排出し、ドレンコックを締めて、ラジエーターに水道水を注入する
  4. 注入後、エンジンを作動させ、冷却系炉内のすすぎをする
  5. 5分ほどエンジンを動かし、その後水道水を排出する工程を数回繰り返す
  6. 水道水に汚れがなくなったら、冷却水(原液)と水道水を補充する
  7. 補充後、キャップを開けたままエンジンをかけ、エア抜きをして完了

上記は、冷却水を交換する手順です。4の手順の際は、ヒーターコア内にも冷却水が流れているため、必ずヒーターを作動させておきましょう。

また、手順7のエア抜きは、必ず行なってください。なぜなら、空気が混ざったままだと、冷却効果が低下するからです。エア抜きの目安は、水位に変化が見られなくなれば完了になります。

冷却水を交換する際の注意点

冷却水の交換について説明をする人

冷却水は原液を購入し、水道水で適切な比重にして使用します。冷却水の容器に使い方が記載されているため、確認しましょう。

交換をする時は、リザーバータンク(補助タンク)も一緒に、洗浄するようにしてください。リザーバータンクは、取り外しが難しい場所に、留め具でしっかりと設置されていますが、外して洗浄を行えます。元に戻す時も、緩まないようにします。

また、気をつける点は、冷却水の色です。メーカーや車種によって、使用する色が異なります。前回と異なる色を使っても、問題はありません。

スーパーLLCとLLCを混ぜたり、色の異なる冷却水を混ぜて使うことは、おすすめしません。なぜなら、色の違うものを合わせると、交換時期の判定がしにくいからです。

冷却水の交換が必要か点検する方法

冷却水を交換をする時期は、正しく判断する必要があります。交換する必要があるのか、点検する方法やポイントを解説します。

点検方法①水温計をチェック

スポーツカーの水温計

冷却水は、高温になったエンジンを、冷却するために使用されます。漏れや故障がなくても減ってしまうため、定期的に冷却水のチェックが必要です。チェックの方法は、水温計で温度の確認をすることで、減少や故障などをいち早く発見することができます。

水温計は運転席前にある、スピードメーターなどの計器と同じ場所に、設置されています。ちなみに、数字などの表示はありません。メーターが平均(真ん中)ではない時は、問題が発生している可能性があります。

点検方法②水温警告灯をチェック

水温警告灯

水温計のチェックを怠った場合、警告灯が点くことがあります。冷却水がエンジンの熱を正常に吸収できず、エンジンが高温になっているケースが多いです。

状態によっては、早急に対処しないとエンジンが故障して、高額の修理費がかかることもあります。警告灯が点いたときに、しっかりと対処できれば、エンジンへのダメージを軽減できるでしょう。

点検方法③リザーバータンクを確認

リザーバータンクが入ったエンジン内部

冷却水の量を確認するには、エンジンルーム内にある「リザーバータンク」を確認してください。半透明の樹脂製タンクに目盛りがあり、「FULL|LOW」や「MAX|MIN」などと示されています。

液面がFULLとLOW(MAXとMIN)の間にあれば、冷却水の問題はありません。下限付近に近い時は、補充を行いましょう。補充する際は冷却水の色を確認し、同じ色のものを補充してください。

リザーバータンクは見えにくい場合にありますが、目盛りは目視で確認できます。分からない時は、修理工場や車に詳しい人に確認してもらいましょう。

冷却水の交換費用の目安

整備をされた安全な車に乗るためには、定期的な冷却水の交換が必要です。ここでは、費用の目安を、ケースごとに紹介します。

費用の目安①冷却水だけを交換した場合

冷却水を交換した車
Ultra_Media

冷却水のみの交換の場合は、車の種類にもよりますが、約5,000円が相場です。自分で換えることも可能で、費用を安く抑えることができます。

しかし、自分で換える場合は、冷却水の処理などが大変です。整備工場に依頼した場合は、2,000~3,000円ほどで済み、手間も省けて楽にできます。

費用の目安②冷却水漏れで修理した場合

冷却水のタンクを修理している整備士

本体の修理費用

約1~3万円

本体の交換費用

約5~10万円

ホースの交換費用

約1~3万円

ヒーターホースの交換費用

約1~3万円

ウォーターポンプの交換費用

約1~3万円

上の表は、すべての工賃込みの費用です。ラジエーター本体以外は、修理ではなく、交換が基本となります。

エンジン周りは、さまざまなパーツがあります。ラジエーター以外の修理や交換も必要な場合があるので、相場価格として覚えておきましょう。冷却水漏れの可能性がある場合は、自分で修理を行わず、必ず修理工場へ依頼をしてください。

冷却水の交換時期を覚えておこう

整備の必要な車と整備士

冷却水は、高温になったエンジンの冷却に必要なものです。冷却水を交換する理由や役割、時期を知ることで、適切な対応を行うことができます。

時期を逃すと、車の故障に繋がり、返って修理費用がかかってしまいます。大切な車を長く乗るためにも、定期的に確認をしましょう。交換した古い冷却水は、産業廃棄物に分類されるため、処分する際は注意してください。

サトミオリ

この記事のライター

サトミオリ

自分の経験も基に、お悩みを解決できるお手伝いをさせていただきます。

記載されている内容は※2022年2月28日 18:43:38 ※時点のものです。

現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

この記事へコメントしてみる

※コメントは承認後に公開されます
コメント投稿ありがとうございます。
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。

関連記事

自動車税を払い忘れた場合はどうなる?納付方法や差し押さえについても解説

自動車税を払い忘れた場合のペナルティをご存じでしょうか。この記事では、自動車税(軽自動車税)の概要や自動車税滞納の場合に起こること、差し押さえまでの流れなどを紹介しています。自動車税を払い忘れた場合のリスクについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

自賠責保険の払い戻しは受けられる?手続き方法や注意点も解説

自賠責保険の払い戻しのやり方について、詳しく解説します。車を売却する時と廃車にする時に分けて、払い戻し方法を説明!また、廃車手続きに必要な書類や手続きも紹介します。自賠責の払い戻しに必要な期間もまとめています。ぜひ参考にしてください。

マフラーが排気漏れしたときの修理方法は?原因や注意点・費用も解説

マフラーが排気漏れしたときはどのように対処すればいいのか詳しく紹介します。自分で修理する方法や、交換や修理を業者に依頼する場合の費用、マフラー修理の注意点もまとめています。ぜひ、愛車の排気漏れを直す際の参考にしてください。

車検の有効期間は1年?車種ごとの違いや更新するときの注意点も

車検の有効期間は、自家用車の場合も1年かどうか解説します。また、1年で車検の更新が必要な車種や、そうでない車種についても紹介します。新車と中古車の違いや、法定点検の有効期間についても解説するので、参考にしてみてください。

車検代行手数料とは?依頼するメリットや方法・相場についても解説

車検代行手数料の概要や、依頼するメリットを解説します。業者に車検を依頼する際に必要な費用の相場や、依頼する方法についてもまとめています。車検の仕組みや必要性、代行手数料を安く抑える方法も解説していますので、参考にしてください。

ナンバープレートの修理方法を解説!交換方法や再交付についても

ナンバープレートの修理方法を紹介します。交通事故などで車をぶつけてしまい、ナンバープレートを破損、または変形させた場合の対処方法を解説!ナンバープレートの交換方法や、業者に修理を依頼する場合の費用など、実際にどれくらいかかるのかを詳しく説明します。

バックカメラ装着の義務化はいつから?後付けの方法や問題点も解説

交通事故の削減のために義務化された、バックカメラについて解説します。義務化された背景や要件、新車への装着が義務化される時期も説明。またバックカメラを装着する際の問題点である、コストや軽トラへの取り付けについても紹介します。

車の傷をタッチペンで修理する手順とは?失敗したときの対処法も

車の傷をタッチペンで修理する手順を詳しくまとめました。車の傷や塗装の剥がれをタッチペンで補修する流れや、失敗したときの対処法も解説。タッチペンの色の選び方や修理が失敗したときに注意すべき点も紹介しているため参考にしてください。

エンジンの焼き付きはなぜ起こる?原因や症状・前兆について解説

エンジンの焼き付きの原因や、焼き付きによって起こりうる症状について解説します。焼き付きの前兆や予防策を、まとめています。エンジンの焼き付きが軽度の場合と重度の場合の、修理費用の目安も紹介しているため、参考にしてください。

オルタネーターの故障の原因とは?前兆や修理費用についても解説

車に搭載されているオルタネーターの役割や仕組み、故障の原因について解説します。オルタネーターの故障の原因の確認方法や、故障の前兆についてもまとめています。故障したオルタネーターの修理や交換に必要な費用も紹介しているため、参考にしてください。

車の知識の人気記事

よく読まれている記事