むちうちの「牽引治療」とは?主な原因や症状・治療できる通院先も紹介
本記事では、交通事故によってむちうちになった場合の治療法について紹介します。また、むちうちを悪化させないための牽引治療の効果についてもまとめています。 そして、治療費の支払い方法についても解説しているので、むちうちでお困りの方はぜひ参考にしてください。
目次
交通事故が原因でむちうちになった場合、牽引による治療が行われることがあります。しかし、牽引治療がどういったものか知らない方も多いでしょう。
そこで、この記事では、むちうちの症状の種類や、牽引治療について紹介していきます。
適切な治療を受けないと、むちうちの後遺症が残る可能性もあります。また、治療法について、医師に任せるだけでなく、牽引治療などについての適切な知識を得ることで、辛い治療生活を賢く乗り切ることも可能です。
むちうちの症状や治療法をしっかりと把握し、できるだけ早い回復を目指していきましょう。
むちうちの主な原因
むちうちは、追突事故などの影響で、頚部(首の部分)に強い衝撃が加わることによって起こる場合が多いです。
首がムチのようにしなることから「むちうち」と呼ばれていますが、これは医学的な名称ではありません。医学的には「外傷性頚部症候群」や「頚椎捻挫」などと診断されます。
むちうちの主な症状
むちうちの主な症状について解説していきます。
むちうちには、さまざまな種類があり、症状にも個人差があります。また、共通している症状もあれば、特定の場合のみ現れる症状もあります。
症状を把握することによって、むちうちの種類をある程度特定することが可能です。
むちうちの種類を正確に把握するためにも、どんな症状があるのか確認しておきましょう。
病院の受診が遅れてしまうと、重症化したり、交通事故と怪我の因果関係が認められず、適切な賠償金を請求することができないなどさまざまなリスクがあります。そのため、事故に遭ったら早めに病院を受診するようにしましょう。
痛み(首・頭・背中周り)
多くのむちうちに共通しているのが首・頭・背中周りの痛みです。
交通事故による首への衝撃で、首周辺の筋肉や神経が損傷し、痛みが発生します。交通事故によるむちうちでよくあるのが、交通事故からしばらく経ってから(2~3日後)痛みが発生するという点です。
原因には諸説ありますが、交通事故によって興奮状態となり、痛みを感じにくくなっているということがいわれています。
痺れ(首・腕)
交通事故でむちうちになると、首や腕に痺れが出ることがあります。
首の周辺には体の各部位につながる神経が通っているので、その神経が圧迫されたり、損傷することによって痺れが発生します。
痺れは、時間の経過によって改善することもありますが、整形外科や整骨院などでのリハビリも有効とされています。
凝り・動かない(首・肩・背中)
交通事故によるむちうちの影響で、首や肩、背中などが凝ったり、動かせなくなることがあります。
交通事故による衝撃で筋肉が硬直し、凝りを感じたり、可動域が狭くなることもあります。交通事故の直後は、安静が必要ですが、しばらく経ってからは筋肉をほぐしたり、温めて血行を良くすることで改善を目指すことが可能です。
耳鳴り
耳鳴りは、自律神経などの神経が損傷したり、圧迫されることによって起こるとされています。
人によって症状の程度はさまざまで、交通事故の後しばらくして止む場合もあれば、続いてしまうこともあるようです。また、交通事故直後よりも数日後に発症する事例が多いことも特徴です。
めまい・目のかすみ・目の疲れ
めまいや目のかすみ・疲れ(眼精疲労)が、むちうちによるものというイメージが湧かない方も多いでしょう。しかし、むちうちによる症状として報告されることがあります。
先述した自律神経の損傷による影響の可能性もあれば、視神経や眼球自体を損傷している可能性もあります。目の症状は、日常生活にも大きな支障をきたす可能性がありますので、早急に眼科などの医療機関を受診した方がよいでしょう。
吐き気
むちうちによって、頻繁に吐き気を感じることもあります。
吐き気の症状のみを発症することもあれば、先述しためまいや耳鳴りに付随して発症することもあるようです。原因としては、自律神経の損傷によるものといわれています。
疲労感・倦怠感
疲労感や倦怠感も、むちうちによる症状として一般的です。
むちうちとの直接的な関連性がわかりにくいこともあり、むちうちによるものと気づかない方も多いようです。先述しためまいや吐き気などの症状と同様、自律神経の損傷によって発症するといわれています。
むちうちの主な種類
むちうちには、さまざまな種類があります。
むちうちの種類によって、症状や治療法なども変わってきますので、自分の症状が、どの種類に該当する可能性があるのかをしっかり把握しておくとよいでしょう。
頚椎捻挫型
むちうちの中で最も多いと言われているのが、頚椎捻挫型です。首周辺の軟部組織の損傷が原因で、むちうちの約70%が頚椎捻挫型に該当すると考えられています。
頭痛や首・肩の痛み、首の可動域の制限、痺れなどが主な症状です。
バレー・リュー症候群型
バレー・リュー症候群は、交通事故などによって強い衝撃を受け、神経が傷ついたときに生じる症状です。
バレー・リュー症候群は、交感神経が損傷して起きると考えられています。神経の損傷によって脳や脊髄の血流が低下し、自律神経のバランスが崩れてしまうのです。頭痛や首の痛みのほか、めまいや吐き気、耳鳴りなどの症状が特徴的です。
脳髄液減少型
脳髄液減少型は、交通事故の衝撃で脳髄液が漏れ出して引き起こされます。
むちうちの中では、発見するのが難しい事例で、気圧や天候によって症状が変化するのが特徴です。
また、起立時に頭痛が発生するなど、姿勢によって症状が変化することもあります。その他の症状として、めまいや耳鳴り、倦怠感などがあります。
神経根損傷型
神経根損傷型は、脊髄から出ている神経が圧迫されることが原因で起こります。
これはヘルニアにも見られる症状で、首を曲げる動作や、咳やくしゃみが原因となることもあるといわれています。首や肩などの痛みに加えて、痺れの症状が特徴的です。
脊髄症状型
脊髄本体に大きな損傷が起きると、脊髄症状型に分類されます。
むちうちの症状の種類の中でも特に重症といわれ、後遺症が残る可能性もあります。脊髄や神経の損傷により、腕や足に痺れが起こるのが特徴です。
むちうちの主な治療方法
むちうちには、さまざまな治療方法があります。
理学療法(物理療法)としては、牽引療法や電気療法、温熱療法など、薬物療法としては、鎮痛剤投与やブロック注射などがあります。
この記事では、牽引療法に焦点を当てて紹介しますので、牽引療法以外の治療法が気になる方はぜひ調べてみてください。
むちうちの「牽引治療」とは?
牽引治療は、その名前の通り、患部である頚部をゆっくりと引っ張り、神経の圧迫や痛みの緩和を目指して行われる治療法です。
牽引治療には、器械牽引法と徒手牽引があります。器械牽引法は、その名の通り、器械を用いて牽引を行います。徒手牽引は、人の手によって牽引を行うもので、体の部位や症状の程度に合わせて調整しやすいのが特徴です。
牽引治療で期待できること
牽引治療を行うと、頚部の圧迫が緩和されます。圧迫されていた神経が開放されることによって、痛みを伴う症状を和らげる効果が期待できるのです。
また、牽引によって凝り固まった筋肉をほぐしたり、頚椎を正しい位置で固定する効果も得られます。
牽引治療によって症状が悪化することもある
首の治療は非常に慎重さが重要で、牽引治療によって、かえって患部を痛める可能性もあります。
牽引治療が自分に合っているかどうかを見極めるのは難しいので、主治医と相談して選択しましょう。また、リハビリ内容についての相談も重要です。
むちうちの牽引治療ができる通院先
ここからは、むちうちになった場合に、牽引治療を受けるための通院先を解説していきます。
先述の通り、牽引治療は適切に行わないと症状を悪化させてしまいかねません。適切な方法で牽引治療を受けるためのポイントを、把握しておきましょう。
ただし、整骨院などへ通院する際には、まずは医師の確認を得るようにしましょう。その後、加害者の保険会社にも連絡を入れるとよいでしょう。
整形外科
整形外科では、診察や治療などの「医療行為」が受けられます。交通事故などに遭った場合、まずは診察のために整形外科を受診する必要があります。
また、牽引治療を受けられるのはもちろんですが、先述したブロック注射や鎮痛剤の処方などは整形外科のみで受けることができます。
整骨院や接骨院
整骨院や接骨院では、正確には医療行為としての「治療」ではなく、医療類似行為としての「施術」が行われます。牽引のほか、電気療法や温熱療法、マッサージなどを受けることもできます。
なお、機器を用いた画像診断などは受けられないので、正確な症状の把握ができてから通院することが必要です。
出典・参照:施術器具の紹介|みなり整骨院
むちうちの治療費はだれが支払う?
交通事故の治療費は、一般的には、加害者の任意保険会社が、病院に直接支払います。これを、「任意一括対応」といい、治療中は、保険会社が支払ってくれます。
しかし、中にはまだ治療中であるにもかかわらず、治療費の支払いを打ち切ると言われてしまう場合があります。この場合は、すぐに応じることはせず、医師に確認するようにしてください。
なお、加害者が任意保険に加入していないなど、何らかの理由で任意一括対応がされない場合は、自分の健康保険を使って、自己負担額を減らしながら通院するとよいでしょう。自己負担した治療費は、加害者側との示談交渉を経て、請求することができますので、安心して通院を継続しましょう。
医師の意見書や診断書があれば、延長を求める説得力が生まれますから、治療費の対応延長が認められる可能性が高まります。それでも、延長が認められなかった際には、弁護士への相談も検討してみてください。
むちうちの症状や牽引治療について知ろう
むちうちになった場合の牽引治療について解説してきました。
牽引治療によって、頚部の神経の圧迫を緩和し、症状を緩和する効果が期待できます。適切な治療が遅れてしまうと、症状が悪化することもあるので、事故に遭ったらすぐに病院で診察を受けてください。
医師と相談しながら、牽引やその他の治療を受け、むちうちの早期回復を目指しましょう。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
交通事故の痛みの緩和に最適な通院先をご紹介!業界最高水準の通院サポートをご提供します。
記載されている内容は※2023年1月13日 12:19:46 ※時点のものです。
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