むちうちの原因はレントゲンでわかる?症状や他の検査方法についても解説
むちうちの症状が出た時に、レントゲンで異常が見つからなかった経験はありませんか? この記事では、むちうちの症状やレントゲン以外の検査方法の種類などについて説明しています。 むちうちの検査方法の理解を深めて、適切な対応ができるようにしましょう。
目次
交通事故でむちうちの症状が出た場合の対処方法に、不安を感じている人はいませんか。
この記事では、事故後にむちうちの症状が出た場合の留意点や、実際の検査方法、その内容についてを説明しています。
この記事を読むことで、交通事故でむちうちの症状が出た場合の適切な対処方法を理解することができ、落ち着いて行動できるようになるでしょう。
また、現れた症状に応じて、どの医療機関に通うべきか、後遺症が残った場合はどのような手順を踏む必要があるのかなど、詳しく説明していますので参考にしてみてください。
むちうちの原因はレントゲンでわかるの?
交通事故で首に強い負荷がかかってしまうと、むちうちになってしまうことがあります。むちうちになると、首の痛みやしびれ、耳鳴り、動かしにくさ(可動域制限)などの症状が現れてしまうでしょう。
首がむちうちになってしまった場合、病院の整形外科で、レントゲン検査を受けることができます。
レントゲン検査は、主に骨折や、骨格系の異常の有無を検査するもので、交通事故でむちうちの症状が出ている場合、レントゲン検査を受けることで、首の骨の異常などは判断することができるでしょう。
ただし、骨の異常を検査してもらうことはできますが、レントゲン検査のみでは、むちうちの症状を把握することができません。そのため、レントゲン以外の検査を受ける必要があります。
むちうちになった場合は、CT検査やMRI検査、後述する神経学的検査もあわせて受けるようにしましょう。
むちうちとは
むちうちは、交通事故による衝撃を、首などに受けることによって起こる怪我の総称です。
衝突時の衝撃で、首がムチのようにしなったことから、このように呼ばれるようになったといわれています。
また、被害者の体質や年齢、被害の程度などによって、現れる症状が異なるという特徴があります。
むちうちの原因と主な症状
むちうちの主な原因は、交通事故による強い衝撃によるものが多いです。
また、むちうちの症状は、首の痛みや、しびれ、頭痛などのさまざまな種類があります。
そして、事故直後のみではなく、2~3日ほど経過してから症状が現れることもあるという特徴があります。
むちうちがレントゲンで異常なしになる場合が多い理由
レントゲン検査では、むちうちの症状を識別することができません。
レントゲンは、骨などの硬組織の撮影を目的としており、むちうちの原因となる神経や筋肉などの軟部組織を撮影することができません。
このような理由から、レントゲン検査では、むちうちの異常なしと判断されることが多いのです。
この場合には、レントゲン以外にも、むちうちの症状を証明できる可能性があるCTやMRI、神経学的検査をあわせて受けるようにしましょう。
レントゲン以外の検査内容
レントゲン検査では、骨などの硬組織のみ撮影することができます。
そのため、むちうちの症状が疑われる場合には、レントゲン以外の検査も受けるようにしましょう。
ここからは、レントゲンの他に、どのような検査があるのか見ていきましょう。
CT検査・MRI検査
CT検査は、身体の内部(断面)を画像化する検査です。画像処理を行うことにより、身体の細かな情報を得ることができます。
MRI検査は 強力な磁石でできた機器の中に入り、磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮影する検査です。レントゲンやCTと異なり、放射線を使わないため、放射線被爆の心配がないという特徴もあります。
また、MRIの検査結果は、症状の証明や後遺障害等級認定の申請書類として、重要な証拠となります。そのため、むちうちの症状の疑いがある場合には、MRIを受けるようにしましょう。
スパーリングテスト
むちうちになった場合や、レントゲンやCT、MRIといった画像検査で症状を判別することができなかった場合には、スパーリングテストを受けるとよいでしょう。
スパーリングテストは、神経学的検査の1つで、首の神経症状を調べるための検査です。
スパーリングテストの検査方法は、医師が患者の頭部に手を置き、痛みやしびれのある側に頭を傾ける方法で、症状の有無を調べていきます。
その結果、痛みやしびれなどの症状が現れた場合には、陽性と診断されます。
腱反射テスト
脊髄や末梢神経障害が疑われる場合は、腱反射テストを受けるとよいでしょう。
腱反射テストでは、腕などの腱をゴムハンマーで打診して反応を見る検査方法です。
大脳や脊髄に異常がある場合は、ゴムハンマーで打診すると強く反応が出ます。反応がない場合には、異常なしと判断されます。
筋萎縮テスト
筋萎縮テストは、筋肉の萎縮の有無を確認する検査です。むちうちによって腕が麻痺すると、筋肉が萎縮する可能性が出てきます。
筋萎縮テストでは、両ひじの関節の上下10cmの部分を計測し、計測した部分が極端に細い場合は、筋が委縮していると診断されます。
筋萎縮テストは、患者の主観や精神状態に左右されません。そのため、客観性が高いテストとなり、有効な他覚的所見といえるでしょう。
その他の検査
むちうちが疑われる場合は、両手の握力を計測する握力テストや、筋肉の電気活動を測定する筋電図検査、ジャクソンテストなども受けることができます。
むちうちの症状によって、実施される検査が異なるため、必要な検査を受けておきましょう。
そのため、医師に相談しながら適切な検査を受けるようにしましょう。
レントゲン以外の検査が必要な理由
むちうちを正しく治療していくために、レントゲン以外の検査を受けて、症状を詳細に調べることが大切です。
また、加害者側の保険会社に治療費を請求するためには、むちうちの症状を示す資料を提出することが必要です。
そして、むちうちの症状が完治せず、後遺症が残った場合に行う後遺障害等級認定の手続きでも、症状の有無や状態を示す書類を提出することが必要になってきます。
このような理由から、レントゲン以外の検査を受ける必要があります。
出典・参照:むちうち症について | 東野整形外科医院
しびれや感覚異常の原因を調べるため
むちうちによるしびれや感覚異常の原因を調べるためにも、レントゲン以外の検査が必要です。
また、症状を正しく把握して、適切な治療を受けることができるようになるため、医師に相談して、CTやMRI、神経学的検査を受けるようにしましょう。
後遺障害等級認定のため
むちうちになり、整形外科や整骨院・接骨院で治療・施術を継続して受けたにもかかわらず、症状が改善されないケースも少なくありません。
このような後遺症が残った場合は、後遺障害の等級認定を申請することができます。
むちうちの場合、後遺障害等級の12級13号、または、14級9号に認定される可能性があります。
特に、12級13号の認定を受けるためには、MRIによる所見を提出する必要があります。
そのため、後遺症が残ってしまった場合には、MRI検査を受けるようにしましょう。
出典・参照:後遺障害等級表 | 国土交通省
そして、各検査の結果を診断書や後遺障害診断書などに詳しく記載してもうらことが大切です。内容が不十分の場合には、治療費の支払い対応が行われない、後遺障害等級に認定されないなどの不利益を被る可能性があるため、慎重に判断していきましょう。
むちうちになった際の注意点
交通事故に遭遇した場合は、事故直後、または、なるべく早く整形外科を受診してください。
事故に遭った日と病院を受診した日の期間が大きく開いている場合には、事故と怪我の因果関係が認められないことがありますので、数日以内に病院を受診することが大切です。
また、レントゲン以外にも、必要な検査を受けるようにしましょう。特に、MRIによる検査結果は、むちうちの症状を証明するために有効な場合が多いです。むちうちの症状が疑われるときには、MRIを受けるようにしましょう。
レントゲン以外にも必要な検査を受けよう
レントゲン検査だけでは、むちうちの原因となる神経や筋肉などの軟部組織の異常を撮影できないため、症状を判別することができません。
そのため、むちうちになった場合は、レントゲンだけでなく、CTやMRI、スパーリングテストなどの神経学的検査を受ける必要があります。
詳しい検査を受けて、しびれや感覚異常の原因を明確にした上で、適切な治療を受けましょう。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
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記載されている内容は※2023年2月2日 09:21:42 ※時点のものです。
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