事故で首が痛い時の対処法は?治療法や損害賠償についても解説!
事故で首が痛い時やむちうち症状が出た時の対処法を、詳しくまとめました。痛みの回復に効果的な、肩甲骨をほぐす自分でできる治療法も必見です。事故で首が痛い時の通院先や治療内容、後遺障害についてなど、役立つ情報が満載ですので、ぜひ参考にしてください。
目次
事故で首が痛い時の対処法を知っておこう!
交通事故で首が痛くなる確率は非常に高く、場合によってはむちうちになる可能性もあります。本記事では、交通事故で首が痛い時に行う対処法を解説します。
また、自分で簡単にできる治療法も、伝授しましょう。損害賠償についても説明しているので、ぜひチェックしてみてください。
事故で首が痛くなるのはなぜ?
交通事故に遭って、一番多く出る症状が首の痛みです。ここでは、なぜ首が痛くなるのかを解説します。また、むちうちの人に良く見られる症状も紹介するので、自己チェックの参考にしてください。
首が痛くなる原因
交通事故に遭って首の痛みを訴える人は、7~8割ほどいるといわれています。首が痛むのは、事故によって不意にかかる大きな衝撃で、頸椎を損傷してしまうことが原因です。
事故直後には痛みを感じなくても、数日経った頃に痛みを発症し、首がまわらなくなることもあります。また、頸椎だけでなく神経の方まで傷つけてしまうと、手足のしびれなどを引き起こすケースもあるようです。
むちうちの可能性がある症状
むちうちは簡単にいうと首の捻挫のことです。診断書などに記載される正式な名称は、頸椎捻挫または外傷性頚部症候群といいます。むちうちに見られる主な症状は、首の痛みをはじめ、頭痛やめまい、手足のしびれなどです。
人によっては、倦怠感や不眠、集中力の低下など、自律神経に影響を及ぼすケースもあります。これらの症状が見られる場合は、むちうちの可能性である確率が高いです。
事故で首が痛い時の対処法
事故後に首が痛い症状が出たら、どのように対処すれば良いのかを解説します。必ず行くべき通院先や治療法、後遺障害についても説明しているので、ぜひチェックしてください。
首が痛い時の通院先
事故後に首が痛いと感じたら、どこへ通院すれば良いのでしょうか?それは、必ず最初に整形外科で受診するようにしてください。また、整形外科ではレントゲンやMRIなどの検査も受けておきましょう。
レントゲンは骨の異常などを確認でき、MRIはレントゲンでは見つからない詳細な部分まで調べられます。のちに、保険金の請求や後遺障害等級認定の申請などで必要になる、診断書の作成ができるのも、医療機関である整形外科です。
首が痛い時の治療法
事故で首が痛い時に受ける治療はいくつかの方法があります。1つ目は薬を使う治療法です。首をはじめ患部の痛みを鎮めるための、消炎鎮痛剤などの薬が処方されます。
2つ目は注射を使う治療法です。患部を局所的に注射するブロック注射をすることで、痛みや筋肉の緊張を和らげる効果があります。
3つ目は物理療法や運動療法を用いた、理学療法です。物理療法は、電気や超音波などで刺激を加えて、血流やリンパの流れを良くし、回復を目指します。
運動療法は、ストレッチなどの運動によって回復を目指す方法です。首の痛みやむちうちは、平均的にみて治療開始から約3ヶ月で、回復する傾向にあります。
首の痛みによる後遺障害とは?
事故による首の痛みが一向に回復しない場合は、どうなるのでしょうか?通院先の主治医がこれ以上治療を続けても回復の見込みがないと判断すると、後遺障害とみなされます。
首の痛みは後遺症と診断され、その時点で保険会社から受け取る治療費などは、打ち切りになります。しかし、事故で後遺障害になった場合は、後遺障害等級認定の申請を行うことが可能です。この件については、後ほど詳しく解説します。
首の痛みを和らげる自分でできる治療法
首が痛い時の治療は専門機関で行うことが基本ですが、少しでも痛みを和らげるために、自分でできる治療法も知っておくと良いでしょう。ここでは、肩甲骨をほぐし元の位置に戻す効果のある、治療法を解説しましょう。
首が痛い時の肩甲骨の状態
事故で突然に強い衝撃を受け、首が前後に大きく揺れた時に、首や背中の筋肉も大きく引き伸ばされてしまいます。筋肉が不自然に引き延ばされると、肩甲骨の位置もずれてしまうのです。
例えば、肩甲骨が外へ向かってずれている場合は、猫背のような状態になっています。この状態で上を向くと、首の骨だけに負担がかかってしまうため、首が痛く感じてしまうのです。
また、下を向くと首が痛い場合は、肩甲骨が通常の位置より下にずれています。肩甲骨が下がると、僧帽筋や肩甲挙筋も下に引っ張られた状態になります。その状態で首を下げると、必要以上に筋肉を引き延ばすことになり、首に痛みが走るのです。
治療法①上を向いた時に首が痛い場合
上を向くと首が痛い場合は、大胸筋をほぐすことが効果的です。やり方は、ほぐす方と反対側の手を使って、鎖骨の下部分をやや強めになでるようにほぐしてください。ボールを使い手を拳にして、同じ要領でゴロゴロ転がす方法でも良いでしょう。
片側2~3分ずつで、左右行ってみてください。これを毎日続けると、肩甲骨や鎖骨の動きが変化し、首の痛みが緩和されていく効果が期待できます。
治療法②下を向いた時に首が痛い場合
下を向くと首が痛い場合は、三角筋の後方部分をほぐすと効果的です。やり方は、ほぐす側と反対の手を肩の後ろに当てて、指でゴロゴロするようにほぐしてください。
さらに強く圧をかけたい場合は、床の上にテニスボールなどを置き、三角筋後方部分に当たるように仰向けに寝ます。
そして、ボールが軽く転がるように肩を動かしましょう。これを毎日2~3分程度行と、肩甲骨が元の場所に戻り痛みが和らいできます。
事故で首が痛い時に請求できる損害賠償
事故によるむちうちで治療を受けている場合は、損害賠償を請求できます。ここでは、損害賠償の種類や後遺障害と診断された時の対処法などを、解説します。
加害者に請求できる損害賠償の種類
通院費 | 通院にかかった費用 |
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治療費 | 治療にかかった費用 |
入院雑費 | 入院中に必要となった雑費 |
休業損害 | 治療が原因で仕事を休み、その分収入が減ったことに対するもの |
慰謝料 | 事故で精神的・肉体的苦痛を受けたことに対するもの |
後遺障害逸失利益 | 後遺障害で、得られるはずだった収入を損なったことに対するもの |
上の表は、交通事故によるむちうちで首が痛くなった時に、加害者に対して請求できる賠償金の種類です。
慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類があります。後遺障害慰謝料は、後遺障害等級が認定された場合にのみ、請求することが可能です。
後遺障害と診断されたらどうする?
先述したように、これ以上治療を続けても回復の見込みがないと医師が判断すると、後遺障害とみなされます。
その場合は、後遺障害等級認定を申請することが可能です。後遺障害等級に認定されると、後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料を請求できます。
認定される後遺障害等級について
後遺障害等級認定でむちうちの症状の場合は、14級が一番多くまれに12級に認定されるケースもあるようです。
後遺障害等級は、等級の数字が少なくなるほど、支払われる賠償金も高くなります。また、申請した人全てが、後遺障害等級に認定されるわけではありません。
保険会社に疑われないためにするべきこと
事故によるむちうちで、加害者側が加入している保険会社から、本当に痛いのか疑われることがあります。そのような時のためにも、しっかりとした証拠を残しておくことが必要です。
事故後は医師のいる整形外科に行き、診断書に症状を書いてもらいましょう。MRIやレントゲンなどの画像資料があれば、明確に立証できるので尚良いです。
また、頻繁に通院するのも疑われる原因になります。医師が指示する通りの、通院頻度にしておきましょう。
首の痛みがないのに嘘をついてしまったらどうなる?
嘘をついていたということは、痛みがないということですので、治療費を含む損害賠償金は一切支払われません。治療費を受け取った後に嘘がばれてしまったら、保険会社から治療費を請求されます。
痛みが全くないのにもかかわらず、慰謝料目的に通院するような悪質な場合は、詐欺罪で刑事告訴されてもおかしくありません。事故後の検査は必要ですが、日にちが経っても全く痛みが出なければ、通院は控えましょう。
事故で首が痛い時は適切な対処法を行うことが大切
交通事故後に首が痛い時の対処法や自分でできる治療法などを、徹底解説しました。事故に遭ったら、まず整形外科を受診することが、重要ポイントになります。
また、通院先の治療を受けながら、自分でできる治療法も併用すると、さらに回復の効果が発揮できるかもしれません。記事を参考にして、自分に合った対処法を見つけてみてください。
この記事のライター
宮内直美
最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。
記載されている内容は※2022年1月14日 12:06:43 ※時点のものです。
現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
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