交通事故に遭ったら何科を受診すべき?事故後の流れも解説
交通事故に遭った場合には、病院に通院する必要がありますが、どの診療科にかかればよいのか、ご存じでしょうか? この記事では、事故で負った症状ごとのかかるべき診療科や、交通事故後の手続きの流れなどについて解説しています。万が一、交通事故に遭った時の備えの一つとして、ぜひ参考にしてみてください。
交通事故に遭った場合、病院のどの診療科を受診すべきなのでしょうか。
この記事では、交通事故後に受診するべき診療科や、交通事故が発生してからの流れ、事故後に通院するときの注意点などについて解説しています。
交通事故に遭った方や、受診すべき診療科にお悩みがある方は、ぜひ参考にしてみてください。
交通事故に遭ったら何科を受診すべき?
交通事故に遭った場合は、どの診療科を受診するとよいのでしょうか?
ここでは、各診療科の選び方を紹介します。
まずは整形外科へ
交通事故に遭った場合、まずは整形外科を受診しましょう。
整形外科では、骨・筋肉・関節・神経などの状態を診てもらうことができます。
特に、首や腰などに痛みや痺れなどの症状がある場合には、整形外科を受診してください。
頭部が心配なら脳神経外科や神経内科へ
交通事故で頭部に強い衝撃を受けた場合、脳挫傷など、脳に損傷を負っていることがあります。事故で頭を強く打っていたり、頭部に異常を感じる場合は、脳神経外科を受診しましょう。
また、頭痛やめまい、しびれなどの自覚症状があるのに、整形外科では原因がわからなかった場合は、神経内科も受診するとよいでしょう。
出典・参照:脳挫傷|医療法人 原三信病院
心因性の症状があるなら心療内科や精神科へ
交通事故が原因でダメージを受けるのは体だけではありません。事故により大きな精神的なショックを受けると、神経が常に張り詰めた状態になったり、眠れなくなったり、事故の瞬間がフラッシュバックするなど、日常生活に影響が出ることがあります。
このような症状が現れた場合、うつ病やPTSDなど、いわゆる心の病気になっている可能性があります。このような症状がある場合には、早めに精神科や心療内科を受診しましょう。
出典・参照:うつ病|厚生労働省
出典・参照:PTSD|厚生労働省
整骨院や接骨院への通院も可能
たとえば、交通事故でむちうちになった場合、整骨院や接骨院に通院することができます。
整形外科などとの治療とあわせて施術を受けることで、相乗効果が期待でき、回復が早まる可能性があります。
注意点としては、整骨院などに通う前に、病院の医師に整骨院などに通院してもよいか、確認を得ることです。医師の確認がある場合、整骨院などの施術も、治療の一環として扱われ、加害者の保険会社から施術費を支払ってもらえます。
整骨院などに通院したい場合には、医師に相談してみましょう。
被害者が妊婦の場合は産婦人科も受診
交通事故の被害者が妊婦だった場合、母体のみでなく、胎児の状態も診る必要があります。
そのため、整形外科のみでなく、産婦人科も受診しましょう。
そのため、まずは整形外科を受診し、他の診療科を受診する必要がある際には、医師に相談して、適切な診療科を受診しましょう。
交通事故が発生してから示談までの流れ
交通事故に遭ってしまったら、様々な手続きを行う必要があります。
ここでは、交通事故発生から、示談までの流れを解説していきます。
- 事故が発生する
- 適切な診療科を受診する
- 一定の頻度で通院を継続する
- 賠償金を請求する
1:事故発生から病院受診までの主な流れ
交通事故が発生したら、まずは負傷者の救護を行い、道路の安全を確保して、警察へ連絡しましょう。
警察へ連絡する時は、交通事故が発生した日時や場所、負傷者の有無やケガの程度、事故で壊れた物やその被害の程度などを報告しましょう。
警察が事故現場に到着したら、実況見分が行われますので対応しましょう。
その後、身体の状態を診てもらうためにも、症状の有無にかかわらず、病院を受診してください。
出典・参照:交通事故に関する証明書|自動車安全運転センター
2:適切な診療科を受診する
交通事故に遭った場合は、病院を受診しましょう。
事故の影響で、痛みなどの症状がある場合には、整形外科を受診してください。
そして、今後の手続きで必要になる診断書を取得しましょう。
3:一定の頻度で通院を継続する
病院への通院は、適切な頻度で通院することが重要です。
たとえば、1ヶ月に1回などと、極端に通院日数が少ない場合は、治療の必要性が無くなったと、加害者の保険会社に判断されてしまい、治療費支払いの対応が打ち切られてしまいます。
具体的には、怪我の程度によって異なりますが、おおよそ週に2~3回を目安に通院するとよいでしょう。
そして、怪我が完治、または、症状固定と診断されるまで、通院を継続することが大切です。
4:賠償金を請求する
怪我が完治した後は、休業損害や慰謝料などの賠償金を請求することになります。
一般的には、加害者の保険会社から賠償金額が提示されます。この時に、金額をよく確認してください。
もし、金額に納得がいかないような時には、すぐに了承することはせず、交渉することが大切です。
交渉の結果、増額が認められればよいのですが、一般の方が自分で交渉しても、なかなか主張が認められない可能性があります。そのため、交渉しても承諾してもらえない、対応に不安があるような時には、弁護士に相談することをおすすめします。
保険会社から賠償金を提示されたら、すぐに承諾することはせず、よく確認することが大切です。賠償金額が低いなどと納得がいかないときには交渉しましょう。なお、保険会社との交渉を弁護士に依頼することもできますので、検討してみてください。
交通事故で請求できる賠償金の内容
交通事故では、治療費や休業損害、慰謝料など、事故の態様によって、様々な賠償金を請求することができます。
ここからは、交通事故で請求できる賠償金を解説していきます。
治療費・通院交通費などの積極損害
交通事故で怪我を負った場合、病院で治療を受けるための費用や、通院するための交通費、入院費、付添看護費などの治療に係る様々な費用が必要になります。
このように、交通事故に遭ったことで被害者が支出しなければならなくなった費用のことを「積極損害」と言います。
これらの費用は、示談交渉を経て、加害者側に請求することができます。
なお、治療費に関しては、加害者が任意保険に加入していれば、「一括対応」を受けることができ、加害者の保険会社が病院に直接治療費を支払ってくれますので、安心して通院しましょう。
出典・参照:積極損害|チューリッヒの自動車保険
休業損害や逸失利益などの消極損害
交通事故で怪我を負った場合、病院に通院する必要がありますので、仕事に従事することが難しくなってきます。また、重傷を負って、仕事に就けないこともあるでしょう。
このように、事故の影響で仕事への従事が困難になり、収入の減少を補償するための賠償金として、休業損害と逸失利益(後遺障害・死亡)があります。
これらの費用のことを「消極損害」と言います。
消極損害とは、事故に遭わなければ得られていたはずの将来の利益のことを指します。
なお、後遺障害の逸失利益は、残存した後遺症が後遺障害等級に認定された場合に、死亡の逸失利益は、被害者の方が亡くなった場合に請求することができます。
出典・参照:消極損害|チューリッヒの自動車保険
慰謝料
交通事故に遭ったことで、多大な精神的苦痛を受けることが予想されます。
この、精神的苦痛を受けたことで支払われる賠償金が慰謝料です。
交通事故の慰謝料には、入通院慰謝料(傷害慰謝料)、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料があります。
入通院慰謝料は、交通事故で怪我を負ったことで、病院に入院・通院しなければならなくなったことで受ける精神的苦痛に対して支払われるものです。
そして、後遺障害慰謝料は逸失利益と同様に、残存している後遺症が後遺障害等級に認定された場合に、死亡慰謝料は被害者が事故で亡くなった場合に支払われます。
病院に通院する時の注意点
交通事故に遭い、怪我を負った場合には、病院に通院して治療を受けることになりますが、通院する際には、被害者の方が気をつけるべきポイントがいくつかあります。
そこで、ここからは、被害者の方が知っておくべき通院のポイントを解説します。
痛みや症状が無くても通院する
特に、むちうちでは、事故直後に症状が無いこともあります。
そして、数日してから症状が出てくる場合もありますので、事故直後に症状が無くても、病院を受診してください。
また、事故日と初診日が空いている場合、事故と怪我の因果関係が否定され、人身事故扱いに切り替えられなくなる可能性もありますので、すみやかに病院を受診してください。
通院頻度に気を付ける
通院頻度が少ない場合は、治療費の支払い対応が打ち切られてしまい、その後の治療費を自己負担することになります。
交通事故の治療は、何度も病院に通院する必要があるため、多額な治療費を負担することになりますので、注意しましょう。
交通事故に遭い、痛みなどの症状が無い場合でも、身体の状態を正確に診てもらうために、病院を受診してください。筋肉や神経などの損傷は外見からは異常を認めることはできません。病院で適切な検査を受けて診断を受けましょう。
交通事故に遭った時に受診すべき診療科を知っておこう
交通事故に遭い、痛みなどの症状がある場合、まずは整形外科を受診しましょう。整形外科で、身体の状態を診てもらうことが大切です。
そして、必要に応じて他の診療科を受診することも大切です。医師と相談しながら、治療を進めて行きましょう。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
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